ご挨拶

プログラムオフィサー


課題Fプログラムオフィサー
慶應義塾大学 医学部

柚﨑 通介

  津本プログラムディレクターの下、加藤プログラムオフィサーの補佐として「課題F(精神・神経疾患の克服を目指す脳科学研究)」のプログラムオフィサーを務めさせていただいております。

  米国では1990年代に「脳の10年」という戦略的基礎研究が行われましたが、ヒトの健康や産業発展に結びつかないような基礎研究に、どうして多額の血税を投入する必要があるのか、という批判が相次ぎました。そのため、欧米や我が国でも、製薬や臨床応用などのいわゆる「出口」につながるような研究に研究費を重点的に配分しようとする動きが続きました。しかし、同時に出口志向の研究のみでは新しい発見は得られないことが、2000年代になり、ここ10年間で再認識されてきました。結果がすぐに出なくても基礎科学への長期的な投資が必須であり、新しい発見は基礎科学なしには語れないとの反省がなされつつあります。それでも公的研究費が国民の税金によって支えられている以上、研究の結果を社会へ還元していくことは全ての研究者の義務と責任だと思います。

  この「脳科学研究戦略推進プログラム」は、とりわけ「社会に貢献する脳科学」の実現を目指した、トップダウン型の戦略的研究です。このような観点から、基礎的研究と応用的研究のバランスを取りつつ、研究成果を社会に向かって分かりやすく発信し、社会への貢献につなげていけるよう精一杯お手伝いをしたいと考えています。

課題F・生命倫理プログラム
オフィサー
理化学研究所
脳科学総合研究センター

加藤 忠史

  平成23年度より、「課題F(精神・神経疾患の克服を目指す脳科学研究)」、「生命倫理課題(生命倫理等に関する課題の解決に関する研究)」のプログラムオフィサーを務めさせていただいております加藤です。

  私の担当している課題の中でも、精神・神経疾患の克服を目的としている課題Fは、この様なミッションを持つ国家プロジェクトとしては、過去最大級の規模のものだと思います。これは、これまでの脳科学の基礎研究の成果を社会に還元しようという、明確な方向性を示しています。

  2009年に発表されたWHOの統計により、精神・神経疾患は、我が国において、がん以上に大きな社会的負担となっていることが明らかにされました。しかし、精神・神経疾患の研究は、がんに比べるとはるかに遅れをとっています。脳科学が進歩した現代、これまで謎であった精神・神経疾患を解明する機運が高まっています。精神科医療にイノベーションを起こすべく、精神・神経疾患を解明することは、脳科学に携わる者の責務であると言っても過言ではありません。

  この「脳科学研究戦略推進プログラム」は、研究者の好奇心に基づくボトムアップの研究とは根本的に異なり、真に精神・神経疾患の解明という目標につながる研究が求められています。プログラムオフィサーの仕事は、実際に務めてみると予想よりはるかに過酷であることが分かりましたが、真に精神・神経疾患の解明につながる研究が進められるようにサポートする役割を頂いたことを、嬉しく思っております。

  精神・神経疾患の解明を進め、診断法、治療法の開発につなげていくことにより、患者さん、ご家族の方々を初めとする、国民の皆様の期待に応えられるような研究が進むよう務めていく所存ですので、どうぞよろしくお願いします。

課題Gプログラムオフィサー
東京医科歯科大学大学院
医歯学総合研究科

田邊 勉

  「課題G(脳科学研究を支える集約的・体系的な情報基盤の構築)」のプログラムオフィサーを務めております田邊です。

  「脳は分子・細胞・神経回路・脳・個体にわたる階層性を持ち、遺伝的要因に加えて、環境要因や個体の行動により常に変化する大規模複雑システムである。従来の脳科学の方法論は、特定の階層に限定して単純化されたモデルを想定し、実験により検証するという方法が主流であった。しかしながら、多階層の脳機能解明には、重要な脳機能に着目し、その脳機能を網羅的・系統的計測技術を活用し、分子・細胞・神経回路・脳・個体に至るまで階層をつないだ全体システムとして捉え、従来の仮説検証型のアプローチとは異なった新しい脳研究の方向性を生み出すことが重要である。」

  課題Gは上記コンセプトの下で研究を遂行する委託業務として公募された課題であり、採択された研究課題は「情動の制御機構を解明するための神経情報基盤の構築」であります。本研究では、情動に関連する神経回路の動作原理や可塑性変化、神経回路再編を制御するメカニズムを明らかにすることを目標とし、線虫から哺乳類に至る様々な生物種を用い、データ駆動型の研究を遂行します。情動の制御機構の理解は、統合失調症、自閉症、気分障害などの精神・神経疾患の病態を理解するためには極めて重要であり、他の研究課題への貢献も大いに期待されるところであります。

  本プログラムでは様々な分野の研究者がそれぞれの専門性を十二分に発揮し多彩な成果を有機的に統合することが期待されており、もしうまくいけばこれまでにはなかったような研究方向性の提案、研究成果が得られることが期待されます。しかしながらこのようなグループ構成の場合、個々のグループがそれぞれの研究の進捗に伴い、求められている方向性とずれてしまいがちなことも確かであります。私の役割は、当初掲げられた目標達成に向けて方向性がぶれないよう研究推進に関わる指導・助言等を行うことであると理解しております。三品プログラムディレクターの指示の下、業務に邁進していく所存でありますのでよろしくお願い申し上げます。

BMI技術・霊長類モデル・
生命倫理プログラムオフィサー
東京医科歯科大学大学院
保健衛生学研究科

赤澤 智宏

  「BMI技術(BMI技術を用いた自立支援、精神・神経疾患等の克服に向けた研究開発)」、「霊長類モデル(霊長類モデル動物の創出・普及体制の整備)」、「生命倫理課題(生命倫理等に関する課題の解決に関する研究)」のプログラムオフィサーを務めさせていただいております赤澤です。

   「脳科学研究戦略推進プログラム」は、「社会に貢献する脳科学」の実現を目指し、少子高齢化を迎えた我が国において、心身の健康寿命を延ばす事を目指した脳科学研究を推進するプログラムです。脳科学委員会の審議に基づいて、政策課題対応型研究プログラムとして研究を進めてきました。今後も、研究の出口及び役割分担を明確にし、着実、効率的に実行されることが求められています。

   私自身は、損傷神経の再生・機能修復機構について研究を重ねてまいりました。本分野における近年の急速な新展開には、研究に関わってきた一人として目を見張るものがあります。 私に託された任務は、研究の発展に貢献するべく、本プロジェクトに従事する各研究者との間で密な関係を築き、研究課題の進捗管理や研究推進に係る指導や助言など多角的な支援を行っていくことであります。国民の皆様の脳科学研究への期待に応えるべく、その責務を果たしていきたいと考えています。

   どうか皆様方の御支援、御協力をお願い申し上げます。

終了した課題


課題A・B・Cプログラムオフィサー
京都大学大学院医学研究科

陣上 久人


課題A・B・Cプログラムオフィサー
東京医科歯科大学大学院
保健衛生学研究科

赤澤 智宏


課題Dプログラムオフィサー
自然科学研究機構 生理学研究所

吉田 明


課題Eプログラムオフィサー
慶應義塾大学 医学部

柚﨑 通介

課題Eプログラムオフィサー
理化学研究所
脳科学総合研究センター

加藤 忠史

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