生理学実験技術データベース
Experimental Techniques for Physiological Sciences

I-2 Last update: 2010-03-23

電球型LEDランプの性能比較

Lamp type LED examination as lighting used to experiment
Summary Lamp type LED is put on the market. The basic data to use lamp type LED for an experimental lighting was measured. A brightness, a light distribution pattern, a spectrum, generation, heat, power consumption, and an electric noise were compared.
用途 LEDの輝度の向上と青色LEDの出現により、照明機器へのLEDの利用がされはじめている。
LEDを実験用照明として使用するにあたり基礎データを計測した。
特徴 測定データとしては、電流値、発熱、配光パターン、スペクトル、電気ノイズである。
電球型LEDは、60W白熱電球と置き換えが可能な昼光色を使用した。
白熱電球及び
電球型LED
白熱電球   :Panasonic 54WL
シャープ製  :DL-L601N
東芝製    :LEL-AW8N
パナソニック製:LDA7D-A1
測定器 電流:3284ディジタルクランプメーター(日置電機)
温度:SK8700赤外線放射温度計(SATO)
照度計:ANA-F11(東京光電)
スペクトル:USR40D16スペクトロメーター(ウシオ電機)
電気ノイズ:MS2661Aスペアナ(アンリツ)
測定方法 電流値:点灯30分後にクランプメーターにて計測
温度:点灯30分後に、電球の先端を計測
    電球型LEDでは、放熱器部分も計測
配光パターン:器具の1m直下に10cmメッシュの網目を描いた板を置き、網目の交点での照度を測定。
         電球の上方及び側面方向の配光パターンを計測
スペクトル:光スペクトルメーターにて計測
電気ノイズ:スペアナの入力端に1MΩの抵抗を接続し計測
測定結果 電流値:
 60W白熱電球の点灯時電流値は、0.58Aであった。電球型LEDでは、0.07~0.13Aあった。
発熱:
 白熱電球の点灯後30分経過した時点での温度は、最高点(接続金具付近)で110℃最低点(先端付近)で80℃あった。電球型LEDでは、発光部の最も発熱の大きかった器具でも30℃であった。放熱部の最高温度は、65℃であった。(室温は、ほぼ24℃)
照度・配光パターン: 
 電球管型LED3種共に、白熱電球に比べると電球上方では照度は高いが、側方では上部から基部に向かうにしたがい、急激に照度が落ちる。これは、電球内のLEDの配置によるものであろう。
スペクトル:
 白熱電球は、赤外線領域まで強力に発光している。しかし、電球型LEDでは、紫外線領域での発光は無く、青色の470nmの鋭いピークと蛍光材による 黄色の575nmのなだらかなピークが観察される。この傾向は、3種の全ての電球型LEDで共通であった。
電気ノイズの発生:
 白熱電球は、電気ノイズを発生させることがないが、電球型型LEDは器具内に電源用インバーターがあり、ノイズを発生させていた。器具によりインバーター回路が異なるため、ノイズレベル及びその周波数は異なった。
考察  LED使用の照明装置は、発熱量、紫外線の発生、消費電力が少ないことが利点である。
 カタログ値によれば、寿命も従来の照明装置に比べると20倍あると書かれている。
 欠点としては、照度及び配光パターンが必ずしも従来の照明装置と同等ではないこと(特に側方で顕著)と、電気ノイズが発生すること、価格が高いことである。

 実験の照明に使用する際には、スペクトルも含めて、これらの差が実験に影響を及ぼさないか確認する必要がある。
使用上の制限
動作条件など
なし
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