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Dept. of Cell Physiology


機能協関研究部門


 脳神経系など生体機能のもととなる細胞機能のすべては,細胞膜におけるチャネル(イオンチャネル,水チャネル)やトランスポータ(キャリア,ポンプ)、バイオ分子センサーの働きによって担われ,支えられている。私達は容積調節や吸収・分泌機能や環境情報受容、網膜における光受容と視覚情報処理など最も一般的で基本的な細胞活動のメカニズムを,チャネル,トランスポータ,レセプター,センサー,メッセンジャーなどの機能分子の働きとして細胞生理学的に解明し,それらの異常と疾病や細胞死との関係についても明らかにしようとしている。主たる研究課題は次の通りである。

 (1) 「網膜における視覚情報処理のメカニズム解明」:網膜には、光感受性センサーなど様々な種類のバイオ分子センサーが発現し、初期の視覚の形成を担っている。とくに網膜神経節細胞での視覚情報の統合処理について、網膜組織培養法(図1)を活用したバイオ分子センサーの遺伝子操作および電気生理学的手法を用いて明らかとする。

 (2) 「細胞容積調節の分子メカニズムとその生理学的役割」:細胞は(異常浸透圧環境下においても)その容積を正常に維持する能力を持ち,このメカニズムには各種チャネルやトランスポータやレセプターの働きが関与している(図2)。これらの容積調節性膜機能分子,特に外向整流性容積感受性クロライドチャネル(VSOR)やそのシグナルの分子同定を行い,その活性メカニズムと生理学的役割を解明する。

 (3)「アポトーシス,ネクローシス及び虚血性細胞死の誘導メカニズム」:容積調節能の破綻は持続性の容積変化をもたらして細胞死を誘導する(図3)。多くの細胞のアポトーシス,ネクローシス,更には脳神経細胞や心筋細胞の虚血性細胞死の分子メカニズムを解明する。特に,イオンチャネルの関与とそのメカニズムを明らかにし,「細胞死の生理学」という分野を切り開く。

 (4)「バイオ分子センサーチャネルの分子メカニズムの解明」:イオンチャネルはイオン輸送や電気信号発生のみならず,環境因子に対するバイオ分子センサーとしての機能を果たし,他のチャネルやトランスポータ制御にも関与する多機能性蛋白質である。特に、アニオンチャネルやチャネルやカチオンチャネルの容積センサー機能、メカノセンサー機能およびストレスセンサー機能の分子メカニズムを解明する。


図1:網膜組織培養系(遺伝子導入)システム


図2:低浸透圧環境下での細胞容積調節(RVD:調節性容積減少)のメカニズムとVSOR Clチャネルの容積センサー機能



図3:細胞容積調節破綻とアポトーシス性及びネクローシス性細胞死(RVI:調節性容積増加,AVD:アポトーシス性容積減少,NVI:ネクローシス性容積増加,VSOR:容積感受性Cl-チャネル)



図4:心筋細胞におけるストレスセンサーATPチャネル

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