生理学研究所 Takemura Lab Sensory & Cognitive Brain Mapping
大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 生理学研究所大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 生理学研究所

メンバー募集

大学院生生活に関するQ&A

大学院での研究生活にはどの程度お金がかかりますか?
竹村教授が兼担をしている総合研究大学院大学(総研大)には優れた経済支援制度がありますので、総研大の大学院生として竹村研に来られる場合、お金の心配は不要と思います。入学料については、入学者全員に入学料相当額の生理研奨学金が支給されます。また日本人大学院生については全員がリサーチアシスタント(RA)として雇用され、初年度より年額100万円〜170万円が支給されます。また3年次以降は、月額19万円が支給されるSOKENDAI特別研究員に応募することができます。国内で脳研究を行い学位の取得を目指す上では、トップクラスの経済支援環境と言えます。また3年次(いわゆるD1)以降に、日本学術振興会特別研究員(DC)制度に採択されるよう指導を行います。詳しくは、生理学研究所内の「大学院の概要」「大学院入試情報」「生活及びキャリアサポート」をご参照の上、不明な点があればお問い合わせください。ただし限られたリソースの中で経済的な面でも研究指導の面でも恵まれた環境を維持したいため選抜をせざるを得ませんので、希望される方全員を大学院生として受け入れることはできない旨はご了承ください。
他大学の大学院生ですが、竹村研で研究を行うことは可能ですか?
生理学研究所には特別共同利用研究員という制度があり、他大学の大学院生の方を受け入れて研究指導を行うことが可能です。ただし受け入れに当たっては、現在所属されている大学院の研究科長名義での申請書、および指導教員の推薦書が必要になりますので、ご所属の大学院における先生方の許可無く受け入れることはできません。このため、他大学の大学院に籍を置きながら竹村研で研究を行うことを希望される場合は、現在の指導教員の先生と良く話し合いをしていただく必要があります。また上記の通り、総研大の大学院生に対しては充実した経済的支援を提供することができるのですが、他大学の大学院生の方に対しては同じレベルの経済的支援は担保できない可能性があります。このため、大学院で所属する研究室を探している段階の学生の方には、原則的には総研大を受験していただくことをお勧めします。ただ、現在の所属先の先生方の了解が得られた上で正式に特別共同利用研究員として竹村研に来られた場合、ラボメンバーの一人として扱い、総研大生と同様に研究指導を行いますし、他大学の大学院生だからと言って手抜きをすることはありません。竹村研ではこれまで、大阪大学大学院所属の大学院生を受け入れた実績はあります。
竹村研に入るには、どの程度事前知識が要求されますか?
現代の脳研究には神経科学のみならず、計算機科学・磁気共鳴医学・解剖学・生理学・心理学・発達科学などの様々な資質が要求されます。これら全てを学部時代に習得することは実質的に不可能ですので、大学院入学以降に多くのことを学んでいただくことになります。竹村自身も大学院時代までは心理学を専攻しており、ポスドク以降で脳イメージングに本格的に取り組み始めましたので、いわゆる文系出身であることは必ずしも不利にはならないと思います。ただし、脳イメージング研究ではプログラミングや信号処理などを行なってデータ解析を行うことが必須ですし、研究室での日々の活動では英語を頻繁に用います。こうしたことについて学ぶことにあまり興味が持てない方には、当研究室は適していないかもしれません。
英語力は必要でしょうか?
必要です。研究室で毎週行うミーティングは、基本的に英語で行っています。これは、研究発表の際に用いる言語はこの分野は原則的に英語であること、また研究室としては多様なメンバーの方に入っていただきたいので、日本語を母語としない方でも入りやすい環境をつくりたいという意図があります。ただ誤解しないでいただきたいのは、完璧な英語を話せる・書けることは最初の時点では期待されていないという点です。英語が完璧であることよりも、論理的に筋道が通ったことを話せる・書けることが成果発表や科学コミュニケーション上重要で、これは言語が日本語であったとしても必要なことです。むしろ、ネイティブとは異なるアクセントであっても、論理的に筋が通ったことが堂々と話せる研究者になることの方が大事だと思います。このため高度な英語のスキルを最初から期待しているわけではありませんが、大学院入試ではTOEICのスコアが求められますので、研究室に入る上で必要最低限の水準はあるということにご留意ください。
応募する前に竹村教授にメールでご連絡する必要はありますか?
大学院志望者からのメールでのお問い合わせはいつでも歓迎しますし、効率的なやり方と思います。問い合わせの際には、メールに氏名・所属大学・専攻(学部/学科)を記載してください。また、(1)なぜ竹村研の研究に興味を持つに至ったか、(2)これまで研究経験はあるか、(3)大学院でどのような課題に取り組んでみたいか、などを記載して頂いた上で問い合わせていただくと有意義なやり取りになるのではないかと思います。
毎日の研究室での生活はどのように進むのでしょうか?
コアタイムは設定しませんが、週1回ラボミーティングを行いますので大学院生の方には参加していただきます。竹村教授は現在育児を行なっている関係上、概ね朝の早めの時間から勤務し、夕方の5時には帰ります(また在宅勤務を行う日もあります)。大学院生にこの生活リズムに合わせることを無理強いはしませんが、教授とのミーティングは朝の9時から夕方の4時までの間に入りますし、ヒト実験参加者を対象とした実験もこの時間に入りますので、朝型の生活に適応していただくことにはなります。多様な働き方をサポートすることを目標にしていますので、朝から晩まで研究室に籠ることは推奨していません。
研究室の活動として、海外に渡航するチャンスはありますか?
竹村研は、国際ヒト脳マッピング学会(OHBM)や北米神経科学学会(SfN)などの国際会議に積極的に参加をしています。参加にあたっては発表を行っていただくことを原則としますので、日々の研究で成果が出れば、海外の学会に積極的に参加していただきたいと考えています(ただし財源等の状況によります)。日本学術振興会特別研究員(DC)に採用された方については、特別研究員の規則に基づき海外での研究経験を一定期間積んでいただくことも可能です。
卒業生の進路としてはどのようなものが考えられますか?
まだ卒業生が出ていないため、具体的なことを書けないのが現状ではあります。一般に、博士号の取得後、ポスドク研究員としてさらに研究を続けられる方は一定数いらっしゃると思います。特に海外でのポスドクを希望される方には、これまで培ってきた人脈を生かしてサポートをしたいと考えています。一方で、日本でも博士号の取得後企業等で活躍される方も多くなってきました。プロジェクトの成果を論文としてまとめ上げるスキル、成果を国際的な場で英語でプレゼンテーションするスキル、得られたデータを分析して結論を導くデータサイエンスの素養、などは以前よりも企業で重視されるようになっているように思えます。またヒト脳研究で行なっていることは「人間の理解」です。「原理や理論の追求」を目指す基礎研究と、「疾患の克服」を目指す臨床研究、「顧客の理解とビジネスとしてのサービスの実装」を目指す企業活動は、向いている方向は確かに違うのですが、人間を理解しなければならないという意味では共通点も多いのではと思います。このため、この分野で鍛錬を積まれた卒業生の方がアカデミアに限らず、様々なフィールドで活躍していただけるのは私にとっても嬉しいことです。私の同年代の友人でも、この分野での研究を経て企業で活躍されている方も多いですので、大学院卒業後企業等で活躍するというキャリアも積極的に支援したいと思います。