ご挨拶

2008年12月T   伊佐 正 

ワシントンでの北米神経科学学会に参加したあと、カナダのクイーンズ大学を訪ね、HFSPの共同研究チームでの合宿会議(写真はこちら)に参加し、帰国しました。北米神経科学学会は時差ボケと闘いながら自分が関連する11個の演題の発表と毎昼、毎晩いろいろな人との食事などで目が回っているうちに終わりました。もう少し他の人たちの発表や特別講演などを聞いて回るべきだったとも思います。いつもながらこの辺のバランスをもう少し良くできないか、と思います。要は事前にもう少しitineraryをしっかり準備しておくべきなんですね(反省)。あと、期間中に日本の神経科学学会の庶務理事の立場として、北米神経科学学会の事務局長のMarty Saggeseさんたちと今後のSFNと日本神経科学学会との関係強化について話し合いました。彼らの話によるとSFNには約3000名の日本人会員がおり、今回も約2000名程度が八百数十の演題で参加しているとのこと。つまり日本の神経科学大会の約半分がSFNに来ているということなのです。それにしてはいま一つ見えにくい日本人のプレゼンスを何とかできないか、というのが論点のひとつでした。また、最終日には生理研がお世話をさせていただいている「日米脳」のbusiness meeting。NIH側のスタッフと会って、米国側の審査に同席するとともに、懇談。毎年続けているとお互い親しくなるし、米国流の審査や制度設計のやり方に接することができるのは勉強になります。再来年で10年になるのでそれに向けて何とか盛り上げようというのが現在の課題です。
HFSPのチームでは、我々は一次視覚野損傷後のサルモデルでの研究や上丘の神経回路についてextensiveに共同研究をしています。だいぶデータが出てきているので今回は主に論文執筆について詰めて話し合うことができました。やはり、「合宿」は集中してサイエンスのことを考えることができるし、お互いに親しくなれるのでとても良いです。あとは帰国後もいかにしてそのテンションを維持できるかが課題でしょうか。

帰国してあたりを見回すと、もう11月も末で今年もあと1か月です。

本来は12月2-5日と、IBRO schoolとFAONSシンポジウムでバンコクに出張予定だったのが反政府組織による空港占拠のため延期になりました。いずれも私の研究室の重要な共同研究者であるチュラロンコン大学のThongchai Sooksawateさんをはじめとする私のタイの友人たちが企画していたもので、彼らの落胆ぶりを考えるとお気の毒としか言いようがないのですが、来年のしかるべきタイミングで開催されることを願っています。
そこで4日間、急に時間ができたので、たまっていた仕事を一気に片付けて暮れまでに“債務返済“できるように励みたいと思います。

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 伊佐 正 教授 
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