若手研究者によるポスター発表の中から特に優れた発表に対して、若手優秀発表賞を表彰いたしました。
2018年度は104名ものご応募をいただきました。
4つの研究領域ごとに厳正なる審査を行い、以下の28名が若手優秀発表賞に選ばれました。
この度は「次世代脳プロジェクト」冬のシンポジウム2018におきまして、若手優秀発表賞という名誉な賞を頂きましたこと大変嬉しく思っております。修士課程までは乳がんの研究をしており、心機一転して神経科学の分野に今年から参入した身として、異なる分野での学会でこのような賞を頂けたことは、今後の大きな励みになると実感しております。このような賞をいただけたことは、新参者の私に懇切丁寧に指導してくださった星野さんをはじめとする研究室の皆様のおかげであり、この場を借りて御礼申し上げます。
しかし、受賞を喜ぶ一方、現場で他の発表者の研究を拝見する中で、まだまだ自分が研究者としてはスタートラインに立った程度であることも実感致しました。今後は常に向上心を持って研究に今以上に邁進し、周りに自信を持っておもしろさを語れるようになりたいと思っております。また、発表を聞く中で自分の知らない様々な技術が存在することがわかりました。そういった最先端の技術を自分の研究に反映させることで、より洗練された研究ができると実感致しました。今後は常に最新の情報に触れ、どのように自分の研究を発展させていくかを考えていきたいと思います。
この度は「次世代脳プロジェクト」冬のシンポジウム2018において若手優秀発表
賞に選出していただき誠に感謝申し上げます。今回の研究が完成するまで非常に
長い時間かかりましたが、最後まで諦めずに頑張ってよかったと思います。研究
の完成までに松崎政紀先生、田中康裕先生、川口泰雄先生をはじめとして、たく
さんの方に大変お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。
内容は、マウスがレバー引き課題を学習する際に視床から運動野へ送られるシグ
ナルについて発表させていただきました。多くの先生方に私たちの研究を紹介し
様々なコメントをいただくことができて、発表中は終始興奮状態でした。こう
いった時間は私にとって大変貴重で、研究をやっていてよかったと思う瞬間でも
あります。運動学習のメカニズムに少しでも迫るような研究がしたいと思って始
めましたが、やればやるほど奥深さを感じ新たな疑問も尽きません。この研究で
学んだことを活かしつつ、多くの人におもしろいと思ってもらえる研究をしてい
きたいです。
この度、「次世代脳プロジェクト」冬のシンポジウム2018において若手優秀発表という栄えある賞を頂きましたこと、誠に光栄に存じます。
本研究は、シナプス前後の同期した活動を可視化し、同一個体で経時的にシナプス増強を観察することを目的としたものですが、発表当日は様々な先生方と議論させて頂き、貴重なご意見を賜ることができました。非常に有意義な時間であったことは言うまでもありません。
私はまだまだ若輩者ですが、今回このような賞を頂けたのは、「より研究に励め」という叱咤激励に他ならないと思っております。今後はこの研究を1日でも早く形にし、神経科学の発展に少しでも寄与できるよう、これまで以上に全力を尽くしたいと思います。
最後になりますが、本研究に関してはもちろん、研究者として日頃よりご指導頂いている林(高木)朗子先生をはじめ、たくさんのお世話になっている方々に心より感謝申し上げます。
この度は、若手優秀発表賞に選出して頂き大変光栄に存じます。本研究において直接ご指導を頂いている眞部寛之先生、解析のご協力を頂いている廣川純也先生、研究室主宰の櫻井芳雄先生をはじめ、お世話になっている皆様に御礼申し上げます。
私は匂い行動課題中のラットから、匂い感覚ニューロン(嗅皮質ニューロン)のマルチユニット活動記録を行う研究をしています。一般的に感覚ニューロンといえば、外界から受けた情報をキチンと表現するセンサーのイメージが強いと思います。しかし嗅皮質ニューロンは、匂い刺激自体に応答するだけでなく、匂いによって誘発された行動や、その結果得られた報酬に対しても特徴的な応答を示し、まるで連続的な匂い経験を嗅皮質ニューロン群で表現しているような、面白い現象を発見できました。
本研究は、匂いを嗅ぐとそれに付随した記憶を思い出すような体験の、神経回路基盤の解明に繋がるのではと、楽しく妄想しています。今後は、光遺伝学を用いた嗅皮質ニューロン活動の人為的操作等を行い、発見した現象と回路・行動との因果を明確にしていきます。これからも研究を楽しむ気持ちをモットーに、また面白い発表ができるよう精進します!
この度は若手優秀発表賞に選出していただきまして、大変光栄に存じます。ポスターでは、視線方向が腕運動学習に強く寄与する内容を発表いたしました。「新聞を読みながらコップに手を伸ばす、飛んでくるボールを打ち返す」といった我々の日常の運動行為には、必ず視線の動きが連動します。それならば、「腕運動の内部モデル獲得は、腕運動システムに閉じた表現ではなく、腕と視線が連関した脳内表現によって成り立つのでないか」というのが私のリサーチモチベーションとなっています。発表の場では、実験内容をロジカルに説明することに加えて、自身のリサーチモチベーション、今後の発展性について語ることを意識いたしました。先生方との議論の中で頂戴した示唆に富む多くのご意見は何よりも価値があり、今後も自身の成果をより魅力的かつ信頼性のあるものに発展させるべく、研究に勤しむ所存です。
最後になりましたが、本研究のスーパーバイザーであるNTTの五味裕章 グループリーダー、ならびに新学術領域「人工知能と脳科学の対照と融合」代表者である銅谷賢治 先生に心より感謝いたします。
この度は、「次世代脳プロジェクト」冬のシンポジウム2018において、若手優秀発表賞に選出していただき大変光栄に存じます。また、本研究成果を得るにあたり、ご指導いただきました大阪大学分子神経科学講座の山下俊英教授を始め、講座の先生方及び皆様に深く感謝致します。そして、現在の実験環境が非常に恵まれたものであり、充実した日々を過ごしていることを再認識致しました。
我々は、脳卒中後疼痛におけるミクログリアの役割について研究を進めており、このような難治性の痛みがどのように発症するのかについて、特に中枢神経系の回路再編に着目して解析を行っております。痛みは、警告信号としての役割もありますが、長期間持続する強い痛みは我々が日常生活を送る上では深刻な問題です。そのため、今後は脳卒中後疼痛を含む痛みの発症メカニズムを基盤にした効果的な痛み治療の開発を目指し、研究に精進して参ります。
最後になりましたが、今回このような素晴らしい発表の機会をご用意して下さり、選考して下さった先生方に厚く御礼申し上げます。
この度は「次世代脳プロジェクト」冬のシンポジウムにおきまして優秀発表賞を頂きまして大変光栄に存じております。本研究を遂行するにあたり、指導してくださった留学先のキアラシレリ教授、ジュリオトノーニ教授、並びに現所属先の古屋敷智之教授、そして研究室の皆様と共同研究者の先生方に厚く御礼申し上げます。また当日の会場におきましては、皆様より数多くのご助言を頂きましたこと、誠にありがとうございました。
本研究におきましては、社会ストレスや断眠ストレスにより生じる樹状突起やシナプスの変化について、あらゆる細胞と細胞内小器官を可視化できる連続電顕を用いて解析した結果を報告させて頂きました。来る日も来る日も白と黒のコントラストで構成される電顕像を解析し続けて参りましたが、無数の神経突起やグリア細胞の突起が織り成す美しい秩序に、飽きるどころか益々の魅力を感じている所です。今回の受賞を励みに今後も一層の努力を重ね、科学の発見に微力ながらも貢献していきたいと考えておりますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
この度は「次世代脳プロジェクト」冬のシンポジウム2018において若手優秀発表賞に選出していただき、大変光栄に存じます。
今回私は、「ダウン症モデルマウスの大脳新皮質における神経発生異常のメカニズムの解析」というタイトルでポスター発表をさせていただきました。ダウン症は、知的障害を伴う疾患として広く認知され、21番染色体を三本持つという遺伝的要因も古くから知られています。しかしながら、よく知られた症状が発生期においてどのように形成されるのか、根本的な理解は乏しいのが現状です。今回のポスター発表でも様々な分野の方々に興味を持っていただき、数々の貴重な助言を頂きました。今回の発表を糧に、受賞を励みに、これからもダウン症の病態の理解、原因の究明の一助となれるよう、より一層努力していこうと思います。
日頃よりお世話になっている東京大学の眞田佳門准教授、倉林伸博助教、研究室の皆さん、そして様々な形でご指導・ご協力いただいた全ての先生方に、この場をお借りして深く感謝致します。
発表日時・場所
演題の登録について(10月17日をもって受付を締切りました)
その他
次世代脳プロジェクトでは、若手研究者によるポスター発表の中から特に優れた発表を選考し、若手優秀発表賞を授与します。
応募資格
選考方法について
【採点方法】
以下の3項目について(学生枠は2項目)各々1~4の4段階の評価を各審査員が行います。
researchmapを参考にする場合があります。researchmapのアカウントをお持ちの方は11月末までに、最新のデータに更新しておいてください。
【採点法】
一般枠=(1)+(2)+(3) (12点満点)、学生枠=(1)+(2)(8点満点)で計算し、各領域の全審査員の平均を総合評価とする。
選考結果について
授与式
三國 貴康(新潟大学)
哺乳類生体脳でのゲノム編集技術の開発と応用
この度は、「次世代脳プロジェクト」冬のシンポジウムの若手優秀発表賞に選出していただき、誠にありがとうございました。今回の受賞の対象となった研究内容は、生体脳内でのゲノム編集技術を開発し、その応用として、脳での内在性タンパク質の局在や動態を1細胞のコントラストで高解像度にイメージングできるようにしたことです。この一連の技術開発により、従来の方法では解決が困難であった様々な分子・細胞神経科学における問題に取り組めるようになったと思います。
サイエンスの発展の歴史は、新しい技術による新しい発見の連続です。私はこれからも、新しい技術を開発し、開発した技術を使って神経科学における未解決の問いに答えていきたいと考えています。そのために現在、新しい研究室を立ち上げているところですので、一緒に面白いサイエンスをやりたい方は、是非私までご連絡ください。
これまでの研究は、多くの方のサポートの上に成り立っています。とくに、私がこれまでに在籍した東大の狩野方伸研究室、Max Planck FloridaのRyohei Yasuda研究室のメンバーの皆様に、心より感謝いたします。