動物・ヒトのからだは、なかなかのスグレモノです。機械と違い部品を取り替えたり付け足すことなく成長し、また普通たいした修理もなく何十年にわたり働き続けるからです。からだの中でも脳は不思議な存在です。脳の研究には、それこそ何百年にわたる長い歴史がありますが、1980年頃から分子生物学的な研究方法が脳研究に導入され、文字通り”分子のレベル”から脳の機能を研究することが可能となりました。
脳の研究には、いろいろなアプローチの方法があります。アプローチを2つに大別すると、分子や細胞の機能を通して脳の機能を解析していくというbottom-Up的方法であり、一方、個体としての活動から脳がいかに働いているかということを解析するtop-down的な方法です。脳の機能を知るためには、分子の研究だけを行っても、また逆に個体の反応や行動だけを解析しても、脳の全体像を理解することは出来ないでしょう。
それでは、これらの2つの方法をどのようにまとめていけばよいのでしょうか?神経シグナル部門では、シナプス・神経細胞のBottom-up的解析を通して脳の働きを理解することをめざし、主に以下の研究を行っています。
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