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2013年7月 伊佐 正 |
Gordon Research Conference 7月7−12日に米国ボストン近郊のStonehill Collegeで開催されたGordon Research Conference (GRC) “Eye Movements”に研究室から4人で参加してきた。この会は2005年から途中一度途切れているがほぼ隔年で開催されている会で、私は2年前の前回に招待されて一人で参加した際にすっきり気に入ってしまい、今回は2度目で研究室の皆を連れてきた。Eye movementsとは言いながら、実際には眼球運動には必ずしも限定せず、より広い意味でのsensory motorからcognitionの間をつなぐような領域で大変魅力的なプログラムである。(http://www.grc.org/programs.aspx?year=2013&program=eyemove)分野的には、私のhome groundのようなもので、旧知の人も多い。ただ、この会の良いところは、それだけではなく、他のGRGとも共通だと思うが、関係者が4日半の会議を通しての参加を求められ、郊外の大学のキャンパスに缶詰になることだ。そうすると何が良いかというと、通常の1−2日の会だと知っている人としかあまり話せないのが、これだけ長くなると参加者全員の間にある一定の親しさが生まれ、多くの人と知り合いになることだ。今回の会議でもBob Wurtz, Eric Knudsenらの大物に加え、Jeff Schall, Doug Munoz, Kathy Cullen, Carol Colby. Marc Sommerらのこの分野の代表選手だけでなく、げっ歯類の認知機能の研究で現在破竹の勢いのPrincetonのBrodyのグループのJeffrey Erlichさん、サルの視覚野のイメージングを多角的に進めているベルギーのLeuvenのWim Vanduffelさん、米国のSalk Instituteでマーモセットのサッケードを始めたJude Mitchellさんなど、普段ならなかなか話す機会のなかったであろう色々な人がほぼずっと通しで参加しており、お蔭でじっくり話ができ、一部は共同研究の可能性について相談できたのは収穫だった。中には私の事は論文では知っていたが、今回来ているとは知らなかったという人とも3−4日目になって話すこともできた。 我々の発表については、前回私は口演したということで、今回は当初ポスターのみでの参加の予定だったが、笠井君の上丘の2光子記録の演題を口演に採択してもらった。初舞台で緊張したと思うが評判は上々だった。あと、ウィルスベクター2重感染による経路選択的遮断法によるマウス上丘出力経路の機能解析と、盲視サルのオペラント学習に関する演題を出したが、一部は内容を妙によく知っている人達もいて(論文の査読者?)、千客万来。充実した毎日だった。収穫は多い会で、2年後も開催されるならまた是非とも参加したい。
「ご挨拶2013年6月」 |
伊佐 正 教授 ![]() |
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