主な研究業績

最近の主な研究業績

大脳皮質の最も深い場所にある神経細胞が 経験に応じて変化することが明らかに

大脳皮質の最も深い場所にある神経細胞が 経験に応じて変化することが明らかに

一般的に大脳皮質の神経細胞は、生後発達期の経験に応じてその機能が調整され、育った環境に適応すると考えられています。しかし、大脳皮質の最も深い場所である6b層の神経細胞も経験によって機能が変化するかについては、皮質深部にあり計測が困難なことから、明らかではありませんでした。マウス大脳皮質一次視覚野の6b層の神経細胞の計測に成功し、その機能的特徴が、生後の視覚経験によって変化することを発見しました。

2023年02月21日

繰り返し見た画像であれば見にくくなっても知覚できる脳の仕組みを明らかに

繰り返し見た画像であれば見にくくなっても知覚できる脳の仕組みを明らかに

同じ画像を繰り返し見る経験をすることによって、その画像がぼやけて見にくくなった時に強く応答する神経細胞が一次視覚野において増加していることを発見した。さらに、この細胞が見にくい画像の視知覚に貢献していることを明らかにした。

2021年11月27日

大脳皮質視覚野の神経細胞の同期的活動が発達するメカニズムを解明

大脳皮質視覚野の神経細胞の同期的活動が発達するメカニズムを解明

大脳皮質視覚野の浅い層では、正常な視覚体験下でのみ視覚反応性の似た神経細胞の同期的な神経活動が形成され、深い層では視覚体験の影響をあまり受けずに神経細胞の同期活動が形成されることを見出した。

2018年09月05日

細胞系譜に依存した双方向性神経結合形成は胎生期の遺伝子発現制御により規定される

細胞系譜に依存した双方向性神経結合形成は胎生期の遺伝子発現制御により規定される

クローン神経細胞同士には、そうでない細胞同士に比べて、双方向性神経結合がはるかに高い確率で形成されていることを見出した。また、胎生期にのみ発現するDNAメチル化酵素(Dnmt3b)による遺伝子発現制御が双方向性結合の形成に必要であることを、Dnmt3b遺伝子を欠損させた神経細胞の結合解析により明らかにした。

2016年12月02日

大脳皮質視覚野の微小神経回路網の形成には生後の正常な視覚体験が必要である

大脳皮質視覚野の微小神経回路網の形成には生後の正常な視覚体験が必要である

大脳皮質視覚野の個々の神経結合は明暗の視覚刺激があれば形成されるが、個々の結合が組織化されて微小神経回路網が形成されるには、生後発達期の形態視を含む豊かな視覚経験が重要である

2014年09月10日