イベント情報

出張授業・東京大学ラボツアー(樹徳高等学校)
  脳科学を支えるモデル動物研究!

 1日目:出張授業 in 樹徳高等学校
 ◆開催日時◆ 2014年8月29日(金)14:00~16:00
 ◆会  場◆ 樹徳高等学校(群馬県桐生市)
 
 ◆講  師◆


     永井 拓 (ながい たく)


      名古屋大学大学院 医学系研究科

      准教授、博士(医学)




1998年名城大学薬学部卒業。2000年名城大学大学院薬学研究科修了。修士(薬学)。

2003年名古屋大学大学院医学系研究科修了。博士(医学)。

名古屋大学 医学部附属病院文部科学技官、金沢大学大学院自然科学研究科助手、

名古屋大学大学院医学系研究科特任講師を経て、2010年1月より現職。


   
 ◆◇◆授業の様子◆◇◆
   2014年8月29日、樹徳高等学校にて、脳プロ 課題Gの永井拓先生による出張授業を実施いたしました。

   高校1年生から高校3年生まで15名の皆様にむけて、情動行動に関係する脳の神経回路や神経伝達物質についてのお話から、遺伝子改変マウスの行動を観察する実験などの先生の御研究のお話まで、たくさんの内容について講義いただきました。
   また当日は、研究で使われるものと同じ蛍光顕微鏡のデモコーナーを設置し、マウス脳の切片の観察も行いました。
   授業後の質問コーナーでは、高校生の皆様から多くの質問をいただきました。「神経伝達物質は、生物による違いがあるのか?」、「タンパク質がリン酸化すると、なぜ活性化するのか?」といった授業に関連した専門的な質問の他にも、先生が研究者を目指したきっかけや、大学の医学部や薬学部への進路のことなどの質問も出て、大変興味深いお話を伺うことができました。
   高校生の皆様と交流を深めることができ、とても有意義な出張授業となりました。
 

沢山の生徒さんから御質問をいただきました。

蛍光顕微鏡による観察体験中。


 
 
 2日目:東京大学ラボツアー(樹徳高等学校の生徒さん)

 ◆開催日時◆ 2014年8月30日(土)11:00-15:00
 ◆会  場◆ 東京大学 本郷キャンパス(東京都文京区)
 
   樹徳高等学校(群馬県桐生市)の高校1, 2年生6名、先生4名に参加いただき、脳プロ 課題Gに参画している東京大学の河西春郎先生と伊藤啓先生の研究室見学を実施しました。
 
 ◆◇◆当日の流れ◆◇◆  
   午前中は河西春郎研究室、お昼を挟んで午後は伊藤啓研究室に伺い、実際の研究現場の様子を見学させていただきました。
 
 ◆講  師◆

 

    柳下 祥 (やぎした しょう)


     東京大学 医学系研究科 疾患生命工学センター 構造生理学部門

     特任助教


 


2008年東京大学医学部医学科卒業。

東京大学医学部附属病院で初期臨床研修の後、

2010年東京大学大学院医学系研究科博士課程入学、2013年同退学。

2013年より現職。


   
   東京大学医学部にある河西春郎研究室では、柳下祥先生から脳が情動を記憶する仕組みと、そのメカニズムの解明に向けたマウスを用いた研究についての紹介がありました。
   その後、蛍光顕微鏡でマウス脳切片の神経細胞を観察したり、生きている動物の脳を直接のぞける二光子励起顕微鏡を用いてシナプスを観察しました。高校生の皆様は神経細胞やスパインを直接観察するのは初めてで、とても新鮮だったようです。
 

情動とは何かというお話から情動を記憶する
仕組みまで、講義いただきました。

特別な試薬を使用するため、黄色い照明の実験室でした。

 
   
 ◆講  師◆  

 

    伊藤 啓 (いとう けい)


     東京大学 分子細胞生物学研究所 脳神経回路研究分野

     准教授、理学博士




1986 年東京大学理学部物理学科卒業。

1991年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。(PhD, 生物物理)。

1991年ドイツ マインツ大学研究員。

1994 年科学技術振興事業団(ERATO) 研究員。

1998年基礎生物学研究所助手を経て、2002年より現職。


   
   大学の食堂で昼食をとった後には、東京大学 分子細胞生物学研究所の伊藤啓研究室を訪問しました。
   伊藤啓先生は、ショウジョウバエを用いて神経のネットワークを可視化する研究をされています。ショウジョウバエは、身体が小さく扱いやすい上に複雑な行動も行うため、脳科学研究によく使われるモデル動物です。
   先生の研究の御紹介に次いで、特定の神経回路を蛍光標識した3次元脳画像を3D眼鏡で観察しました。立体的で迫ってくる画像は大変迫力がありました。
   また、顕微鏡がたくさん並んだ実験室では、蛍光標識したショウジョウバエの脳を実体顕微鏡で観察したり、生きているショウジョウバエの脳活動をリアルタイムに測定する実験の様子を見学しました。数々の鮮明な蛍光画像に高校生の皆様も興奮していました。
 

3D眼鏡で3次元脳画像を観察中。

蛍光標識したショウジョウバエを実体顕微鏡で観察中。

   
 ◆◇◆まとめ◆◇◆
   今回の出張授業・ラボツアーでは、実際に動物を観察する機会が多かったことから、研究現場を直接肌で感じていただく良い機会となったのではないかと思います。
   遠いところお越しいただいた樹徳高等学校の皆様、出張授業に来ていただいた永井拓先生、ラボツアーにご尽力いただいた河西春郎研究室と伊藤啓研究室の皆様、誠にありがとうございました。
(矢口)

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