未来の科学者賞 2013
2014.1 vol 37
本年度も、岡崎市教育委員会とのタイアップにより、未来の科学者賞が決定いたしました。
昨年10月13日(日)に開催された岡崎市小中学校理科作品展から、現役の研究者が、着眼点やユニークな発想などを基準に優秀10作品を選出しました。
竹刀を使って弓を作ろう
矢作北中学校・2年 後藤 崇文
竹刀の廃材の竹を使って自分の体にあった弓を作り、その性能を確かめる研究です。自分の体にあうサイズを明確に測定し、それにあう竹の大きさを決定して設計した物を、実際に作製して実験していますが、その性能を測定した結果、47m弱という驚異的な性能が確認されました。豊かな発想のもとで研究が開始され、丁寧な測定もされています。まとめ方もすっきりしてわかりやすく優れた研究だと思います。
発表内容はこちらから shinai.pdfアリの臨機応変
六ッ美北中学校・2年 佐野 宏伸
実験の方法として、場所を変える、敵のアリを加える、温度を変える、湿度を上げるなど、数種類の刺激を与えた時のアリの反応を、丹念にかつ根気強く観察した研究です。各条件においてアリの状況を注意深く観察した結果から、考察もしっかりされていて、研究としてすばらしいと思います。今後もしっかりとした観察を続けることで、新しいことをたくさん発見してください。
発表内容はこちらから ari.pdf魚の歯を調べてみたら・・・
愛宕小学校・6年 三浦 麻悠子
魚の骨格ではなく、歯の形に注目した点が着眼点として優れていると思います。いろいろな魚の歯を標本にすることで、食生活の様子にいたるまで、いろいろな発見があったようです。研究方法も、歯の形状などからその違いを注意深く観察していて、優れた内容だと思います。今後は、海水魚と淡水魚にわけて分類するなど、いろいろな視点から標本を増やしていくと、素晴らしい図鑑が完成するかもしれませんね。
発表内容はこちらから sakana.pdf葉っぱはかさになるの?
大門小学校・5年 岡田 涼伽
研究は着眼点がとても重要です。この研究は非常に多くの種類の、葉っぱの水のはじき現象を調べている点が、着想として素晴らしいと思います。入念な観察によって、オダマキやサトイモがきれいな球状の水玉になることが観察できました。今後は、水玉の形成などについて科学的な見解を加えていくとすばらしい研究になると思います。
発表内容はこちらから happa.pdfにおいの強い植物が与える力
根石小学校・6年 犬塚 達也
しょうが、ニンニク、パセリ、わさびなど、強いにおいを持つ植物が、虫や食物、他の植物に与える影響を、丁寧に観察している点が素晴らしいと思います。どれも、ごはんがカビることを遅らせる働きがある点を、しっかりと実験で確かめています。バッタがニンニクで弱ってしまうこと、二十日大根の成長を促進することなど、驚きの結果もあります。実験を考えついたアイデアと根気強い観察のたまものですね。
発表内容はこちらから nioi.pdf音の波形とかたち
井田小学校・4年 鈴木 琴子
この研究は、音の伝播、性質を調べています。まず、音叉を使い、音が波であることを明らかにし、次にオシロスコープを利用して、音の大きさが波の振幅によって表され、音の高低が波の振動数と関係していることを調べています。最終的に、ボウル上に広げた塩の分布の変化から、音の波形を可視化し、その違いを調べていますが、音について3段階で論理を組み立て解明している点が研究方法として素晴らしいと思います。
発表内容はこちらから otonohakei.pdf毛細管現象っておもしろい!
細川小学校・5年 山本 茉奈美
身近な現象である毛細管現象について、さまざまな液体、材質を組み合わせて詳しく調べた研究です。データがとても詳細に記録されていて、グラフによるプレゼンテーションもわかりやすく作られています。さらに、温度による影響も検討されていて、実験として非常によく計画されたものとなっています。結果として、フェルトでは油がよく吸われることを発見するなど面白い発見もあり、考察も優れていると思います。
発表内容はこちらから mousaikan.pdfゲンジボタルのすきな環境はこれだ
美合小学校・4年 皆瀬 勇治
ゲンジボタルが好む環境を研究するにあたって、ホタルが生息する川の特徴が詳しく調べられています。ホタルがすみやすい条件と照らし合わせて各川の問題がよく考察されている点が素晴らしいと思います。また、大雨が降った翌年に、ホタルが変わらず見られる理由を調べるために、大雨の時に、カワニナとゲンジボタルがどのようにしてうまくやり過ごしているか、細かく観察されている点も優れていると思います。
発表内容はこちらから genjibotaru.pdf太陽の力で100℃の湯をわかそう
上地小学校・4年 天野 凪
とてもインパクトのある研究タイトルだと思います。研究方法として、改良に改良を加えた湯わかし装置をいろいろ製作していますが、そのアイデアにとても感心しました。装置は5号まで製作して、温度がやっと100℃に達していますが、どのような改良を加えて、どのような効果があったかが、明確に説明されていて優れた内容だと思います。最後に大好きなカップラーメンを食べることができて良かったですね。
発表内容はこちらから taiyou.pdfどの水が花を長持ちさせるか
形埜小学校・4年 鈴木 彩花
切り花をできるだけ長持ちさせたいという優しい動機から始めた研究です。実験方法として、12種類の様々な水を使ってその様子を詳細に観察していますが、その観察結果で驚かされるのは、さとう水がもっとも長持ちしたという点です。これはかなり意外な結果だと思います。継続的な観察を根気よく続けている点、条件検討をわかりやく表現している点も、研究としてはとても重要なことで、素晴らしい研究だと思います。
発表内容はこちらから donomizuga.pdf
- 「未来の科学者賞 2013」2014.1 vol 37
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