平成27年度~31年度 文部科学省科学研究費補助金新学術領域研究(研究領域提案型) 温度を基軸とした生命現象の統合的理解(温度生物学)

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研究組織・メンバー(計画班)

A01「温度センシング」の研究連携

A01-1 TRP チャネルおよび膜脂質による温度センシング機構の解明

  • 代表者;富永 真琴(岡崎統合バイオサイエンスセンター)
  • 分担者;高木 昌宏(北陸先端科学技術大学院大学)
  • 分担者;久原  篤(甲南大学)
  • 分担者;内田 邦敏(福岡歯科大学)
[研究内容]

温度感受性TRP チャネルがいかに温度を感知してチャネル開口にいたるかを、培養細胞による異所性発現系・人工脂質二重膜システム等を用いて解明するとともに温度感受性TRP チャネル機能の生理的意義の解明、進化解析も行う(富永)。膜受容体のドメイン局在と、その機能に及ぼす温度あるいは膜の流動性の影響について、人工膜系と細胞系の実験を並行しつつ解析する(高木)。低温馴化に関わる分子細胞ネットワークを明らかにする(久原)。

A01-2 細胞質・細胞核の温度センシング機構の解明

  • 代表者;今本 尚子(独立行政法人理化学研究所)
[研究内容]

細胞が環境温度を感知すると細胞質と核の情報分子交換システムが大きく変化する。この現象は、細胞質・核のシグナリングが深く関与すると考えられるがその実体は明からでない。新しく見つけた輸送運搬体Hikeshi(火消し)の機能、温度応答に伴った分子シャペロンの細胞内ダイナミクスと機能の変化、温度応答に伴ったImportin を含む核内外輸送の活性変化に着目することで、細胞の温度感知機構を明らかにする。

A01-3 細胞内温度センシングとエネルギー代謝制御機構の解明

  • 代表者;梅田 真郷(京都大学)
[研究内容]

動物細胞が、環境温の変動をいかに感知し、ミトコンドリアを始めとする細胞内エネルギー代謝機構を代償的に変化させているのか、その分子機構を明らかにする。具体的には、細胞内温度変化に応答して発現変動する分子群の中で、細胞内のエネルギー代謝制御に関わる遺伝子・分子を特定し、その発現制御機構ならびに細胞内エネルギー代謝の調節機構を解明する。

A01-4 細胞内外における局所温度の最先端計測技術の開発と実践

  • 代表者;原田 慶恵(大阪大学)
  • 分担者;岡部 弘基(東京大学)
[研究内容]

本研究では、定量性や精度に優れた細胞内温度計測・操作法を開発する。これらを用いて細胞内温度の変動やそれを維持する機構を探索するとともに、細胞内温度の刺激応答性、恒常性、周期的変動を調べる。さらに、脳組織試料における細胞内温度計測へ応用し、組織・個体レベルでの温度調節における細胞内温度変化の役割と意義の解明を目指す。

A02「温度応答システム」の研究連携

A02-1 体温と代謝の自律性・行動性調節を担う神経回路機構の解明

  • 代表者;中村 和弘(名古屋大学)
  • 分担者;山田 哲也(東北大学)
[研究内容]

ラット・マウスを用いた脳組織レベル、個体レベルでの解析を通じて、哺乳類の末梢ならびに中枢神経組織の温度情報統合の仕組みを明らかにし、さらに、体温と代謝の自律性・行動性調節を担う中枢神経回路機構を明らかにする。それにより、暑熱、寒冷、飢餓、飽食などの様々な環境ストレスに対峙するために生体に備わった仕組みとその動作原理を解明する。

A02-2 生体の温度センシング・温度応答・体温制御における概日時計機構の役割の解明

  • 代表者;土居 雅夫(京都大学)
[研究内容]

体内時計に焦点を当て、温度変化が体内時計の位相を変化させる仕組み、脳内のサーカディアンリズム中枢が体温の日内変動を生み出すための神経回路、個体・組織・細胞内の局所温度のサーカディアンリズム、ならびに、温度センシングにおける昼夜の温度感受性変化を生み出す分子機構の解明を目指す。

A02-3 温度による行動制御の基盤となる快・不快情動生成機構の解明

  • 代表者;南  雅文(北海道大学)
  • 分担者;柴崎 貢志(群馬大学)
[研究内容]

行動性体温調節の基盤となる場所嗜好性・嫌悪性に関わる快・不快情動生成機構を明らかにする。生体内局所温度制御・温度計測技術を用いることにより、末梢感覚神経での温度センシングを起点とする快・不快情動生成に加えて、脳局所での温度センシングによる快・不快情動生成の可能性とその神経機構について検討し、温度による行動制御の神経機構の全容を明らかにする。

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