新着情報

掲載日 内 容
12/12/28 東京大学
「血圧コントロールの体内機構を解明~浸透圧変化に応答するタンパク質による調整システム~」
"ASK3 responds to osmotic stress and regulates blood pressure by suppressing WNK1-SPAK/OSR1 signaling in the kidney. (I. Naguro et al.)"-Nature Communicationsにて掲載(東大・名黒助教、一條教授他)

12/19 日経プレスリリースにて掲載「東大、血圧コントロールの体内機構を解明」

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<概要>
腎臓に多く発現するASK3というタンパク質が、浸透圧変化に対して感度よく、精密に応答し、浸透圧変化の際に必要な情報伝達を担っていることを明らかにした。さらに、ASK3を失ったマウスでは、普通のマウスでは血圧に変化が見られない程度の高食塩食で高血圧になることを明らかにし、ASK3が腎臓で働き、体内のイオンバランスの調節をすることが血圧コントロールに必要であることを世界で初めて提唱した。
12/12/26 北海道大学
「日本人大学生の自殺既遂者の気質と性格傾向についての研究」
"Temperament and character profiles of Japanese university student suicide completers. (N. Mitsui et al.)"-Comprehensive Psychiatryにて掲載(北大・井上講師他)

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<概要>
入学時にCloningerの気質と性格の質問紙(TCI)を施行した大学生のうち、在学中に自殺既遂した群と対照群のTCIの傾向を比較した。自殺既遂者は損害回避の傾向が高く、自己超越の傾向が低かった。これらの気質・性格の傾向が自殺既遂の予測因子になることが示唆された。
12/12/21 北海道大学
「分界条床核から腹側被蓋野ドーパミンニューロンへの主要な神経路は脱抑制性のGABA作動性投射である」
"Three types of neurochemical projection from the bed nucleus of the stria terminalis to the ventral tegmental area in adult mice. (T. Kudo et al.)"-The Journal of Neuroscienceにて掲載(北大・工藤研究員、南教授、渡辺教授他)

12/25 マイナビニュースにて掲載「北大、神経核『分界条床核』が『腹側被蓋野』を制御する仕組みを解明」

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<概要>
腹側被蓋野VTAから側坐核や前頭前野に対するドーパミン作動性投射は、報酬行動や薬物依存に関与している。分界条床核BSTはVTAに投射を送る主要な神経核の1つであるが、その投射の神経化学的特性や標的は不明であった。今回、BSTからVTAへの投射の90%がGABA作動性であり、VTAのGABA作動性ニューロンを標的としていることを明らかにした。従って、BST は、VTAドーパミンニューロンの脱抑制を介してその活動を制御していることが示唆された。
12/12/14 名古屋大学  名古屋大学
「神経特異的転写因子Neuronal PAS domain 4 (Npas4)は神経突起伸長とシナプシンIのリン酸化を制御する」
"Neuronal PAS domain protein 4 (Npas4) regulates neurite outgrowth and phosphorylation of synapsin I. (J. Yun et al.)"-The Journal of Biological Chemistryにて掲載(名大・山田教授、永井准教授、貝淵教授他)

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<概要>
Neuronal PAS domain protein 4 (Npas4)は脳特異的に発現し、抑制性神経のシナプス発達を制御する転写因子である。これまでに我々は、ストレスによる増加するグルココルチコイドがNpas4遺伝子の転写を抑制することを明らかにしている。本報告では、Nuero2a細胞および初代培養神経細胞においてNpas4が神経突起伸長を促進することを示し、この突起伸長にはNpas4で転写誘導されるCdk5とシナプシンIのリン酸化が重要であることを示唆した。さらにNpas4ノックアウトマウスを用いた実験から、in vivoでもNpas4がシナプシンIのリン酸化に重要であることを示した。
12/12/14 理化学研究所
「複数の精神神経疾患に関連するIMPA2は、線虫の温度走性にも関与する」
"Human myo-inositol monophosphatase 2, rescues the nematode thermotaxis mutant ttx-7 more efficiently than IMPA1: functional and evolutionary considerations of the two mammalian myo-inositol monophosphatase genes. (T. Ohnishi et al.)"-Journal of Neurochemistryにて掲載(理研・大西研究員、吉川チームリーダー他)

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<概要>
IMPA2は我々がクローニングした新しいタイプのイノシトール脱リン酸化酵素である。その遺伝子は、我々も含めて、統合失調症、双極性障害、熱性けいれんに関連があることが報告されてきたが、機能的に不明な点も多々あったため、 ノックアウトマウス作成およびその解析とと共に、線虫の温度走性障害ミュータントのレスキュー実験も行った。有意な所見は「線虫の温度走性障害」を回復させることが出来た点で、このことは今まで知られていたIMPA1よりIMPA2の方が進化的に古いことを示唆する。
12/12/14 東京大学
「脳神経系細胞におけるCacna1c遺伝子の詳細なDNAメチル化解析」
"Neuronal cell-type specific DNA methylation patterns of the Cacna1c gene. (M. Nishioka et al.)"-International Journal of Developmental Neuroscienceにて掲載(東大・岩本特任准教授、笠井教授他)

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<概要>
CACNA1C遺伝子は統合失調症や双極性障害、発達障害の有力な候補遺伝子として同定されている。本研究では、マウスおよびヒト死後脳の神経細胞及び非神経細胞における、CpGアイランド周辺のDNAメチル化状態を詳細に検討した。その結果、マウス、ヒトともに第1エクソン近傍のCpGアイランドショアと呼ばれる領域に、細胞種間の特徴的なDNAメチル化差異を認めた。本領域は CACNA1Cの複雑な遺伝子発現制御の理解に貢献するほか、ヒトや動物試料を用いた今後のエピゲノム研究のターゲット領域になると期待される。
12/12/14 東京大学
「統合失調症におけるエピジェネティクス研究~課題と展望~」
"DNA methylation in schizophrenia: progress and challenges of epigenetic studies. (M. Nishioka et al.)"-Genome Medicineにて掲載(東大・岩本特任准教授、笠井教授他)

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<概要>
統合失調症の病態生理にエピジェネティックな変化が関連しているという報告が増加している。本総説では、統合失調症におけるエピジェネティクス研究について、特にDNAメチル化を対象とした研究について焦点をあて概説した。また、脳神経系におけるシトシン修飾状態の多様性など、基礎研究からの最近の知見を紹介し、精神疾患との関連について議論した。
12/12/14 東京大学
「初発統合失調症患者末梢血における網羅的DNAメチル化解析」
"Comprehensive DNA methylation analysis of peripheral blood cells derived from patients with first-episode schizophrenia. (M. Nishioka et al.)"-Journal of Human Geneticsにて掲載(東大・岩本特任准教授、笠井教授他)

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<概要>
統合失調症は重篤な疾患であり、診断・治療において解決すべき課題が山積している。我々は、DNAメチル化状態が病態を示すバイオマーカーとなりうると考え、初発エピソード(初めて疾患を発症した状態)の統合失調症患者末梢血試料を用いて、網羅的なDNAメチル化解析を行った。解析の結果、患者群で有意なDNAメチル化変化を示す遺伝子や、臨床指標とDNAメチル化レベルが相関する遺伝子の候補を同定した。
12/12/14 東京大学
「全ゲノム増幅法を用いた微量DNAでのDNAメチル化研究の技術的検討」
"A systematic evaluation of whole genome amplification of bisulfite-modified DNA. (M. Bundo et al.)"-Clinical Epigeneticsにて掲載(東大・文東特任助教、岩本特任准教授、笠井教授他)

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<概要>
DNAメチル化研究の標準的手法では、ゲノムDNAを化学処理しメチルシトシンと非メチルシトシンの区別を行う。しかし、化学処理によりDNAが分解されることから、解析には多量のDNAが必要だった。phi29 DNA合成酵素を用いた全ゲノム増幅法は、微量DNAの均質な増幅に広く用いられているが、化学処理後のDNAに対しての有用性は体系的に検討されていなかった。本研究では、様々な条件で化学処理を行ったDNAの全ゲノム増幅を行い、DNAメチル化状態の保存程度を比較解析することから最適増幅条件の検討を行った。限られた臨床試料におけるDNAメチル化研究への応用が期待される。
12/12/14 東京大学
「環境化学物質が子どものこころの健康に影響することを動物実験で実証~マウスにおいて、微量のダイオキシン摂取が脳の柔軟性と集団行動の異常を引き起こす~」
"Executive Function Deficits and Social-Behavioral Abnormality in Mice Exposed to a Low Dose of Dioxin In Utero and via Lactation. (T. Endo et al.)"-PLoS ONEにて掲載(東大・遠藤研究員、掛山助教、遠山教授他)

12/12 静岡新聞にて掲載「微量ダイオキシン、脳に悪影響 妊娠中の摂取、子に」
12/13 日経プレスリリースにて掲載「東大、環境化学物質が子どものこころの健康に影響することを動物実験で実証」
12/14 マイナビニュースにて掲載「自閉症などの発達障害は母体の化学物質摂取による可能性がある-東大」

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12/12/14 横浜市立大学
「孔脳症・裂脳症の遺伝的要因を解明!~COL4A1変異が裂脳症の原因に~」
"Phenotypic Spectrum of COL4A1 Mutations: Porencephaly to Schizencephaly. (Y. Yoneda et al.)"-Annals of Neurologyにて掲載(横浜市大・松本教授他)

12/11 医療介護CBニュースにて掲載「てんかん原因症状の遺伝的要因を解明」
12/12 マイナビニュースにて掲載「横浜市大、孔脳症と裂脳症の患者の約2割に遺伝子『COL4A1』の変異を発見」

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<概要>
研究グループはCOL4A1遺伝子変異が裂脳症を引き起こすこと、孔脳症・裂脳症は同様に血管障害によって引き起こされることを世界に先駆けて明らかにした。また、従来周産期障害が重要だと考えられていた孔脳症の背景に、遺伝的要因が大きく関与していることを突き止めた。今後、COL4A1変異が見つかった方の脳出血予防法等の、変異に基づいた治療・管理法の開発が期待される。
12/12/14 玉川大学
「霊長類モデルによる意志決定と行動発現を支える神経回路基盤と制御」
"Coding of the long-term value of multiple future rewards in the primate striatum. (H. Yamada et al.)"-Journal of Neurophysiologyにて掲載(玉川大・木村教授他)

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<概要>
将来のゴールに向けて予測と試行錯誤を重ねながら達成することは人間の高い知性の基盤をなすものであるが、脳の神経回路メカニズムは明らかではない。山田と木村らは、複数ステップで目標を実現する行動課題を日本ザルにおこなわせ、線条体の神経細胞の活動を定量的に調べた結果、目標に至る各経由点での達成度を表現することを発見した。目標達成に向けた重要な神経回路基盤が明らかになった。
12/12/13 理化学研究所  国立精神・神経医療研究センター 名古屋大学、浜松医科大学、藤田保健衛生大学
「神経伝達物質受容体サブユニットのタンパク質を変化させる遺伝子変異が、統合失調症の発症に関与することを発見~統合失調症の病因解明・治療・発症予防に新たな道~」
"A population-specific uncommon variant in GRIN3A associated with schizophrenia. (A. Takata et al.)"-Biological Psychiatryにて掲載(理研・吉川チームリーダー、精神・神経センター・功刀部長、名大・尾崎教授、浜松医大・森教授、藤田保健大・岩田教授他)

12/17 朝日新聞夕刊にて掲載「統合失調症関与遺伝子を特定」

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<概要
統合失調症や気分障害の感受性遺伝子は、これまで多数報告されてきたが、それらは効果の小さなものが殆どであった。我々は頻度は稀でも大きな効果をもつ責任遺伝子を同 定するべく、1000ゲノムデータベース等を活用して、NMDA型グルタミン酸受容体NR3Aサブタイプのアミノ酸置換(Gly480)がアジア人(日本人、中国人)の統合失調症および統合失調症と双極性障害を合わせた疾患群に関連していることを見出した。
**本論文は、掲載誌のプレスリリースとしても取り上げられました**
12/12/07 理化学研究所
「物体を認識する脳内神経伝達メカニズムを解明~自閉症患者のコミュニケーション障害の仕組み解明に一歩近づく~世界で初の!生きた脳の脳内結合法を用いた成果」
"Distinct Feedforward and Intrinsic Neurons in Posterior Inferotemporal Cortex Revealed by in Vivo Connection Imaging. (N. Ichinohe et al.)"-Nature Scientific Reportsにて掲載(理研・一戸客員研究員:本務・国立精神・神経医療研究センター部長他)

12/6 医療介護CBニュースにて掲載「物体認識の脳内神経伝達機構を解明- 国立精神・神経研、自閉症解明に期待」
12/11 日経産業新聞 9面にて掲載「脳情報伝達、一端を解明 精神・神経センター サルの神経観察」

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<概要>
大脳皮質は機能においても結合においても0.5mm程度のカラム構造を基本単位として出来ていると考えられています。本研究では、脳結合にそって移動する赤い蛍光色素付きトレーサーを使って、生きた脳内のカラムレベルの神経結合を可視化する方法を開発しました。また、この手法を物体認知を遂行する下側頭葉に適用し、視覚認知において速くて粗い成分を感 知する細胞と遅くて正確に物体を見る神経細胞が別々の細胞であるということを発見しました。
**注目論文として取り上げられました**
12/11/27 浜松医科大学
「自閉症の脳内ではミクログリアが過剰に活性化している~生きた脳での発見~」
"Microglial activation in young adults with autism spectrum disorders. (K. Suzuki et al.)"-Archives of General Psychiatryにて掲載(浜松医大・鈴木特任准教授、森教授他)

11/27 日本経済新聞 電子版にて掲載「自閉症、脳の免疫細胞が過剰活動 浜松医大」
11/27 共同通信47newsにて掲載「自閉症、脳の免疫細胞が過剰に 浜松医大研究チーム」
11/27 読売新聞オンラインにて掲載「自閉症の人の脳、修復細胞活発に…浜松医大特任准教授ら」
11/27 日刊工業新聞Business Lineにて掲載「浜松医科大など、自閉症患者の脳内にミクログリア過剰活性-病態解明に光」
11/27 中日新聞webにて掲載「自閉症の人の脳細胞が過剰作用」
11/27 毎日新聞jpにて掲載「自閉症:脳内で免疫細胞活発化 浜松医大など確認、活動抑制で治療に道」

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12/11/14 国立精神・神経医療研究センター
11/13 朝日新聞デジタルにて掲載「元気のひけつ 食べて予防するうつや認知症 アミノ酸や葉酸が不足」(国立精神・神経医療センター・功刀部長)

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12/11/13 名古屋大学   名古屋大学
「分子・薬理学的治療法のための統合失調動物モデルと抗精神病薬候補分子」
"Animal models of schizophrenia for molecular and pharmacological intervention and potential candidate molecules. (A. Mouri et al.)" Neurobiology of Disease-にて掲載(名大・山田教授、永井准教授他)

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<概要>
統合失調症の病態解明・新規治療法の開発のために作製されたこれまでの動物モデルについて概説するとともに、治療抵抗性の統合失調症に対する新しい治療法を開発するための動物モデルについて提案した。さらに、抗精神病薬作用が期待される新規化合物・分子について概説した。
12/11/13 福島県立医科大学
「経路選択的な遺伝子操作技術による神経回路メカニズムの解明」
"Dissecting circuit mechanisms by genetic manipulation of specific neural pathways. (S. Kato et al.)"-Reviews in the Neurosciencesにて掲載(福島県立医大・加藤助教、小林教授他)

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<概要>
高頻度な逆行性遺伝子導入を示すレンチウイルスベクター(HiRetベク ター)は、特定の脳領域に入力する神経路に外来遺伝子を効率的に導入することを可能とし、経路選択的な遺伝子操作を施すための基盤技術を提供する。本総説では、HiRetベクターを用いて複雑な神経回路から目的の神経路をターゲティングする新しい技術を紹介し、脳機能を司る回路の仕組みの解明や精神神経疾患に対する動物モデルの開発に向けた有益な研究ストラテジーについて概説した。
12/11/13 名古屋大学  名古屋大学
「D-セリンは新生仔期にpolyI:Cを処置したマウスに認められる情動および認知障害を改善する」
"D-serine ameliorates neonatal polyI:C treatment-induced emotional and  cognitive impairments in adult mice."(T. Nagai et al.)"-Journal of Pharmacological Sciencesにて掲載(名大・永井准教授、山田教授他)

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<概要>
周産期のウィルス感染は統合失調症などの精神疾患の発症に関与していることが示唆されている。我々は、合成二本鎖RNAアナログであるpolyI:Cを新生仔期に投与したマウスにおいて、不安様行動の増加などの行動異常を呈することを報告している。本研究では、NMDA受容体グリシン結合サイトのコアゴニストであるD-セリンの投与がpolyI:C処置マウスの異常行動を改善することを示した。
12/11/13 名古屋大学
「統合失調症患者のWisconsin Card Sorting Testスコアと臨床的・社会人口統計学的関連要因~多重ロジスティック回帰分析~」
"Wisconsin Card Sorting Test scores and clinical and sociodemographic correlates in Schizophrenia: multiple logistic regression analysis. (M. Banno et al.)"-BMJ Openにて掲載(名大・岡田講師、尾崎教授他)

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<概要>
Wisconsin Card Sorting Test (WCST)は、統合失調症の認知機能を測定するために汎用されている。統合失調症患者131人のWCSTスコアから主成分分析により算出されたWCST factorスコアに、影響を与える因子を多重ロジスティック回帰分析により検討した。その結果、年齢,教育年数,陽性・陰性症状評価尺度(PANSS) 陰性尺度スコア,罹病期間が、統合失調症患者のWCST factorスコアに影響を及ぼすことが確認された。
12/11/13 北海道大学
「脳内各部位の時計遺伝子発現リズムはメタンフェタミン投与と制限給餌に異なる反応を示す」
"Differential responses of circadian Per2 expression rhythms in discrete brain areas to daily injection of methamphetamine and restricted feeding in rats. (A. Natsubori et al.)"-European Jpurnal of Neuroscienceにて掲載(北大・夏堀大学院生、本間特任教授他)

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<概要>
中枢覚醒剤メタンフェタミン慢性投与による双極性障害モデルラットを用い、特徴的な行動リズム障害の脳内メカニズムを、発光レポーターを用いた時計遺伝子発現リズム解析により検討した。報酬系の関与が示唆される食事同調性振動体との相異に注目して中枢ドパミン神経系各部位の時計遺伝子リズムを比較し、同様の行動リズム変化を生じる2つの概日周期振動体が別の脳部位にあることが明ら かにした。
12/11/13 横浜市立大学
「症候群関連疾患におけるエキソームシークエンスの診断的有用性」
"The diagnostic utility of exome sequencing in Joubert syndrome and related disorders. (Y. Tsurusaki et al.)"-Journal of Human Geneticsにて掲載(横浜市大・松本教授他)

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<概要>
症候群関連疾患 (JSRD) は、異常な眼球運動、重度知的障害、画像診断で特有のMolor tooth signを認める疾患群である。JSRDの原因となる17の疾患責任遺伝子が知られ、それぞれ常染色体劣性あるいはX連鎖性遺伝性を呈する。我々は全エキソーム解析 (WES) により、解析したJSRD家系5家系全てで既知責任遺伝子の変異の同定に成功した。WESは低コストかつ迅速な遺伝子診断法として有効なツールである。
12/11/13 名古屋大学
「日本人統合失調症患者においてCPT-IP versionの測定結果に影響を与える臨床要因の評価」
"Evaluation of factors affecting continuous performance test identical pairs version score of schizophrenic patients in a Japanese clinical sample. (T. Koide et al.)"-Schizophrenia Research and Treatmentにて掲載(名大・アレクシッチ特任准教授、尾崎教授他)

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<概要>
統合失調症における認知障害は社会機能と強く関係し、中間表現型としても有用 だが、遺伝子や治療薬が認知障害に与える影響を正確に測定するためには、測定結果に影響を与える臨床要因を考慮する必要がある。そこで、126名の統合失 調症患者に対し覚醒・注意を測定するCPT-IPを実施し臨床要因との関係を多重回帰分析した所、年齢・CPZ換算量・PANSS陰性症状尺度がCPT- IPの主要指標であるd'と有意に関連していた。
12/11/12 東京大学
「世界初!シナプス形成の可視化で発見した「小さな突起」~自閉症など脳の発達障害の病態解明へ道~」
"Presynaptically Released Cbln1 Induces Dynamic Axonal Structural Changes by Interacting with GluD2 during Cerebellar Synapse Formation. (A. Ito-Ishida et al.)"-Neuronにて掲載(東大・岡部教授他)

11/8 日刊工業新聞Business Lineにて掲載「東大・慶大、シナプス形成を可視化-神経ネット化解明に道」
11/8 日経新聞プレスリリースにて掲載「東大と慶大、シナプス形成過程で神経線維が「小さな突起」を伸ばし成熟を促すことを解明」
11/8 マイナビニュースにて掲載「東大と慶応大、小脳のシナプス形成過程の可視化に成功」

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12/11/08 東京大学
「生体組織の微細断片における遺伝子発現量測定の新技術を開発」
"Fluorescence laser microdissection reveals a distinct pattern of gene activation in the mouse hippocampal region. (W. Yoshioka et al.)"-Scientific Reportsにて掲載(東大・吉岡特任助教、掛山助教、遠山教授他)

10/30 日刊工業新聞29面にて掲載
10/31 日刊工業新聞Business Lineにて掲載「東大、生体の微細断片利用し遺伝子発現量を測定」
11/1 日経新聞プレスリリースにて掲載「東大、生体組織の微細断片における遺伝子発現量測定の新技術を開発」
11/2 マイナビニュースにて掲載「東大など、遺伝子発現の程度を高感度に測定できる「LMD-RTqPCR法」を開発」

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<概要>
レーザーマイクロダイセクション法(LMD)とRTqPCR法を改良し、蛍光 標識組織切片から得たごく僅かな断片における超高感度な遺伝子発現の絶対定量法を開発した。同手法を用い、新奇環境刺激によって誘導されるマウス海馬 CA1領域における最初期遺伝子(IEG)が、基底レベルに対して「べき乗則」に基づいて発現誘導されることを示した。
12/11/08 日本大学
「オンデマンド・コントロールシステムを用いた脳深部刺激による企図振戦の治療」
"On-Demand Control System for Deep Brain Stimulation for Treatment of Intention Tremor.
(T. Yamamoto et al.)"-Neuromodulation: Technology at the Neural Interfaceにて掲載(日大・山本教授、片山教授他)

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<概要>
上肢の表面筋電図を記録し、動作を開始して振戦が出現した時点(振戦と同じ周 波数のパワーが閾値を越えた時点)でDeep Brain StimulationのスイッチがONとなり、振戦が停止しても運動の継続中は刺激が継続され、筋電信号の総パワーが閾値以下となった時点で刺激が OFFとなるオンデマンド型の振戦制御システムを完成した。本システムは、臨床応用が可能であり、新たなニューロモデユレーション技術を発展させることが できる。
12/10/26 東京大学
「酸化ストレス誘導性の細胞死を制御する新たなメカニズムを解明」
"The kelch repeat protein KLHDC10 regulates oxidative stress-induced ASK1 activation by suppressing PP5. (Y. Sekine et al.)"-Molecular Cellにて掲載(東大・関根助教、一條教授他)

10/30 マイナビニュースにて掲載「東大、酸化ストレスに応答して細胞死を誘導するタンパク質を発見」

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<概要>
酸化ストレスは、神経変性疾患をはじめヒトのさまざまな疾患の病態に関与する。酸化ストレスに応答して細胞死を誘導するシグナル伝達分子ASK1の活性制御因子のショウジョウバエ遺伝学スクリーニングより、KLHDC10を ASK1の活性化因子として同定した。KLHDC10は、ASK1の抑制因子である脱リン酸化酵素PP5の機能を阻害することで、ASK1の持続的な活性 化を可能にし、細胞死を誘導していることを明らかにした。
12/10/25 生理学研究所
natureダイジェスト 2012年11月号 Vol. 9 No. 11に伊佐教授のインタビューが掲載されました。
「霊長類の脳で、“下等な”動物の神経回路が果たしていた役割とは? (伊佐 正) - pp18-19」
対象論文:M. Kinoshita, et al. "Genetic dissection of the circuit for hand dexterity in primates." Nature, Vol. 487, Issue 7406, 235–238, 2012.

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12/10/25 生理学研究所、ATR
「サル末梢感覚神経活動から上肢の運動軌跡を読み解く」
"Population coding of forelimb joint kinematics by peripheral afferents in monkeys. (T. Umeda et al.)"-PLoS ONEにて掲載(生理研・梅田研究員、ATR・川人所長他)

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<概要>
皮膚受容器や筋受容器といった末梢感覚神経は手足の位置や動きに応答する。しかし、神経集団としてどのように手足の位置情報を符号化しているかは明確ではなかった。我々は、サルの末梢感覚神経が集まっている後根神経節から多数の神 経活動を多重電極で同時記録する事で、末梢感覚神経が集団として上肢の運動軌跡情報を正確に表現していることを示した。更に、従来より筋受容器が運動軌跡 情報の符号化に重要な役割を果たしている事と考えられてきたが、今回の研究で皮膚受容器も重要な情報を運んでいることが明らかになった。
12/10/25 東京工業大学、生理学研究所
「ECoGから筋活動の時間波形を推定」
"Prediction of Muscle Activities from Electrocorticograms in Primary Motor Cortex of Primates.(D. Shin and H. Watanabe et al.)"-PLoS ONEにて掲載(東工大・辛徳研究員、小池教授、生理研・渡辺研究員、西村准教授、南部教授他)

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<概要>
皮質脳波(Electrocorticography : ECoG)は、低侵襲脳活動計測方法としてBMIでは、用いられている。しかし、これまでは動作を識別する試みはされてきたが、連続的な運動を再現するためには、時系列の運動が再現できる必要がある。本論文では、ECoGから複数の筋活動の時系列波形を精度良く推定することに成功した。このことから、運動 だけでなく力の制御も含めた義手の開発が期待される。
12/10/24 東京大学
「成人期の自閉症スペクトラム障害では、前頭前野における加齢性の代謝物濃度の変化が認められない」
"Absence of age-related prefrontal NAA change in adults with autism spectrum disorders. (Y. Aoki et al.)"-Translational Psychiatryにて掲載(東大・山末准教授他)

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<概要>
服薬を行っておらず知的障害などの併発もない自閉症スペクトラム障害の成人男性24名と、背景情報を一致させた定型発達の成人男性25名の内側前頭前野における代謝物濃度の違いを核磁気共鳴スペクとロスコピーを用いて比較しました。その結果、自閉症スペクトラム障害の群では内側前頭前野のN-acetylaspartate (NAA)の濃度が有意に高いことが認められました。さらに、対照の定型発達の成人では認められる内側前頭前野における加齢に伴うNAA減少が、自閉症スペクトラム障害の成人では認められないことを世界で初めて見い出しました。自閉症スペクトラム障害の当事者が定型発達者の社会に適応することは成人後にも困難であり続けますが、今回の研究結果はこの困難さの持続に関連した所見であると考えています。
12/10/23 北海道大学
「離乳期の新奇環境下における不安に対して優先的に活性化する背側縫線核ニューロンを発見」
"Distinct neurochemical and functional properties of GAD67-containing 5-HT neurons in the rat dorsal raphe nucleus. (H. Shikanai et al.)"-The Journal of Neuroscienceにて掲載(北大・吉田助教、吉岡教授他)

10/23 マイナビニュースにて掲載「セロトニンとGABAを合成するニューロンが離乳期に特異的に存在 - 北大」

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12/10/18 奈良先端科学技術大学院大学、大阪大学
「CMOSチップを分散配置した神経インタフェース用スマート電極アレイ」
"Smart Electrode Array Device with CMOS Multi-Chip Architecture for Neural Interface. (T. Noda et al.)"-Electronics Lettersにて掲載(奈良先・野田助教、太田教授、大阪大・不二門教授他)

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<概要>
超小型のCMOSマイクロチップを分散配置する事により、個々の刺激電極に動作制御回路と刺激電流源を内蔵した、スマート電極アレイを作製した。CMOS搭載による高機能と生体埋め込みに適した柔軟性を両立したデバイスである。人工視覚デバイスとしての機能実証の為、大阪大学不二門教授のグループと連携し、網膜刺激が可能である事を実験により確認した。
**注目論文として取り上げられました**
12/10/18 慶應義塾大学 
「リーリンは、インテグリンα5β1を細胞内から活性化して移動ニューロンと細胞外基質との接着を促進することを通して、ニューロンの配置を制御する」
"Reelin controls neuronal positioning by promoting cell-matrix adhesion via inside-out activation of integrin α5β1. (K. sekine et al.)"-Neuronにて掲載(慶應大・仲嶋教授他)

10/18 日刊工業新聞Business Lineにて掲載「慶大、脳神経形成を解明-たんぱく質が配置制御」
10/18 日本経済新聞プレスリリースにて掲載「慶大、大脳の神経細胞が正しく配置されるメカニズムを発見」
10/18 マイナビニュースにて掲載「慶応大、大脳の神経細胞が正しく配置されるメカニズムを発見」

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<概要>
リーリンは、脳の形成過程においてニューロンの配置や分化を制御する分子であ り、その欠損によって大脳皮質層構造が逆転するなど大きな表現型を示す他、生後においては統合失調症や自閉症などとの関連が強く示唆されている遺伝子である。本研究では、大脳皮質ニューロンがその移動を終える脳表面の辺縁帯近くにおいて、リーリンがその受容体に結合後、Dab1-Crk/CrkL- C3G-Rap1経路を介して細胞内からインテグリンa5b1の活性化を引き起こすことを見いだした。移動ニューロン上のインテグリンが活性化した結果、 辺縁帯に局在するファイブロネクチンとの接着が亢進し、ニューロンの最終移動ステップ(terminal translocation)が惹起されることを見いだした。この最終移動ステップは、皮質各層へのニューロンの最終配置に必須なステップであるため、このリーリンによる移動ニューロンと細胞外基質との接着亢進は正常な大脳皮質層形成において重要な役割を担う。
12/10/18 理研BSI
「乳児重症ミオクロニーてんかんマウスモデルは社会性と認知機能の異常を示す」
"Mouse with Nav1.1 haploinsufficiency, a model for Dravet syndrome, exhibits lowered sociability and learning impairment. (S. Ito et al.)"-Neurobiology of Diseaseにて掲載(理研・山川チームリーダー他)

9/28 マイナビニュースにて掲載「「乳児難治てんかん」の原因遺伝子が自閉症スペクトラム障害と関連 - 理研」

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<概要>
乳児重症ミオクロニーてんかんは生後1年以内に発症する難治の強直間代発作を 特徴とし重い精神発達障害と自閉症様行動異常を伴う重篤なてんかんであり、8割の患者で電位依存性ナトリウムチャネルの一つNav1.1をコードする SCN1A遺伝子の変異が見いだされる。本研究では、患者で見いだされたナンセンス変異を導入したマウスモデルにおいて社会性行動の異常や記憶学習障害などを見いだした。今後の自閉症様行動発症メカニズムの解明、治療法の開発につながる知見である。
12/10/11 慶應義塾大学 
2012年7月30日~8月24日まで、慶應義塾大学・カロリンスカ研究所・北京大学合同サマースクール(Joint Summer School 2012 Keio-Karolinska-Peking)が、「神経科学」をテーマに、慶應義塾大学信濃町キャンパスにて行われました。 
1週目の集中講義に続き、第2~4週は、海外からの各大学院生が各自希望する研究室で研究活動に参加しました。仲嶋研究室には、カロリンスカ研究所と北京大学から各1名の大学院生が配属になり、脳プロの成果として報告した神経細胞の可視化法とそのタイムラプス観察法(下記論文等で発表)について技術指導を行いました。
<対象論文>
K. Tomita et al. "Disrupted-in-Schizophrenia-1 (Disc1) is necessary for migration of the pyramidal neurons during mouse hippocampal development." Human Molecular Genetics, Vol. 20, Issue 14, 2834-2845, 2011.
K. Sekine et al. "The Outermost Region of the Developing Cortical Plate Is Crucial for Both the Switch of the Radial Migration Mode and the Dab1-Dependent “Inside-Out” Lamination in the Neocortex." The Journal of Neuroscience, Vol. 31, Issue 25, 9426-9439, 2011.
S. Yoshinaga et al. "A phosphatidylinositol lipids system, Lamellipodin and Ena/VASP regulate dynamic morphology of multipolar migrating cells in the developing cerebral cortex." The Journal of Neuroscience, Vol. 32, Issue 34, 11643-11656, 2012.

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12/10/09 基礎生物学研究所、福島県立医科大学
「逆行性TET-OFFレンチウイルスベクターによる大脳皮質ニューロンの可視化」
"Visualization of cortical projection neurons with retrograde TET-Off lentiviral vector. (A. Watakabe et al.)"-PLoS ONEにて掲載(基生研・渡我部准教授、山森教授、福島県医大・小林教授他)

10/6 時事通信にて掲載「サルの脳神経くっきり=蛍光物質で染め出し-基礎生物学研」
10/9 日刊工業新聞Business Lineにて掲載「自然機構、ウイルスベクター使い神経細胞を克明に可視化」
10/10 マイナビニュースにて掲載「NIBBなど、脳の特定の部位の神経細胞の全体像を可視化する技術を開発」

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<概要>
大脳皮質の特定の投射ニューロンに遺伝子導入するために、逆行性のレンチウイルスベクターは非常に有効なツールである。本論文では、GFP、RFPなどの蛍光タンパク質の遺伝子を導入することで、投射ニューロンの可視化を試みた。 この目的を達成するためには、高い遺伝子発現レベルが要求される。そこで我々は、TET-OFFシステムを利用した新規のレンチウイルスベクターを構築したところ、発現効率の大幅な増幅に成功し、ニューロンの微細構造まで可視化することができた。この逆行性TET-OFFベクターは、マーモセット脳においても有効であることが分かった。
12/09/27 生理学研究所、 福井大学
「「目と目で通じあう」ときの脳活動~健常人と高機能自閉症者の比較~」
"Hard to “tune in”: neural mechanisms of live face-to-face interaction with high-functioning autistic spectrum disorder. (H. Tanabe et al.)"-Frontiers in Human Neuroscienceにて掲載(生理研・田邊助教、定藤教授、福井大・小坂特命准教授他)

9/26 マイナビニュースにて掲載「自閉症者は目と目で通じ合うのが苦手 - NIPSが脳活動の計測で確認」
9/25 時事通信にて掲載「目配せ苦手、脳活動で実証=高機能自閉症者-生理研」
9/25 共同通信47ニュースにて掲載「目で通じ合うのは困難 自閉症者の脳活動で解明」
10/11 日経産業新聞11面にて掲載「意思疎通苦手な「高機能自閉症」脳活動の変動に相違」

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<概要>
高機能自閉症者と健常人が目と目でコミュニケーションをしている最中のfMRIによる脳活動の同時計測を世界で初めて行いました。健常者ペアでは同調した脳活動がみられ、高機能自閉症者と健常者のペアではみられませんでした。高機能自閉症者は一般に視線を介したコミュニケーションが苦手であると言われており、それを支持する結果です。このfMRI同時計測システムによって、高機能自閉症者との違う形のコミュニケーションの在り方を模索出来る可能性があります。
12/09/18 名古屋大学
名古屋大学・尾崎教授他の研究がメディアに紹介されました。
9/16 中日新聞 3面にて掲載「ワクチンと自閉症 関連せず 国内症例で初確認」
9/16 中日新聞webにて掲載「「ワクチンと自閉症」関連せず 名大院確認」
9/16 中日メディカルサイトにて掲載「ワクチンと自閉症、関連せず 国内症例で初確認」
<対象論文>
Uno Y, et al. "The combined measles, mumps, and rubella vaccines and the total number of vaccines are not associated with development of autism spectrum disorder: The first case–control study in Asia." Vaccine,  Vol.30, Issue 28, 4292-4298, June 13, 2012.
東京大学  東京大学  名古屋大学  名古屋大学
東京大学・笠井教授、東京大学・岩坪教授、名古屋大学・尾崎教授がご講演された第35回日本神経科学大会(大会長:名古屋大学・貝淵教授)市民公開講座「脳とこころの健康科学」についての記事が取り上げられました。
9/11 中日新聞県内版 22面にて掲載「「うつ」症状など 治療や研究解説 15日に公開講座」
9/11 中日メディカルサイトにて掲載「「うつ」症状など 治療や研究解説 15日に公開講座」

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12/09/12 慶應義塾大学
月刊誌「いきいき」(いきいき株式会社発行)2012年10月号<健康特集>「脳卒中の最新リハビリ法」に慶應義塾大・藤原専任講師の記事が掲載されました

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12/09/06 国立精神・神経医療研究センター
NHK総合「あさイチ」にて国立精神・神経医療研究センターの功刀部長の研究内容の一部が放映されました。
【日時】 : 9月12日(水) 8時15分~9時53分
【番組】 : NHK総合「あさイチ」
【テーマ】 :「 うつを"食事"で改善する!?」

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12/09/04 ATR
「視覚野V3Aが運動知覚学習による可塑性を示す」
"Decoding Reveals Plasticity in V3A as a Result of Motion Perceptual Learning. (K. Shibata et al.)" PLoS ONEにて掲載(ATR・柴田客員研究員、渡邊招聘研究室長他)

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<概要>
運動検出の知覚学習を行うことで、視覚野V3Aに選択的に脳活動の変化(可塑性)が生じることが、デコーディング解析から明らかになった。特定の運動方向について検出課題学習を行った結果、その運動方向でのみ検出感度(行動データ)の上昇が見られ、各視覚領野からのデコード精度を比較すると、 V3Aでのみ行動データと相関するパターンが見出された。本研究から、デコーディングを用いて神経コードの可塑的変化を観測できることが示された。
12/09/04 ATR
「BOLD信号強度と方位選択性脳活動のパターン認識の関係」
"Relationship between BOLD amplitude and pattern classification of orientation-selective activity in the human visual cortex. (F. Tong et al.)" -Neuroimageにて掲載(ATR・神谷室長他)

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<概要>
ヒト視覚野のfMRIボクセルパターンを機械学習アルゴリズムを用いて解析することで、視覚的方位の情報をデコードできることが知られているが、デコード精度が刺激属性やBOLD信号強度にどのように依存するか未解明であった。本研究では、コントラストや空間周波数などの視覚刺激を変化させた時のデコード精度を比較し、デコード精度の大部分は、各視覚領野の平均的なBOLD信号強度によって予測できることが明らかになった。この結果は、コラム・モ デルを用いたシミュレーションでも再現することができた。平均的なBOLD信号強度がデコード精度の指標となることから、BMIに用いる脳領域の効率的な探索・選択に活用できると考えられる。
12/09/04 基礎生物学研究所
「ラット大脳皮質の深層ニューロンは、領野特異的なサブラミナ構造を示す」
"Area-specific substratification of deep layer neurons in the rat cortex. (A. Watakabe et al.)"-Journal of Comparative Neurologyにて掲載(基生研・渡我部准教授、山森教授他)

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<概要>
大脳皮質深層ニューロンサブタイプを見分ける遺伝子マーカーとして、CCK及びPCP4遺伝子が有効であることを見いだした。第6層においては、これ らの遺伝子はそれぞれ皮質間投射ニューロンと、視床投射ニューロンで強く発現する。この二つの遺伝子プローブを使ったin situ hybridization解析によって、ラット大脳皮質の領野特異的な層構造が明らかになった。
**11/1号の表紙に選ばれました(The Journal of Comparative Neurology, Wiley)**
12/09/04 自治医科大学
「膵ポリペプチドとペプチドYYは求心性迷走神経ニューロンにCa2+シグナリングを誘導する」
"Pancreatic polypeptide and peptide YY3-36 induce Ca2+ signaling in nodose ganglion neurons. (Y. Iwasaki et al.)" -Neuropeptidesにて掲載(自治医大・岩崎助教、矢田教授他)

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<概要>
膵ホルモンのPancreatic polypeptide (PP)と腸ホルモンのPeptide YY3-36 (PYY)は食後に分泌され、摂食を抑制する。さらに、Prader-Willi症候群は過食・肥満、精神発達遅滞、筋緊張低下を主徴とし、PPレベルの低下との深い関連が示唆されている。PPとPYYは迷走神経求心路を介して中枢に情報を送ると考えられているが、直接作用するのかは不明であった。本研究は、PP、PYYが求心性迷走神経ニューロンに直接作用し細胞内Ca2+を上昇させて活性化することを明らかにした。本研究結果は、PP、PYYに応答する求心性迷走神経に末梢から介入することにより、過食・肥満・メタボリックシンドローム、これらの代謝症状と密接に関連する脳疾患(リズム障害、アルツハ イマー病)、精神発達遅滞などを改善する方法の開発の基盤となる。
12/09/04 生理学研究所
8/30 読売新聞 夕刊7面にて掲載「ママの顔色で危険察知  赤ちゃん笑顔と区別」(生理研・柿木教授他)

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12/08/29 国立精神・神経医療研究センター
「血中振動物質の測定によるヒト体内時計の時刻判定」
"Human blood metabolite timetable indicates internal body time. (T. Kasukawa et al.)" PNASにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・三島部長他)
(理研)
(国立精神・神経医療研究センター)
8/28 日経新聞にて掲載「理研と慶大、血液から「体内時刻」のずれ検出 」
8/28 日経新聞プレスリリースにて掲載「理化学研究所と慶大、ヒトの血液から簡単に「体内時刻」を調べる手法を確立」
8/28 読売新聞にて掲載「「体内時計」簡易に判定…採血2回で「時刻表」」
8/28 時事通信にて掲載「体内時刻を血液で簡単測定=睡眠障害など診断期待-理研など」
8/28 神戸新聞にて掲載「体内時計、血液で測定  神戸の理研などが成功」
8/28 中日新聞にて掲載「体内時計を血液で測定  不眠治療にも期待」
8/28 日刊工業新聞Business Lineにて掲載「理研と慶大、1日2回の採血で体内時計を簡単に検査できる手法開発」
8/28 マイナビニュースにて掲載「理研など、体内時刻を採決した血液から簡単に測定する方法を開発」
8/28 健康美容EXPOにて掲載「ヒトの血液から簡単に「体内時刻」を調べる手法を確立/理化学研究所、慶応義塾大学」

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<概要>
生体リズム位相の判定は睡眠障害の診断や治療法の決定に重要な情報であるが、 従来法では長時間の体温測定や持続採血が必要であるため臨床応用が難しかった。本研究では、12時間間隔で2回だけ採取した血液中の振動物質群のメタボ ローム解析によりヒトの体内時計位相を決定できることを示した。本法で測定した体内時計時刻をもとに時間療法(高照度光、メラトニン、メラトニン受容体作動薬の照射・投与時刻)を設計することで、最適化したオーダーメイド医療を提供することが可能になるであろう。
12/08/28 東京大学
NHK解説委員室「くらし☆解説」にて東大・山末准教授、笠井教授の研究成果の一部が放映されました。
【放送】: 8/30(木) 10時05分~10時15分 総合テレビNHK解説委員室「くらし☆解説」
【テーマ】 : 「どう向き合う?発達障害」

【対象論文】:"Diminished Medial Prefrontal Activity Behind Autistic Social Judgments of Incongruent Information."

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12/08/27 島津製作所
「新型近赤外光イメージング装置を発売」(島津製作所・井上副部長)

8/27 日本経済新聞プレスリリースにて掲載「島津製作所、脳機能研究を支援する新型近赤外光イメージング装置を発売」
8/28 日本経済新聞 近畿35面にて掲載「脳全体の分析可能に  島津製作所  複数人、同時計測も」
8/28 日経産業新聞 22面にて掲載「島津、脳全体分析の装置  回路見直し  収集時間1/5に」
8/28 日刊工業新聞 15面にて掲載「脳全域を測定  島津製作所が近赤外光イメージング装置」
8/28 化学工業日報 11面にて掲載「脳全域をくまなく計測  近赤外光イメージング装置  島津製作所が開発」

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12/08/23 東京大学
「筋萎縮性側索硬化症を引き起こす変異型SOD1タンパク質に共通の構造変化を解明」
"A novel monoclonal antibody reveals a conformational alteration shared by amyotrophic lateral sclerosis-linked SOD1 mutants. (T. Fujisawa et al.)"- Annals of Neurologyにて掲載(東大・藤澤特任助教、一條教授他)

8/22 TBSニュースにて掲載「「遺伝性ALS」のメカニズム解明」

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<概要>
神経難病である筋萎縮性側索硬化症(ALS)を引き起こす様々なタイプの変異 型SOD1が、共通した立体構造を取ることにより運動神経毒性を引き起こすことを世界で初めて発見しました。また、この構造にのみ反応する抗体の開発に成功しました。本研究成果は、遺伝性ALSの新しい診断に寄与すると同時に、様々なタイプのSOD1遺伝子変異によるALSに適用できる、新しい治療薬の開 発に繋がることが期待されます。
**本論文は、Nature Reviews Neurologyに取り上げられました**
12/08/23 慶應義塾大学
「発生期大脳皮質の多極性移動ニューロンのダイナミックな挙動は、イノシトールリン脂質/ラメリポディン/Ena/VASP経路によって制御される」
"A phosphatidylinositol lipids system, Lamellipodin and Ena/VASP regulate dynamic morphology of multipolar migrating cells in the developing cerebral cortex. (S. Yoshinaga et al.)"- The Journal of Neuroscienceにて掲載(慶應大・仲嶋教授他)

8/22 キャリアブレインにて掲載「発達障害やてんかんの治療法開発へ- 慶大、神経細胞制御の仕組み解明」
8/22 マイナビニュースにて掲載「誕生直後の興奮性神経細胞は積極的に周囲を調べて脳内を移動する - 慶応大」

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<概要>
大脳皮質を構成する興奮性ニューロンの多くは、発生過程において脳室面近くで 誕生した後、その直上で多極性の形態をとって長時間さまように留まった(「多極性移動」)後に、脳表面へと放射状に移動してネットーワークに取り込まれていく。本研究では、大脳皮質の発生過程を可視化し、多極性移動ニューロンの動態を従来より高い時間解像度で観察したところ、成長円錐の突起の動きと良く似た挙動を示すことがわかった。そこで、アクチン系がその細胞動態に関わる可能性を想定し、検証を行った。その結果、突起の細胞膜に局在する PI(3,4)P2にラメリポディンが結合し、Ena/VASPをリクルートして、アクチンフィラメントを制御することが示唆された。
12/08/23 東京大学
「シナプス刈り込みに関わる遺伝子の新たなスクリーニング系を開発」
"Organotypic coculture preparation for the study of developmental synapse elimination in mammalian brain. (N. Uesaka et al.)"-The Journal of Neuroscienceにて掲載(東大・上阪助教、狩野教授他)

8/23 日経プレスリリースにて掲載「東大、シナプスの除去に関わる遺伝子の新しいスクリーニング系を開発」
8/23 マイナビニュースにて掲載「東大、小脳の「シナプス刈り込み」関連遺伝子を評価できる培養標本を開発」

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<概要>
社会性障害をきたす代表的な疾患である統合失調症や自閉症には神経回路発達の異常が関わるとされている。生後間もない動物の脳には過剰な神経結合(シナプス)が存在するが、成長の過程で必要な結合は強められ、不要な結合は除去されて、大人の神経回路が完成する。この過程は「シナプス刈り込み」と呼ばれ、神経回路発達における普遍的現象であり、その異常は統合失調症や自閉症とも関係すると考えられている。今回、小脳のシナプス刈り込みに関わる遺伝子を迅速に調査できる培養標本を開発した。脳幹から小脳へ興奮性の信号を送る登上線維と小脳のプルキンエ細胞の間のシナプスを培養皿の中で作るために、脳幹と小脳の2つの組織を脳から取り出し、同時に培養した。その結果、培養皿の中で登上線維とプルキンエ細胞の間にシナプスが作られ、培養を続けると、そのシナプスは生体内と似た過程を経て刈り込まれた。さらに、この培養下のシナプス刈り込みには、生体内のシナプス刈り込みと同じ遺伝子が関与していたことから、両者は同じメカニズムで起こると考えられた。この標本を用い、シナプス刈り込みに関わる新たな遺伝子を調べた結果、neuroligin-2という遺伝子がシナプス刈り込みに関わることが明らかとなった。
12/08/21 ATR
「脳卒中機能回復のための事象関連脱同期にあわせた機能的電気刺激~フィジビリティの検証~」
"Event Related Desynchronization-modulated Functional Electrical Stimulation System for Stroke Rehabilitation: A Feasibility Study. (M. Takahashi et al.)"-Journal of NeuroEngineering and Rehabilitationにて掲載(ATR・大須室長他)

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<概要>
脳卒中片麻痺患者の足関節背屈機能回復を目的とし、背屈運動意図によって発生する脳波の事象関連脱同期によって大きさとタイミングを制御した機能的電気刺激を、背屈の主動筋である前脛骨筋に与えるBMIリハビリシステムを開発し た。患者例でシステムの実現可能性を検証し、機能回復に寄与する可能性があることを確認した。
12/08/21 福井大学、金沢大学
「経鼻オキシトシン継続投与にて、社会性障害が改善した自閉性障害をもつ少女の一症例」
"Long-term oxytocin administration improves social behaviors in a girl with autistic disorder. (H. Kosaka et al.)"-BMC Psychiatryにて掲載(福井大・小坂特命准教授、佐藤教授他)

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<概要>
自閉症スペクトラム障害(ASD)の根本的な治療はいまだにない。近年、オキシトシンが、社会的行動の向上に寄与するという報告があり、ASD者への治療が期待されている。今回、16歳のASDをもつ少女に経鼻オキシトシンを継続投与し、社会性障害の症状が改善したので症例報告した。共同研究者は男児症例を 報告してきたが女性症例の報告はまだない。女性症例にも、安全性に問題がなく、治療薬として期待できることを報告した。
12/08/21 東京医科歯科大学
「知的障害原因遺伝子PQBP1の発現量が寿命にも影響する」
"A restricted level of PQBP1 is needed for the best longevity of Drosophila. (T. Tamura et al.)"-Neurobiology of Agingにて掲載(東京医科歯科大・田村助教、岡澤教授他)

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<概要>寿命には様々な遺伝的素因と環境因子が影響するため、特に脳機能に関与する遺伝子のもたらす寿命への影響については、ほとんど分かっていない。本研究では 知的障害原因遺伝子PQBP1の発現量と寿命の関係を、ショウジョウバエの遺伝学的解析によって明らかにした。ショウジョウバエは単純化した環境下で純粋な遺伝的影響をみるのに適しており、この解析が可能になった。PQBP1の不足状態でも過剰状態でも寿命が短縮するという本研究の結果は、脳の健康と寿命 の関連を考える上で興味深いものと考えられる。
12/08/15 国立精神・神経医療研究センター
「概日リズム睡眠障害(フリーラン型)の発症と治療反応性に生物時計周期の異常な延長が関連していることが明らかになった」
"Intrinsic circadian period of sighted patients with circadian rhythm sleep disorder, free-running type. (S. Kitamura et al.)"-Biological Psychiatryにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・北村流動研究員、三島部長他)

8/15 日刊工業新聞Business Lineにて掲載「睡眠障害、体内時計周期に原因-国立精神・医療センター」
8/15 マイナビニュースにて掲載「NCNP、『非同調型概日リズム睡眠障害』の原因は体内時計周期の異常と確認」

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<概要>
概日リズム睡眠障害(フリーラン型)では、睡眠リズムが24時間周期から外れて日々後退を続けてゆくため患者の社会機能とQOLを大きく低下するが、その発症原因は不明であった。本研究では強制脱同調プロトコルと呼ばれる2週間の隔離試験によりフリーラン型患者の生物時計周期を精密に判定した。その結果、フリーラン型患者では生物時計周期が延長していることを初めて明らかにした。 同時に周期延長の度合いが時間療法への治療抵抗性と関連している可能性も示した。また、強い夜型傾向を示す対照者の中にも生物時計周期が延長している者が存在していた(リズム障害のハイリスク群)。
12/08/15 国立精神・神経医療研究センター
「ヒト末梢白血球と毛包細胞に認められる体内時計機能」
"Rhythmic expression of circadian clock genes in human leukocytes and beard hair follicle cells. (M. Watanabe et al.)"-Biochemical and Biophysical Research Communicationsにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・三島部長他)

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<概要>
ヒト体内時計は視床下部・視交叉上核で駆動・制御されるが、その機能をin vivoで直接評価することは難しい。本研究では、生体リズムの攪乱因子を最小限に統制した持続覚醒・絶対安静条件のもとで、末梢白血球および毛包細胞内における時計遺伝子発現リズムのex vivo測定を行った。その結果、ヒト末梢白血球と毛包細胞には体内時計機能が備わっており、また、時計遺伝子発現リズム位相がメラトニン・コルチゾール分泌リズムなどの生理リズム位相とよく相関していた。これらの末梢細胞における時計遺伝子発現リズムが臨床研究において有用な概日リズムマーカーとなることが期待される。
12/08/08 ATR
「近赤外分光法における計測プローブの角度変化によるアーチファクト」
脳科学とリハビリテーション2012年12号にて掲載(ATR・大須室長他)

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<概要>
近赤外分光法(NIRS)において、頭皮に対して計測プローブの角度が変化すると、角度に比例したアーチファクトが発生し、脳活動データに混入することが判明した。課題に依存した体動によるプローブの動きにより、脳活動との判別が困難なアーチファクトが混入する可能性を示唆しており、プローブの固定に注意を払う必要があることが判明した。
12/08/08 国立精神・神経医療研究センター
「青年期後期の外向性の獲得と危険行動認知に関わる神経基盤が明らかになった」
"Neural Network Development in Late Adolescents during Observation of Risk-Taking Action. (M. Tamura et al.)"-PLoS ONEにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・三島部長他)

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<概要>
青年期後期では情動の成熟とそれに伴う社会的外向性の獲得、不安耐性の向上が重要な発達課題の一つである。本研究では青年期後期にある健常若年者25名(男/女=13/12、20.04歳)を対象にして、危険行動の認知に関連する責任脳領域と外向性・不安特性との関連を検討した。その結果、危険行動の認知には下頭頂小葉(行動観察とその表出)、側頭部の視覚関連領域(観察した行動の視覚情報処理)および頭頂と後頭を結ぶ領域(社会的行動の推測)が関連することが明らかになった。また年齢に伴う外向性の獲得に島皮質領域の賦活が媒介効果をもつ事が示唆された。
12/08/08 国立精神・神経医療研究センター
「催眠鎮静系抗ヒスタミン薬を睡眠薬代わりに服用するのは慎重であるべきだ」
"Carryover effect on next-day sleepiness and psychomotor performance of nighttime administered antihistaminic drugs: a randomized controlled trial. (Y. Katayose et al.)"-Human Psychopharmacologyにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・片寄流動研究員、三島部長他)

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<概要>
中枢移行性が高く催眠鎮静作用の強い抗ヒスタミン薬であるジフェンヒドラミンは処方箋なしに薬局で購入できる(OTC)睡眠薬として広く販売されている。しかし催眠鎮静系抗ヒスタミン薬を睡眠薬として服用するリスクに関する情報はごく少ない。本研究では健常男性22名(平均年齢22.2 ± 3.8歳) を対象として、催眠鎮静系抗ヒスタミン薬であるジフェンヒドラミン(50mg )、ケトチフェン(1mg)、ゾルピデム(睡眠薬、10mg)、およびプラセボを就寝前に服用した翌日中の眠気と精神運動機能を評価する無作為二重盲検プラセボ対照交叉比較試験を実施した。その結果、抗ヒスタミンを服用した翌日に、強い鎮静感、脳波上の残遺眠気、ワーキングメモリー機能の低下が認められた。抗ヒスタミン薬の持ち越し効果は午後には軽減したが、血中濃度が十分に低くなっている時間帯にも持続していた。本研究の結果は、不眠症に対して催眠鎮静作用の強い抗ヒスタミン薬を安易に用いることのリスクを示唆している。
12/08/08 国立精神・神経医療研究センター
「男性統合失調症患者の髄液中オキシトシン濃度と陰性症状との間には負の相関がある」
"Negative correlation between cerebrospinal fluid oxytocin levels and negative symptoms of male patients with schizophrenia. (D. Sasayama et al.)"-Schizophrenia Researchにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・篠山研究生、功刀部長他)

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<概要>
統合失調症患者、大うつ病患者、健常者の髄液中のオキシトシン濃度を測定した。各診断間でオキシトシン濃度に有意差は認めなかったが、統合失調症患者においては第二世代抗精神病薬の内服用量と髄液中オキシトシン濃度との間に有意な負の相関を認めた。また、統合失調症患者の陰性症状スコアと髄液中オキシトシン濃度との間に有意な負の相関がみられた。髄液中のオキシトシン濃度は統合失調症の陰性症状に関連している可能性が示唆された。
12/07/11 東京大学    北海道大学、広島大学
「脳内マリファナは大雑把に一括処分される ~脳内マリファナ類似物質のシナプス周辺での分解の仕組みを解明~」
"Synapse type-independent degradation of the endocannabinoid 2-arachidonoylglycerol after retrograde synaptic suppression. (A. Tanimura et al.)"-PNASにて掲載(東大・狩野教授他、北大・渡辺教授、内ヶ島助教他、広島大・橋本教授)※脳プロ課題D、課題F共同研究による成果

7/10 日本経済新聞プレスリリースにて掲載「東大、脳内マリファナ類似物質のシナプス周辺での分解の仕組みを解明  脳内マリファナは大雑把に一括処分される―脳内マリファナ類似物質のシナプス周辺での分解の仕組みを解明―」
7/10 時事通信にて掲載「新鎮痛剤や抗うつ剤期待=「脳内マリフアナ」応用で-東大など」
7/11 マイナビニュースにて掲載「東大など、脳内麻薬「2-AG」の分解酵素「MGL」がどこにあるのかを確認」

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<概要>
脳内マリファナ類似物質の2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)は、脳においてシナプス後部からシナプス前部へ「逆向きに」情報を伝え、シナプス前部からの神経伝達物質の放出のしやすさを調節することが知られている。今回、2-AGが逆向きの情報伝達をした後に、シナプス周辺で分解されてその効果が消える仕組みを解明した。2-AGの分解酵素は特定の種類のシナプス終末とグリア細胞にしか存在しないが、その他のシナプスに作用した2-AGも含めて、シナプスの種類に関係なく、一括処分されることが明らかになった。
12/07/09 慶應義塾大学
「Robo1は大脳皮質上層の錐体神経細胞の移動と配置を制御する」
"Robo1 regulates the migration and laminar distribution of upper-layer pyramidal neurons of the cerebral cortex. (Y. Gonda et al.)"-Cerebral Cortexにて掲載(慶應大・仲嶋教授他)

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<概要>
大脳皮質形成過程において、将来II/III層に配置される移動神経細胞を可視化するとともにRobo1を阻害したところ、皮質板への細胞移動が遅延した。意外なことに、Robo1が阻害された細胞は生後1週以降においてII/III層の上半分に密集して配置されることを見いだした。また、Robo1 が阻害された細胞は正常な層形成に参加できず、神経細胞としての誕生日と無関係に辺縁帯直下に蓄積してしまうことがわかった。以上より、Robo1が II/III層神経細胞の配置と層形成を制御することが明らかになった。
12/07/09 慶應義塾大学
「実験医学別冊 目的別で選べる遺伝子導入プロトコール;仲嶋一範、北村義浩、武内恒成  編集」にて慶應義塾大・仲嶋教授グループの脳プロの成果が一部紹介されています。(「子宮内胎仔脳への遺伝子導入(in エレクトロポレーション法による神経細胞への導入), p112-119に掲載」)

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12/07/02 ATR、慶應義塾大学
「慢性期片麻痺に対する対側同名筋活動を模した電気刺激治療の予備的研究」
"A pilot study of contralateral homonymous muscle activity simulated electrical stimulation in chronic hemiplegia. (R. Osu et al.)"-Brain Injuryにて掲載(ATR・大須室長、慶應大・里宇教授他)

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<概要>
重度の脳卒中片麻痺患者例における、上肢の機能回復訓練のために、両側運動をベースとした新しいリハビリテーションシステムを開発した。健常側の上肢の筋電図に比例した電気刺激を麻痺側上肢の同名筋に与えると、健常側の上肢の動きにあわせて麻痺側の上肢にも同じ動きを出現させることができる。この状態で両手運動の訓練を行うことで、脳からの麻痺側上肢への運動意図情報と電気刺激による麻痺側上肢末梢からのフィードバックが時間的に一致するため、シナプス可塑性が誘導される可能性がある。3名の片麻痺患者例で予備調査を行い、本手法の有効性を確認した。麻痺側上肢の動きが全くない、筋電図も観察できない重症患者例にも適用可能であり、リハビリテーションの適用範囲を広げることが期待される。
12/06/26 京都大学霊長類研究所、生理学研究所、福島県立医科大学
「霊長類で脳の特定の神経回路を「除去」する遺伝子導入法を開発~パーキンソン病などにかかわる脳部位(大脳基底核)への適用に成功~」
"Immunotoxin-Mediated Tract Targeting in the Primate Brain: Selective Elimination of the Cortico-Subthalamic “Hyperdirect” Pathway. (K. Inoue et al.)"-PLoS ONEにて掲載(京大霊長研・高田教授他、生理研・南部教授他、福島県立医大・小林教授他)
(※京大)  (※生理研)
6/26 NHKニュースにて掲載「特定の神経細胞だけ壊す技術」
6/26 京都新聞にて掲載「脳の特定神経回路除去  京大グループ」
6/26 産経ニュースにて掲載「特定神経回路を狙い撃ちして死滅  パーキンソン病治療に光  京大霊長類研」
6/26 共同通信47newsにて掲載「特定神経回路の狙い撃ち方法開発  京大霊長類研
6/26 日本経済新聞webにて掲載「特定神経回路のみ死滅  京大霊長類研、手法を開発 」
6/26 日本経済新聞プレスリリースにて掲載「京大、霊長類で脳の特定の神経回路だけを「除去」できる遺伝子導入法を開発」
6/26 マイナビニュースにて掲載「京大など、特定の神経回路だけを除去できる「遺伝子導入法」の開発に成功」
6/26 日本経済新聞夕刊14面にて掲載「特定神経回路のみ死滅  京大霊長研手法を開発」
6/26 東京新聞夕刊8面にて掲載「脳神経回路狙い撃ち  パーキンソン病新治療に道」
6/26 毎日新聞夕刊6面にて掲載「特定の神経回路死滅  パーキンソン病治療に道  特殊ウィルスを開発」
6/26 中日新聞夕刊3面にて掲載「脳神経特定回路狙い撃ち  パーキンソン病新治療に道」
7/2  日経産業新聞11面にて掲載「脳の神経回路  特定範囲を除去  京大など新技術」
その他、多くのサイトにて紹介されました

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12/06/25 東京大学
「非言語的なコミュニケーション情報を活用して他者を判断する際の自閉症的な偏りに、内側前頭前野の活性不全が関与することを同定」
"Diminished Medial Prefrontal Activity Behind Autistic Social Judgments of Incongruent Information. (T. Watanabe et al.)"-PLoS ONEにて掲載(東大・山末准教授他)

6/23 時事通信ドットコムにて掲載「言葉を重視、脳活動に違い=対人コミュニケーション障害-東大」
6/23 日本経済新聞webにて掲載「自閉症、表情より言葉重視 東大、関係する脳の領域特定」
6/23 日本経済新聞プレスリリースにて掲載「東大、自閉症スペクトラム障害に脳の特定領域の活動不全が関与していることを解明」
6/23 共同通信47newsにて掲載「自閉症、表情より言葉重視 東大チーム、米科学誌に発表」
6/24 産経ニュースにて掲載「自閉症、表情より言葉重視 関係する脳の領域特定」
6/25 マイナビニュースにて掲載「東大、「自閉症スペクトラム障害」における脳の特定領域の活動不全を発見」
その他、多くのサイトにて紹介されました

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<概要>
自閉症スペクトラム障害当事者では、他者が自分に対して友好的か敵対的かを判断する際に、言葉の内容に比べて顔や声の表情を重視する傾向が有意に減弱しており、その際には内側前頭前野の賦活が有意に弱いことが重要であることを初めて示した。さらにこの内側前頭前野の活動が減弱しているほど臨床的に観察されたコミュニケーションの障害の症状が重いことを示した。
12/06/22 慶應義塾大学
「てんかん関連分泌タンパク質 Leucine-rich glioma inactivated 1 (Lgi1)は核移行シグナルを有し、尾側基底核原基神経細胞において核と細胞質の両方に局在する」
"Leucine-rich glioma inactivated 1 (Lgi1), an epilepsy-related secreted protein, has a nuclear localization signal and localizes to both the cytoplasm and the nucleus of the caudal ganglionic eminence neurons. (S. Kusuzawa et al.)"-The European journal of neuroscienceにて掲載(慶應大・仲嶋教授他)

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<概要>
大脳皮質に向かう抑制性ニューロンの移動方向の制御にグルタミン酸受容体が重 要であることは、以前私たちを含むいくつかのグループが報告しましたが、この論文では、抑制性ニューロンの一つの重要な起源である尾側基底核原基において、てんかんの原因遺伝子であり、かつAMPA受容体のシナプス局在に重要な役割を有することが知られているLgi1が強く発現していることを見いだしました。さらに、Lgi1が核に移行するタンパク質であることを初めて示し、核において何らかの未知の機能を有する可能性を示唆しました。
12/06/22 生理学研究所
「音楽により引き起こされる脳の可塑性と側方抑制を基にした純音型耳鳴りの治療」
"Music-induced cortical plasticity and lateral inhibition in the human auditory cortex as foundations for tonal tinnitus treatment. (C. Pantev et al.)"-Frontiers in Systems Neuroscienceにて掲載(生理研・岡本特任准教授他)

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<概要>
私達はヒト聴覚野における可塑性に注目し研究を続けてきたが、特に音楽と側方 抑制に強い関心を持ってきた。不適切な脳の可塑性が耳鳴りの症状を引き起こすと考えられているが、私達は音楽と側方抑制を組み合わせ適切な方向に脳の可塑 性を誘導することで、その症状の改善を試みその結果、このアプローチが有用であることを示した。
12/06/21 電気通信大学
7/1 BS-TBS「ニュース少年探偵団」18:00~生放送予定
「探偵団は見た」未来の生活を楽しくする先端科学を調査 その2(電気通信大・横井教授)

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12/06/21 電気通信大学
6/24 BS-TBS「ニュース少年探偵団」17:00~生放送予定
「探偵団は見た」未来の生活を楽しくする先端科学を調査 その1(電気通信大・横井教授)

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12/06/19 横浜市立大学
「幼若期社会的隔離ストレスによる大脳皮質機能障害」
"Disrupted cortical function underlies behavior dysfunction due to social isolation. (T. Miyazaki et al.)" -Journal of Clinical Investigationにて掲載(横浜市大・宮崎助教、高橋教授他)

6/19 TBSニュースにて掲載「育児放棄が脳に悪影響、感覚機能低下」
6/19 時事通信ドットコムにて掲載「「育児放棄」で脳に異常か=孤立でストレス、ラットで解明-横浜市大」
6/19 神奈川新聞3面にて掲載「母から隔離  脳に影響 横浜市大ラット実験  育児放棄解明へ」
6/19 神奈川新聞カナロコにて掲載「母から隔離は脳に影響、横浜市大がラット実験  育児放棄解明へ/神奈川」
6/19 中日新聞にて掲載「隔離環境で脳に異常か  横浜市大がラット実験」
6/20 朝日新聞37面にて掲載「脳の発達「孤独だと不十分」横浜市大など  子ネズミ使い実験」
その他、多くのサイトにて紹介されました

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<概要>
幼少期の虐待等のストレスはその後の社会性獲得を含めた人格形成に大きな影響を及ぼす。社会的隔離環境は虐待の一つであるネグレクト(養育放棄)などにより作られるが、今回の論文では幼若期の社会的隔離ストレスが経験依存的AMPA受容体シナプス移行を阻害するということを明らかにした。このことは幼少期の社会的隔離等の慢性的なストレスがその後の脳の可塑性の異常を引き起こすことを示唆している。
12/06/18 生理学研究所、基礎生物学研究所、福島県立医科大学、京都大学
「霊長類の複雑な脳神経回路から特定の経路を選り分ける"二重遺伝子導入法"を開発
脳から筋肉に至る"間接経路"も指先の巧みな動きをコントロールしていることを発見
~高次脳機能解明の方法論に大きな突破口~特定の神経回路を標的にした遺伝子治療法開発へ期待~」
"Genetic dissection of the circuit for hand dexterity in primates. (M. Kinoshita et al.)"-Natureにて掲載(生理研・木下特任助教、伊佐教授他、福島県立医大・小林教授他、京大・渡邉教授他)
(※生理研)  (※京大)
6/18 読売新聞2面にて掲載「狙った神経回路ストップ  脊髄損傷治療に応用も」
6/18 YOMIURI ONLINEにて掲載「サルに『指を動かすな』、遺伝子操作で可能に」
6/18 日本経済新聞34面にて掲載「2系統の神経器用さを生む  リハビリ活用に道」
6/18 日本経済新聞webにて掲載「『器用さ』は2系統の神経に関係  生理学研など解明 」
6/18 日経プレスリリースにて掲載「生理学研究所、霊長類の指先の巧みな動きに神経の"間接経路"が重要な役割を果たすことを発見」
6/18 中日新聞26面にて掲載「指先を操る神経の裏道  「間接経路」の謎  生理研など解明」
6/18 中日新聞にて掲載「指先操る神経の裏道  生理研など解明」
6/18 日刊工業新聞22面にて掲載「大型動物の神経伝達経路  薬剤投与で役割解明  二重遺伝子導入法を開発」
6/18 日刊工業新聞Business Lineにて掲載「自然科学機構、神経伝達経路を薬剤投与で役割解明-大型動物で」
6/18 京都新聞20面にて掲載
6/18 毎日jpにて掲載「手の動き:神経回路は2系統  機能回復に役立つ可能性」
6/18 時事ドットコムにて掲載「神経回路特定、操作可能に=霊長類の脳で-遺伝子治療へ応用期待・生理学研など」
6/18 ウォールストリートジャーナルにて掲載「神経回路特定、操作可能に=霊長類の脳で―遺伝子治療へ応用期待・生理学研など」
6/18 産経ニュースにて掲載「2系統の神経使い、指先は器用に動く  脊髄損傷リハビリ活用も」
6/18 Science Codexにて掲載「Manipulation of a specific neural circuit buried in complicated brain networks in primates」
6/18 europapressにて掲載「Manipulan un circuito neuronal específico para estudiar los complejos movimientos de las manos」
6/18 生物通にて掲載「Nature:新技术终结长期争论」
6/18 Bio-Medicineにて掲載「Manipulation of a specific neural circuit buried in complicated brain networks in primates」
6/19 Science Portalにて掲載「新しい遺伝子導入法で脊髄の“間接回路”の役割解明」
6/25 朝日新聞朝刊26面にて掲載「狙った神経回路だけ遮断」
その他、多くのサイトにて紹介されました

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12/06/13 大阪大学
6/12 大阪市都市型産業振興センター新産業創造推進室webサイトにて大阪大学・平田特任准教授、吉峰教授らの「ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)に対する頸髄損傷患者さんの意識調査」結果が紹介されました

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12/06/13 大阪大学
5/24 産経新聞夕刊4面にて掲載「神経経済学への招待 社会制度変革の可能性秘め」(阪大・田中准教授)

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12/06/06 電気通信大学
5/14(前編)、5/21(後編) 日刊工業新聞18面、21面にて掲載 「キラリ研究開発」漫画・はやのん「自在に動く「手」を作る! 最新・筋電義手開発 前編・後編」(電気通信大・横井教授)

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12/06/06 電気通信大学
2/2 日経産業新聞12面にて掲載「電動装具の共同開発成果について」(電気通信大・横井教授)

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12/06/01 藤田保健衛生大学、名古屋大学    理研BSI
「日本人全ゲノム関連研究の追試により支持された、NOTCH4と統合失調症の遺伝的関連性」
"Genetic evidence for association between NOTCH4 and schizophrenia supported by a GWAS follow-up study in a Japanese population. (M. Ikeda et al.)"-Molecular Psychiatryにて掲載(藤田保健衛生大・池田講師、岩田教授他、名大・尾崎教授、理研・吉川チームリーダー他)

5/30 読売新聞中部にて掲載「統合失調症 関連の遺伝子  藤田保健衛生大 一つを特定と発表」
5/30 中日新聞にて掲載「統合失調発症の遺伝子配列を特定  藤田保衛大」
5/30 日本経済新聞電子版にて掲載「統合失調症発症の関連遺伝子特定  日本の研究チーム 」
5/30 TBSニュースにて掲載「統合失調症、日本人発症に特定の遺伝子」
5/30 NHKニュースにて掲載「統合失調症  関係の遺伝子を初特定」
5/29 日テレNEWS24にて掲載「統合失調症の原因究明  藤田保健衛生大(愛知県)」
5/29 時事ドットコムにて掲載「特定の塩基配列型、割合に差=統合失調症の解明期待-藤田保健大」

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<概要>
近年のゲノム技術の革新により、各個人に存在する全ゲノム上の多数の遺伝子多型を用いた研究方法である「全ゲノム関連研究」が利用可能となりました。本研究グループは、2011年に、日本人で初めてとなる統合失調症の全ゲノム関連研究を行い、複数の遺伝子が統合失調症の発症に関与する可能性を報告していました。本研究グループは、この日本人統合失調症を対象とした全ゲノム関連研究の結果を追試し、NOTCH4が高い確度で統合失調症と関連することを突き止めました。
12/06/01 理研BSI
「硬膜外から脳の働きを読み取る新たな方法の開発」
"Decoding continuous three-dimensional hand trajectories from epidural electrocorticographic signals in Japanese macaques. (K. Shimoda et al.)"-Journal of Neural Engineeringにて掲載(理研・藤井チームリーダー他)

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<概要>
我々は、これまで脳信号からユーザーの意図を読み取る技術(デコーディング) において、硬膜下皮質脳波が高く安定した性能を持つこと報告してきた。しかし、実用的なBMI開発において、長期利用を考慮すると、より侵襲の少ない方法が期待される。そこで、我々は硬膜外皮質電極を用いて、サルの連続的な手の三次元運動の予測を行い、実用レベルの予測が可能なことを確認した。また、その精度は数ヶ月間維持されることが分かった。低侵襲性や再留置、アップグレードの簡便さを考慮すると、硬膜外皮質脳波はBMI実用化の有望な方法の一つと考えられる。
12/05/30 慶應義塾大学
「GABA作動性抑制性ニューロンが大脳新皮質に進入する移動経路」
"Migratory pathways of GABAergic interneurons when they enter the neocortex. (D.H. Tanaka et al.)"-European Journal of Neuroscienceにて掲載(慶應大・仲嶋教授他)

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<概要>
正常な興奮/抑制バランスは、大脳新皮質が正常に機能するために重要であることが知られており、その破綻が統合失調症やてんかん等の背景に存在している可能性が注目されている。大脳新皮質の抑制性ニューロンは、腹側終脳の基底核原基で主に誕生し、脳表面に平行に(接線方向に)移動して新皮質内に進入する。産生部位である基底核原基から新皮質に進入する経路については、論文によってそれぞれ異なる知見が報告されているのが現状であり、やや混乱がみられる。そこで本稿では、新皮質に進入する抑制性ニューロンの移動経路について、従来の研究を動物種、解析ステージ、解析方法、細胞ラベル法等で区別して再検討した。
12/05/28 大阪大学
「ブレイン・マシン・インターフェイスで脳に重度損傷のある患者さんに恩恵を」-nature japan jobs特集記事にて掲載(阪大・吉峰教授)

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12/05/28 福井大学
「大脳皮質形成時におけるWAVE2-Abi2複合体の役割の解明」
"WAVE2-Abi2 complex controls growth cone activity and regulates the multipolar-bipolar transition as well as the initiation of glia-guided migration. (M. Xie et al.)"-Cerebral Cortexにて掲載(福井大・謝敏カク助教、佐藤教授他)

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<概要>
大脳皮質の興奮性神経細胞は側脳室周囲で生まれ、法線方向に移動し大脳皮質を形成する。神経細胞は、移動に際し形態をダイナミックに変化させ、ラディアルグリアを認識し、同グリア上を移動するが、ラディアルグリアの認識に成長円錐が重要な役割であること、そこではWAVE2-Abi2複合体が機能し、なかでもWAVE2に対するCdk5, Abl kinaseによると考えられるリン酸化制御が重要であることを報告した。加えて、この過程の障害により、神経細胞の大脳皮質内配置に変異が生じうることを観察した。最近、脳の微細な構築変異・細胞配置変異が脳機能に影響し、疾病発症の素地になりうるとして議論が盛んであるが、本研究は、そのような微細な構築変異の考えられる成因の一例を示した点で興味深い。
12/05/28 名古屋大学、藤田保健衛生大学、大阪大学
「MAGI2遺伝子のcommon variantが統合失調症患者における認知障害のリスクと関連する」
"Common variants in MAGI2 gene are associated with increased risk for cognitive impairment in schizophrenic patients. (T. Koide et al.)"-PLoS ONEにて掲載(名大・Aleksic特任准教授、尾崎教授他、藤田保健衛生大・岩田教授他、阪大・武田教授他)

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<概要>
本研究では、日本人統合失調症GWAS(n=1108)の結果に基づき神経発達に関連するMAGI2遺伝子領域の4SNPsを選択し、独立集団(n=3245)にて追加関連解析を行った。その結果、 rs2190065(p=0.0033)とrs4729938(p=0.027)に関連が示唆され、さらにrs2190665に関しては、認知障害 (WCSTで測定される遂行機能)とも関連する可能性が示唆された。
12/05/24 東京大学
「マウス海馬CA1錐体細胞における代謝型グルタミン酸受容体、IP3受容体およびL型カルシウムチャネルの機能的カップリング」
"Functional coupling of the metabotropic glutamate receptor, InsP3 receptor and L-type Ca2+ channel in mouse CA1 pyramidal cells. (H.Kato et al.)"-The Journal of Physiologyにて掲載(東大・真鍋教授他)

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<概要>
本研究では、海馬CA1錐体細胞におけるL型電位依存性カルシウムチャネル(L-VDCC)電流が5型代謝型グルタミン酸受容体(mGluR5)の活性化により増大することを見出した。この増大には、L-VDCC自体のチャネル特性の変化は関与せず、IP3受容体とカルシウム誘発性カルシウム放出機構の活性化が必要であった。これらの結果から、mGluRとカルシウムシグナリングの新たな相互作用機構の存在が示唆された。
12/05/23 大阪バイオサイエンス研究所
「樹状突起の形成と維持を統合制御するシグナル機構」
"Signaling mechanisms that coordinate the development and maintenance of dendritic fields. (K. Emoto)"-Current Opinion in Neurobiologyにて掲載(大阪バイオサイエンス研究所・榎本研究部長)

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<概要>
ニューロンは樹状突起を伸張・分岐させることにより固有の受容領域を形成するが、いったん適切な受容領域を獲得すると、突起のダイナミクスを抑制し受容領域を維持する。最近の研究から、受容領域の形成機構や維持機構の異常が、統合失調症や自閉症などの疾患と密接に関連する可能性が指摘されている。本稿では、樹状突起形成と維持の時間・空間的制御に関わる分子機構と、その機能異常と精神疾患との関連について、榎本のこれまでの研究成果と関連分野の最新の成果を踏まえて概説した。
12/05/23 生理学研究所
「サル運動中の一次運動野の皮質表面電位から皮質深部の局所電位の推定に成功」
"Reconstruction of movement-related intracortical activity from micro-electrocorticogram array signals in monkey primary motor cortex. (H. Watanabe et al.)"- Journal of Neural Engineeringにて掲載(生理研・渡辺研究員、南部教授他)

5/22 日経プレスリリースにて掲載「生理学研究所、脳表面の電気記録(ECoG)から脳内部の神経活動の推定に成功」
5/22 jmd&mtにて掲載「生理学研究所、脳表面から脳内部の神経活動の推定に成功」
5/23 マイナビニュースにて掲載「生理研など、脳表面から脳内部の神経活動を知ることができる技術を開発」

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<概要>
サル随意運動中の一次運動野において高密度パリレン電極(東京大学開発)から同時計測される32極(間隔1mm)の皮質表面の電位信号から皮質内深度0.2mmから3.2mmの局所電位を高い精度で推定することに成功した。推定にはATRで開発されたSparse linear regression法を用いた。推定波形は実測波形と同様に運動に特有の周波数成分における情報を有する。本手法はBMIはもとより今後神経科学全般の発展にも大きく貢献することが期待される。
12/05/17 生理学研究所
「ヒト聴覚野における周波数変化、経時変化、及びその両者により誘発される神経活動」
"Auditory evoked fields elicited by spectral, temporal, and spectral-temporal changes in human cerebral cortex. (H. Okamoto et al.) "-Frontiers in Psychologyにて掲載(生理研・岡本特任准教授、柿木教授他)

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<概要>
自然界の音は複雑な周波数成分を有しそれが経時的に変化することで生み出される。この実験では脳磁計を用いて、音の変化に対するヒト脳活動を調べた。その結果、周波数変化と経時変化が同時に起こった場合の神経活動は周波数変化単独による神経活動と類似していた。言語や音楽などの複雑な音がどのように処理されているかの解明に役立つ知見であると考えられる。
12/05/14 東京医科歯科大学
「胎児期のグルタミン酸受容体の過剰な活性化は、脳の形成異常を引き起こす」
"Overstimulation of NMDA Receptors Impairs Early Brain Development in vivo. (T. Aida et al.)"-PLoS ONEにて掲載(東京医科歯科大・相田助教、田中教授他)

5/16 マイナビニュースにて掲載「東京医科歯科大、NMDA型酸受容体の過剰活性化が脳の形成障害を招くと発表」

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<概要>
グルタミン酸輸送体欠損による脳内の過剰なグルタミン酸は、認知・記憶・運動・社会性などの脳高次機能に関与する脳部位(大脳皮質、海馬、小脳、扁桃体)の発達障害を起こすことを、以前報告した(PNAS 103:12161, 2006)。今回の論文は、過剰なグルタミン酸による上記脳発達障害がグルタミン酸受容体NMDA受容体の過剰な活性化によって起こることを明らかにした。統合失調症や自閉症の発症リスクを高める周産期の脳虚血の際に、グルタミン酸輸送体の機能障害が起こることが知られており、本研究は、NMDA受容体の阻害が周産期の脳虚血による脳発達障害の予防に有効である可能性を示唆している。
12/05/01 東京大学
「抑制性神経伝達物質GABAが脳のシナプス刈り込みを制御する」
"GABAergic Inhibition Regulates Developmental Synapse Elimination in the Cerebellum. (H. Nakayama et al.)"-Neuronにて掲載(東大・中山特任研究員、狩野教授他)

4/30 毎日jpにて掲載「脳神経回路:発達制御の物質突き止め 自閉症解明に期待」
5/9 マイナビニュースにて掲載「東大、『シナプス刈り込み』には抑制性神経伝達物質「GABA」が必須と究明」

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12/04/27 玉川大学
「習慣性のアルコール摂取には脳の側坐核のセロトニン2C受 容体が関わる」
"Serotonin2C receptors in the nucleus accumbens are involved in enhanced alcohol-drinking behavior. (K. Yoshimoto et al.)"-European Journal of Neuroscienceにて掲載(玉川大・木村教授他)

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<概要>
アルコール依存には、脳の報酬系である側坐核のドーパミンとセロトニンが重要である。私たちは、マウスに3週間アルコールを摂取させ、アルコール嗜好性と摂取が増加するモデル動物を作成した。動物の側坐核を含む脳部位でセロトニン2C受容体とmRNAが増大した。セロトニン2C受容体拮抗薬を投与するとアルコール嗜好性と摂取が低下した。習慣性のアルコール摂取には脳の側坐核のセロトニン2C受容体が関わることが解った。
12/04/26 慶應義塾大学
「統合失調症と海馬」-分子精神医学2012年4月号にて掲載(慶應大・久保助教、仲嶋教授)

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12/04/26 慶應義塾大学
「大脳新皮質の形成機構における抑制性介在ニューロンの移動能変化の役割」
"GABAergic interneuron migration and the evolution of the neocortex. (DH. Tanaka et al.)"-Development, Growth & Differentiationにて掲載(慶應大・仲嶋教授他)

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<概要>
大脳新皮質は哺乳類に特有な脳部位であり、ヒトにおいてとりわけ大きく発達した部分である。その機能において、興奮性ニューロンと抑制性ニューロンが適切なバランスをもって回路内に配置されることが極めて重要であり、そのバランスの崩れがさまざまな精神疾患等の基盤に関わっている可能性が近年注目されている。本総説では、大脳新皮質抑制性ニューロンの移動能に注目し、種間の相違と共通点を進化的視点から扱って、大脳新皮質の形成機構を議論した。
12/04/26 名古屋大学
「MMRワクチン接種ならびに接種本数は、自閉症スペクトラム発症に関与しない~アジア初の症例・対照研究による~」
"The combined measles, mumps, and rubella vaccines and the total number of vaccines are not associated with development of autism spectrum disorder:the first case-control study in Asia. (Y. Uno et al.)"-Vaccineにて掲載(名大・尾崎教授他)

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<概要>
MMRワクチンや幼児期に接種するワクチンの接種本数の増加が、自閉症スペクトラム(ASD)発症の危険因子となるか否かを、日本人の症例・対照研究により検討した。ワクチン接種に関する情報は母子手帳から得た。その結果、MMR ワクチンやワクチンの合計接種本数とASDとに関連性を見出すことはできなかった。従って、MMR を含めたワクチン接種本数がASD発症のリスクとなるとは言えないことがアジアで初めて症例・対照研究により確認された。
12/04/12 理研BSI  慶應義塾大学
「脳内遺伝子の発現様式解明に小型のサル『コモンマーモセット』が活躍~霊長類が高次機能を獲得したメカニズムの解明へ~」
"Comparative Anatomy of Marmoset and Mouse Cortex from Genomic Expression. (H. Mashiko et al.)"-The Journal of Neuroscienceにて掲載(理研・下郡チームリーダー他、慶應大・岡野教授)
**4/11号の表紙に選ばれました**

4/11 マイナビニュースにて掲載「理研、小型ザルの「コモンマーモセット」を用いて脳の遺伝子発現様式を究明」

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<概要>
本研究では小型の新世界サルである、コモンマーモセットを用いて、短時間で複数の遺伝子発現パターンを明らかにすることに成功し、複数の遺伝子発現がマウスとは異なるパターンを示すことを明らかにした。この成果はマウスでは明らかにされてこなかった脳高次脳機能はマーモセットを用いる事によりさらに明らかにできる事を示している。これらの事から、小型種のコモンマーモセットと大型種のサルの両方を組み合わせて研究する事により、我々ヒトの脳の理解と治療が加速される事が期待される。
12/04/04 京都大学霊長類研究所
"Characteristics of Serial Order Learning in Common Marmosets (Callithrix jacchus). (R. Koba et al.)"-Journal of Comparative Psychologyにて掲載(京大霊長研・中村教授他)

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12/04/03 東京大学
"Localized gray matter volume reductions in the pars triangularis of the inferior. (N. Iwashiro et al.)"-Schizophrenia Researchにて掲載(東大・山末准教授、笠井教授他)

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12/04/02 生理学研究所
"Modulation of somatosensory evoked potentials during force generation and relaxation. (T. Wasaka et al.)"-Experimental Brain Researchにて掲載(生理研・和坂特任助教、柿木教授他)

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12/03/29 放射線医学総合研究所
「私たちの脳はどのように情状酌量を行うのか?~同情と情状酌量の脳機能メカニズム~」
"Neural circuits in the brain that are activated when mitigating criminal sentences. (M. Yamada et al.)"-Nature Communicationsにて掲載(放医研・山田研究員、高橋客員研究員、須原グループリーダー他)

3/28 YOMIURI ONLINEにて掲載「『裁判員』情状酌量する脳の領域を特定」
3/28 NIKKEIにて掲載「情状酌量、脳活動に個人差  同情する人ほど活発
3/28 時事ドットコムにて掲載「同情する脳の部位特定=対人関係の基礎解明も-放医研」
3/28 マイナビニュースにて掲載「放医研、裁判審理で「情状酌量」をする際の脳機能メカニズムを解明」

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<概要>
情状酌量に着目し、同情と量刑判断に関連する脳基盤をfMRIにより解析した。被験者は、模擬裁判の裁判員になったつもりで、被告人が犯罪行為に至った背景をもとに量刑の決定を行うとともに、被告人に対してどの程度同情できるかについて評定を行った。被告人が罪を犯すことになった背景を読んでいるときの脳活動を解析した結果、被告人への同情と量刑判断は、他者理解や道徳的葛藤に関わる共通した脳領域の働きであり、同情から減刑しやすい人ほど島皮質の活動が高いことが判明した。
12/03/27 国立精神・神経医療研究センター
"Individual Traits and Environmental Factors Influencing Sleep Timing: A Study of 225 Japanese Couples. (A. Hida et al.)"-Chronobiology Internationalにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・肥田室長、三島部長他)

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12/03/26 自治医科大学
「満腹感を生むメカニズムの一端を解明~食事とネスファチンの関係~」
"Glucose and insulin induce Ca2+ signaling in nesfatin-1 neurons in the hypothalamic paraventricular nucleus. (D. Gantulga et al.)"-Biochemical and Biophysical Research Communicationsにて掲載(自治医科大・Gantulga研究員、矢田教授他)

3/24 時事ドットコムにて掲載「『満腹感』詳細な解明に期待=脳中枢にブドウ糖など影響-自治医科大」

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<概要>
脳の視床下部の室傍核に存在するNesfatin-1(ネスファチン)は摂食量に関与するが、その調節機構は不明だった。本研究では、食事摂取によって血中濃度が増加するグルコースとインスリンが、室傍核のネスファチンニューロンを活性化させること、いずれにも応答しない細胞の一部は両方の同時刺激により活性化されこと(協働作用)を発見した。本研究で明らかとなった<グルコース・インスリン→室傍核ネスファチン>系は、食事摂取による満腹感形成の一部を担っており、さらに、食事による脳機能(ストレス、うつ、概日リズム)修飾の分子機構として作動している可能性が考えられる。
12/03/22 東京大学
"Prevention of Apoptosis by Mitochondrial Phosphatase PGAM5 in the Mushroom Body Is Crucial for Heat Shock Resistance in Drosophila melanogaster. (Y. Ishida et al.)"-PLoS ONEにて掲載(東大・石田研究員、関根特任助教、武田准教授、一條教授他)

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12/03/21 横浜市立大学
「第五指異常を伴う精神遅滞症候群の原因解明!」
"Mutations affecting components of the SWI/SNF complex cause Coffin-Siris syndrome. (Y. Tsurusaki et al.)"-Nature Geneticsにて掲載(横浜市大・鶴崎助教、三宅准教授、松本教授他)

3/22 マイナビニュースにて掲載「横浜市立大ら、『コフィン-シリス症候群』の原因となる遺伝子を究明」

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<概要>
Coffin-Siris症候群(以下CSS)は、重度精神遅滞と奇形兆候を呈する症候群である。松本らは、CSSの23症例のうち、典型例5例を対象に全エクソーム解析を行い、5症例中2症例でSMARCB1遺伝子に新生突然変異を同定した。本遺伝子は、SWI/SNF複合体(BAF型)の構成成分であることから、変異未同定の21症例を対象に、SWI/SNF複合体の構成サブユニットをコードする15遺伝子の変異解析を行い、21症例中18症例でSMARCB1SMARCA4、SMARCE1ARID1AARID1B、あるいはSMARCA2のいずれかのサブユニットに変異を見出した。責任遺伝子の解明さでCSSの病態解明と治療法の開発や病態改善等が大きく進展すると期待される。
12/03/21 東京大学
"Neurophysiological impairment in emotional face processing is associated with low extraversion in schizophrenia. (K. Kirihara et al.)"-Progress in Neuro-Psychopharmacology and Biological Psychiatryにて掲載(東大・荒木特任准教授、笠井教授他)

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12/03/15 名古屋大学、藤田保健衛生大学、大阪大学  名古屋大学
"Analysis of the VAV3 as Candidate Gene for Schizophrenia: Evidences From Voxel-Based Morphometry and Mutation Screening. (B. Aleksic et al.)"-Schizophrenia Bulletinにて掲載(課題F:名大・Branko Aleksic特任准教授、久島研究員、尾崎教授、藤田保健衛生大・岩田教授、阪大・武田教授、課題G:名大・貝淵教授他)

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12/03/07 東京大学
「脳の発達障害の原因蛋白質が神経の"つなぎめ"(シナプス)を動かす~Lis1 分子による抑制性の神経回路の制御~」
"LIS1-dependent retrograde translocation of excitatory synapses in developing interneuron dendrites. (I. Kawabata et al.)"-Nature Communicationsにて掲載(東大・岡部教授他)

3/9 マイナビニュースにて掲載「東大、脳の発達障害の原因タンパク質がシナプスを動かしていることを確認」

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<概要>
脳の発達障害の原因遺伝子であるLIS1は発達初期の神経細胞の移動を制御する事が知られているが、今回の研究によりLIS1によって制御される分子モーターが抑制性の神経細胞上に形成されるシナプスを微小管に沿って移動させ、このようなシナプスの再配置が抑制性神経細胞が神経回路に正しく組み込まれる上で重要な役割を果たしていることが明らかになった。
12/03/07 東北大学
「皮膚で光を知覚する!?(チャネルロドプシン遺伝子組換えラットのスーパー感覚)」
"Light-evoked Somatosensory Perception of Transgenic Rats That Express Channelrhodopsin-2 in Dorsal Root Ganglion Cells. (Z. Ji et al.)"-PLoS ONEにて掲載(東北大・八尾教授他)

3/6 時事ドットコムにて掲載「光を触覚として感じるラット=世界初、緑藻遺伝子を導入-東北大」
3/7 NIKKEIにて掲載「皮膚で光感じるラット、東北大が育成成功  脳機能解明に道」
3/8 マイナビニュースにて掲載「東北大、皮膚で光を感じられるスーパー感覚を備えたラットの作成に成功」

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<概要>
Thy1-チャネルロドプシン2トランスジェニックラットでは、脊髄後根神経節において、触覚や深部感覚を掌る大型の後根神経節細胞およびその神経終末にチャネルロドプシン2が発現していたが、痛覚、温度感覚をつかさどる小型の後根神経節細胞には発現していなかった。このラットの皮膚では、光が感覚受容器の神経終末で受け取られ、活動電位を発生し、脊髄、脳へと伝えられ、触覚としての知覚を引き起こしたことが示唆される。
12/03/07 生理学研究所
"Involuntary Monitoring of Sound Signals in Noise Is Reflected in the Human Auditory Evoked N1m Response. (L. Lagemann et al.)"-PLoS ONEにて掲載(生理研・岡本特任准教授他)

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12/02/29 放射線医学総合研究所
「夏目漱石の坊っちゃんのように、間違った事が大嫌いで義憤に駆られ、損ばかりする行動様式に脳内セロトニンが関与」
"Honesty mediates the relationship between serotonin and reaction to unfairness. (H. Takahashi et al.)"-PNASにて掲載(放医研・高橋客員研究員、須原グループリーダー他)

2/28 日刊工業新聞Business Lineにて掲載「放医研など、実直で穏やかな人ほど不公平な扱いに怒り-神経伝達物質が関与」
2/28 時事ドットコムにて掲載「『正直者は損』裏付け=脳内物質セロトニンが影響-精神疾患治療に応用期待・放医研」
2/28 京都新聞にて掲載「『坊っちゃん』型はセロトニン不足?京大准教授ら発見」
2/29 マイナビニュースにて掲載「漱石の『坊ちゃん』はセロトニントランスポーター密度が低い人-放医研」

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<概要>
経済ゲームを用いて不公平に対する反応と性格傾向との関係を調べたところ、正直で平和的な性格ほど義憤に駆られ、報復しようとする側面が認められた。さらに、脳内のセロトニントランスポーター(SERT)の密度をPETで調べた結果、中脳の(SERT)ーの密度が低い人ほど、実直な性格傾向にあり、その結果、義憤に駆られやすい事が示された。不公平に対する反応の個人差には脳内セロトニンが関与することが明らかになった。
12/02/27 大阪大学
NHK WORLD TV 科学技術情報番組「Science View」にて阪大・吉峰グループの研究成果の一部が放映
【放送】:3/4(日)※日本時間の9:10, 13:10, 17:10, 21:10, 1:10, 5:10に配信

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12/02/27 大阪大学 電気通信大学
NHK総合テレビ「スタジオパークからこんにちは」にて阪大・吉峰グループ、電気通信大・横井グループの研究成果の一部が放映 【放送】:2/28(火)13時37分頃~

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12/02/24 放射線医学総合研究所
「ギャンブルへの慎重さに脳内のノルアドレナリンが関与」
"Norepinephrine in the brain is associated with aversion to financial loss. (H. Takahashi et al.)"-Molecular Psychiatryにて掲載(放医研・高橋客員研究員、須原グループリーダー他)

2/23 マイナビニュースにて掲載「リスク判断には『ノルアドレナリン』が関与している - 京大と放医研が証明」
2/22 毎日jpにて掲載「ギャンブル依存:解明!?脳内物質、働き特定-京大」
2/22 Sankei Bizにて掲載「ギャンブルに慎重な人は…脳内物質の働き突き止める、京都大グループ」
2/22 YOMIURI ONLINEにて掲載「ギャンブル依存、薬で治る?…京都大が解明」
2/22 NHK NEWSWEBにて掲載「ギャンブル  脳内タンパク質関与か」
2/21 朝日新聞デジタルにて掲載「ギャンブルにはまる人、脳に特徴 京都大が発見」
2/21 京都新聞にて掲載「ギャンブル依存治せる?京大が脳内物質発見  治療薬開発に期待」
2/21 NIKKEIにて掲載「ギャンブルの好き嫌い、脳の特定分泌物が左右-京大など解明」
2/21 時事ドットコムにて掲載「賭け事に慎重、脳内物質が関与=依存症診断に応用も-京大」
2/21 共同通信47NEWSにて掲載「ギャンブルためらう脳  京大解明、依存症治療も」
2/21 MBS毎日放送にて掲載「京都大学  ギャンブル依存に脳内物質が関係」

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<概要>
PETを行い、脳内ノルアドレナリントランスポーター(NAT)の密度と損失忌避(利得と損失の双方の可能性があるリスクのある判断をする時に、利得よりも損失に比重を置く傾向の強さ)との関係を調べた。視床のNATの密度が低い人ほど、損失忌避が強く、慎重な意思決定をすることが明らかになった。今後、うつ病や依存症などの病態理解や新たな薬物治療への貢献が期待される。
12/02/20 東京工業大学
"A Power Assist Device Based on Joint Equilibrium Point Estimation from EMG Signals. (T. Kawase et al.)"-Journal of Robotics and Mechatronicsにて掲載(東工大・小池教授他)

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12/02/20 横浜市立大学
"Developmental AMPA receptor subunit specificity during experience-driven synaptic plasticity in the rat barrel cortex. (T. Miyazaki et al.)"-Brain Researchにて掲載(横浜市大・宮崎研究員、高橋教授他)

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12/02/15 北海道大学、広島大学   東京大学
"Cav2.1 in Cerebellar Purkinje Cells Regulates Competitive Excitatory Synaptic Wiring, Cell Survival, and Cerebellar Biochemical Compartmentalization. (T. Miyazaki et al.)"-The Journal of Neuroscienceにて掲載(北大・宮崎助教、渡辺教授、広島大・橋本教授、東大・狩野教授他)

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12/02/15 東京医科歯科大学   国立精神・神経医療研究センター
"Further evidence for a male-selective genetic association of synapse-associated protein 97 (SAP97) gene with schizophrenia. (A. Uezato et al.)"-Behavioral and Brain Functionsにて掲載(東京医科歯科大・西川教授、上里助教、国立精神・神経医療研究センター・功刀部長他)

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12/02/15 生理学研究所
"Auditory sustained field responses to periodic noise. (S. Keceli et al.)"-BMC Neuroscienceにて掲載(生理研・柿木教授、岡本特任准教授他)

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12/02/13 国立精神・神経医療研究センター
「血液脳関門で働く P 糖タンパク(ABCB1)の機能低下型遺伝子が大うつ病性障害の発症リスクと関連することを報告」
"Association between the functional polymorphism (C3435T) of the gene encoding P-glycoprotein (ABCB1) and major depressive disorder in the Japanese population. (T. Fujii et al.)"-Journal of Psychiatric Researchにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・藤井研究員、功刀部長他)

2/16 日刊工業新聞Business Lineにて掲載「国立精神・神経医療研究センター、うつ発症遺伝子を発見」

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<概要>
P糖タンパクはABCB1 (ATP-binding cassette, subfamily B, member 1)遺伝子にコードされ、血液脳関門に発現し、薬剤や生体毒素などに対する排出ポンプとして機能している。本研究は、ABCB1遺伝子の機能多型が大うつ 病性障害の発症リスクと関連するか否か検討した。日本人の大うつ病患者631人、健常者1100人を対象とし、5つの機能的多型について解析したところ、 T3435機能低下型アリル(rs1045642)は患者群に有意に多く、そのホモ接合体の頻度は、健常者と比べて有意に高かった(p=0.0062、 オッズ比1.43、95%信頼区間 1.11-1.85)。以上の結果は、この遺伝子多型によるP糖タンパクの機能低下がうつ病のリスクとなる可能性を示唆する。
12/02/13 大阪大学

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12/02/06 慶應義塾大学
"Contraction level-related modulation of corticomuscular coherence differs between the tibialis anterior and soleus muscles in humans. (J. Ushiyama et al.)"-Journal of Applied Physiologyにて掲載(慶應大・牛山特任助教、牛場准教授、里宇教授他)

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12/02/03 東京大学
"RP58 controls neuron and astrocyte differentiation by downregulating the expression of Id1–4 genes in the developing cortex. (S. Hirai)"-The EMBO Journalにて掲載(東大・岡部教授他)

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12/01/27 ATR
"eMOSAIC model for humanoid robot control. (N. Sugimoto et al.)"-Neural Networksにて掲載(ATR・杉本研究員、川人所長他)

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12/01/18 ATR
"Real-time stylistic prediction for whole-body human motions. (T. Matsubara et al.)"-Neural Networksにて掲載(ATR・松原研究員、森本室長他)

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12/01/16 ATR、大阪大学
1/8 読売新聞にて掲載「学ぼう-脳と機械がつながる」(ATR・川人所長、神谷室長、相原研究員、柴田研究員、阪大・吉峰教授、不二門教授)

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12/01/16 ATR、大阪大学、慶應義塾大学、東京大学
1/2 週刊医学界新聞第2959号にて掲載「日本発 !! ブレイン・マシン・インターフェース新時代」(ATR・川人所長、阪大・吉峰教授、平田特任准教授、慶應大・里宇教授、牛場准教授、東大・佐倉教授)
[新年号特集]…BMIの新技術で、難治性神経疾患・脳機能障害に光を
[新春座談会]…BMIが、医療の新領域を拓いていく-多分野連携で育てる日本発の革新技術

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12/01/ 日本大学
"Subthalamic nucleus stimulation for attenuation of pain related to Parkinson disease. (H. Oshima et al.)"-Journal of Neurosurgeryにて掲載(日本大・大島講師、片山教授、山本教授他)

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