若手研究者によるポスター発表の中から特に優れた発表に対して、若手優秀発表賞を表彰いたしました。
2017年度は110名ものご応募をいただきました。
4つの研究領域ごとに厳正なる審査を行い、以下の20名が若手優秀発表賞に選ばれました。
今回「次世代脳プロジェクト冬のシンポジウム2017」にて、「若手優秀発表賞」という名誉な賞をいただくことができました。
次世代脳のシンポジウムには初めて参加させていただいたのですが、他ではなかなかない長さの発表の時間をいただけて、聴講してくださった先生方と十分に議論を重ねることができました。先生方の指摘やアドバイスは刺激的で、自分の研究へのモチベーションの向上にも繋げることができたと感じています。
賞のために発表を行ったわけではありませんが、こうした賞を頂けると、研究における自分のしてきた努力の方向性が、多少は正しかったのだと認められた気がして、非常に励みになります。今後とも頑張っていきたいです。
しかし、今回の賞は日々厳しくご指導してくださっている研究室の先生、先輩方、学会やシンポジウムにおいて的確な指摘やアドバイスを下さる先生方のおかげだと考えています。自分一人の結果でないことを強く意識し、浮かれないように、地に足をつけて研究をしていきたいです。
今後ともよろしくお願いします。
この度は次世代脳プロジェクト冬のシンポジウム2017において若手優秀発表賞に選出していただき大変光栄に存じます。本研究において直接ご指導を頂いている岡本仁先生、解析のご協力を頂いている深井朋樹先生、馮志聰博士、島崎秀昭先生、また一緒に研究を進めてくださっているIslam Tanvir博士、柿沼久哉博士をはじめ、お世話になっている皆様に御礼申し上げます。
本研究では仮想空間において意思決定課題を行っているゼブラフィッシュ成魚終脳の神経活動を2光子顕微鏡でイメージングすることで、意思決定過程がどのような機構によってなされているのかを明らかにしようと試みています。当日の発表では多くの先生方に議論していただき、数多くの貴重なアドバイス、コメントをいただき大変勉強になりました。
今後もゼブラフィッシュ成魚をモデル動物として用いることで、1個体システムとしてどのような神経活動が意思決定過程に寄与しているのか、そしてそれは各脳部位のどのような相互作用によってなされているのかを明らかにしていきたいと考えています。
最後になりましたがこのような素晴らしい発表の場をご用意して下さった皆様に厚く御礼申し上げます。
この度は若手優秀発表賞に選出していただき大変光栄に存じます。
今回のポスターでは、マウス大脳皮質5層においてニューロンのタイプに特異的なカラム状の小さなクラスターが、様々な皮質領野で活動相関を示し、一次視覚野においては方位選択性と眼優位性が類似することを報告いたしました。マイクロカラムとよばれるこの構造は、大脳皮質のさまざまな領野に存在したことから,感覚処理,運動制御,言語処理などの大脳の多様な機能に共通する情報処理を担うことが考えられます。また個々のマイクロカラムに含まれる細胞は特定の方位選択性や眼優位性を示すことから、ネコやサルで見られる方位選択性カラムや眼優位性カラムなどの、いわゆる皮質カラムの内部構造を解明するための糸口となる可能性が考えられます。
本研究のご指導を承りました細谷俊彦先生、並びに共同研究者の皆様に心より感謝いたします。また当日会場におきましては皆様から数々のご助言を頂戴いたしました。重ねて御礼申し上げます。
この度は数ある発表者の方々の中から「若手優秀発表賞」に選出していただき、大変光栄に思います。ありがとうございました。嗅覚研究はマイナーな分野ではありますが、嗅覚入力から摂食行動に至る脳内機構を解明することで、外界の感覚情報を基に適切な行動選択をするという脳の本質的機能に迫れると考えております。
本学会では、多くの先生方と密な議論をさせて頂き、非常に充実した時間を過ごすことができました。大変良い勉強の機会になったとともに、今後の自分の研究に対するモチベーションの向上にも繋がりました。心より感謝致します。これからもこの学会に参加させて頂くと共に、この素晴らしい学会をより多くの人に周知していきたいと思います。
今後も研究生活で辛い日々が続くかもしれません。しかし、このような学会で自分の研究が評価されたように、諦めないでひたむきに努力していけば、いつか誰かが評価してくれるということを忘れないで、多くの実績を残せるように日々研究に勤しんでいきたいと思います。Every cloud has a silver lining.
この度、次世代脳プロジェクト冬のシンポジウムにおいて、若手優秀賞に選出していただき大変光栄に存じます。ご指導いただきましたコロンビア大学のRafael Yuste先生をはじめ、共同研究者の先生方に深く感謝いたします。今回の発表内容は、シナプス入力に対する樹状突起スパインの電位変化をイメージングによって明らかにした、というものでした。私はこれまで成体脳ニューロン新生に関する研究をおこなっていましたが、今回の発表は神経活動イメージングへ分野を大きく転向した最初の成果でした(それまでイメージングは勿論、電気生理実験もプログラミングも全く経験がありませんでした)。センサーの改良や解析方法の確立等、樹状突起スパインの膜電位イメージングの系のイチからの立ち上げはとても苦労しましたが、幸運にも若手優秀賞に選出していただき大変嬉しく思います。今回の発表に関連する膜電位イメージングによる神経活動計測技術は、システム神経科学の発展に無くてはならないものです。今後、皆さんに使っていただける優れたイメージング技術の開発を目指し、更には神経科学研究の発展に貢献できるように貪欲に邁進していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
この度は、次世代脳プロジェクト冬のシンポジウムにおいて若手優秀発表賞に選出していただきましたこと、心より御礼申し上げます。
私は「アストロサイトを介した体温制御機構の解析」についてポスター発表を行いました。近年、アストロサイトによる脳機能の制御が注目されていますが、脳部位ごとの詳細な機序については多くが未解明です。今回、脳部位特異的にアストロサイトのCa2+濃度を上昇させる新しいツールを使用し、視索前野のアストロサイトCa2+濃度上昇が体温上昇を引き起こすことを発見しました。新しい実験を計画し、条件のセットアップを行うのは時間がかかりましたが、その成果を認めていただけましたことを大変嬉しく思います。また、予想以上に沢山の方が発表を聞いてくださり、貴重なアドバイスを多くいただき、参加した意義の大きさを感じております。
私はまだ修士課程の未熟者ですので、今回の受賞は日頃より世話になっております東京医科歯科大学の田中光一教授・平岡優一助教のご指導の賜物だと感じております。この受賞を励みに、いつも先生方からいただいているご助言を、今後は自分自身で考え、生み出せる様、勉学に精進して参る所存でございます。
このたび次世代脳冬のシンポジウムの「若手優秀発表賞」に多くの発表者の中から選出して頂き、誠にありがとうございます。基礎的な知識やデータの解釈がまだまだ未熟な身としては、このような栄誉ある賞を頂き、大変恐縮しております。これもひとえに狩野方伸先生はじめ日頃ラボで指導して下さっている先生方のおかげかと思っております。
発表の前日は自分のデータの穴や知識の浅さに、聴衆の先生方からどういった質問がくるのだろうかとかなり身構えておりました。実際に、発表の場でも自分の考えていた以上のご指摘を下さる先生もいらっしゃり、今後の方針を決める上でも大変勉強になりました。その一方で、(内容的に)面白いといったコメントを下さる先生方もいらっしゃり、自分自身で苦労して見つけた結果について、他の方から評価をして頂けた点で大変嬉しく感じました。
もともと研究者志望ではあったのですが、初期研修医として働いていた間はただただ意味の分からないことばかりが渦巻く仕事場に悶々とする日々を過ごしていました。その頃から考えると、自分の興味のある疑問について納得のいくまで追求していくことができる現在の環境は大変贅沢かつ充実したものだと感じております。日々の実験は地道なものが多く、失敗ばかりでつらいことも多々ありますが、今回の受賞を励みに、飛び上がりたくなるほどの新たな発見を求めて実験を続けていきたいと思っております。
改めまして、今回は本当にありがとうございました。
発表日時・場所
その他
次世代脳プロジェクトでは、若手研究者によるポスター発表の中から特に優れた発表を選考し、若手優秀発表賞を授与します。
応募資格
選考方法について
【採点方法】
以下の項目について(学生枠は項目(3)を除く)複数の審査員が評価します。
選考結果について
授与式
下條 博美(京都大学)
遺伝子発現動態と神経分化の時間制御機構
この度は「次世代脳プロジェクト」冬のシンポジウム2017において若手優秀発表賞に選出していただき、大変光栄に存じます。
今回、「遺伝子発現動態と神経分化の時間制御機構」というタイトルで発表させていただきました。神経発生過程において神経幹細胞の維持や運命決定に関わる転写因子に着目して、遺伝子発現動態の違いが細胞運命決定にどのような違いを生み出すかに興味を持って仕事をしています。遺伝子発現といっても単にONとOFFの状態があるだけではなく、数時間周期の振動発現から、数日単位におよぶ持続発現まで様々な動態があります。近年、様々な現象において遺伝子の発現がダイナミックに変動していることが報告されていますが、これらの動態の多様性がもつ生物学的意義や制御機構には未だ多くのことが分かっていません。今回の受賞を励みに、今後も「動態」という複雑で多様性のある制御機構の可能性を広げていきたいと思います。
最後になりましたが、学生の頃からあたたかく忍耐強くご指導頂いている京都大学ウイルス・再生医科学研究所の影山龍一郎教授と研究室の皆さん、そして様々な形でご指導・ご協力いただいた全ての先生方に深く感謝致します。