新着情報

掲載日 内 容
14/12/26 自治医科大学
「レプチンの摂食抑制作用を仲介する新標的;視床下部室傍核NUCB2/nesfatin-1」
"Paraventricular NUCB2/nesfatin-1 is directly targeted by leptin and mediates its anorexigenic effect. (G. Darambazar et al.)"-Biochemical and Biophysical Research Communicationsにて掲載(自治医科大・中田准教授、矢田教授他)

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<概要>脂肪細胞が分泌するアディポカインのレプチンは強力な摂食抑制作用を有し、その作用の低下は肥満の成因と考えられている。レプチン摂食抑制作用を仲介する作用標的は、一次摂食中枢である弓状核のPOMCニューロンおよびNPYニューロンであると考えられていた。本研究で、マウスを用いた実験から、室傍核のNUCB2/Nesfatin-1ニューロンが新たな標的ニューロンであることを同定した。レプチンは直接NUCB2/Nesfain-1ニューロンを活性化した。AAVベクターを用いて室傍核特異的にNUCB2ノックダウンすると、レプチンの摂食抑制作用が著明に減弱した。本研究は、室傍核NUCB2/Nesfain-1ニューロンをレプチンの主要標的として明らかにし、新たな肥満治療標的としての可能性を示すものである。
14/12/19 理化学研究所
「恐怖記憶形成をエンコードする神経回路」
"Encoding of fear learning and memory in distributed neuronal circuits. (C. Herry and J. P. Johansen)"-Nature Neuroscienceにて掲載(理研・Johansenチームリーダー他)

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<概要>
恐怖などの嫌悪的経験に対する記憶・学習の成立や適応行動に関わる神経回路同定およびそのメカニズム解明に向けた研究の進展状況に関する総説である。
14/12/18 自治医科大学
「グルカゴンは求心性迷走神経に直接作用し脳に情報伝達する」
"Glucagon directly interacts with vagal afferent nodose ganglion neurons to induce Ca2+ signaling via glucagon receptors. (E. A. Ayush et al.)"-Biochemical and Biophysical Research Communicationsにて掲載(自治医科大・岩崎助教、矢田教授他)

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<概要>
グルカゴンは、食事摂取、低温、低血糖条件下で分泌が亢進し、それぞれ満腹感形成、体熱産生、血糖値上昇を司っており、これらの作用の一部に脳の関与が示唆されている。グルカゴンは、血液脳関門通過による脳移行が極めて微量であり、その作用経路は不明であった。本研究は、末梢と脳を繋ぐ求心性迷走神経をグルカゴンが直接活性化することを明らかにした。グルカゴン応答神経の大部分が、満腹ホルモンのインスリンやコレシストキンにも応答したことから、満腹感形成に関与する可能性が示される。
14/12/18 藤田保健衛生大学
「双極性障害のリスクである12q13領域の遺伝子多型はうつ状態と関連する;遺伝環境相互作用解析」
"A Genetic Variant in 12q13, a Possible Risk Factor for Bipolar Disorder, Is Associated with Depressive State, Accounting for Stressful Life Events. (A. Shimasaki et al.)"-PLoS ONEにて掲載(藤田保健衛生大・島崎大学院生、池田講師、岩田教授他)

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<概要>
うつ病は他の精神疾患と同様、その発症に遺伝要因が関与しているとされるが、いまだ確定的なリスクは同定されていない。その理由のひとつには、環境要因が発症に関与していることが考えられ、この両者を合わせた遺伝環境相互作用解析が必須と言える。今回我々は、約1000名のサンプルを用いて、既報の精神疾患の遺伝子研究から約60個の一塩基多型(SNP)やストレスフルライフイベント(SLE)とうつ状態に関連があるか調査した。その結果、双極性障害のリスクとして報告されている12q13領域のDHH遺伝子上のSNPとうつ状態との間に関連を認め、また、既報通りSLEもうつ状態に関連した。他方、明らかな遺伝環境相互作用は同定できなかった。今後は全ゲノムを対象としたGWEIS(genome-wide environment interaction study)を行い、網羅的な解析を行う必要がある。
14/12/16 東京医科歯科大学
「脊髄小脳失調症モデルマウスの遺伝子治療に成功 ~神経変性疾患の治療開発につながることを期待~」
"HMGB1 facilitates repair of mitochondrial DNA damage and extends the lifespan of mutant ataxin-1 knock-in mice. (H. Ito et al.)"-EMBO Molecular Medicineにて掲載(東京医科歯科大・藤田特任助教、田川准教授、岡澤教授他)
(日本語)
(English)
12/15 日経プレスリリースにて掲載「東京医科歯科大、脊髄小脳失調症モデルマウスの遺伝子治療に成功」
12/16 医療介護CBニュースにて掲載「脊髄小脳失調症マウスの遺伝子治療に成功-東京医科歯科大、治療開発に期待」
12/16 日経産業新聞 8面にて掲載「小脳失調帳に遺伝子治療 東京医科歯科大 マウスで効果確認」
12/16 化学工業日報 4面にて掲載「脊髄小脳失調症1型 遺伝子治療で効果 東京医歯大が動物実験」
12/18 QLife Proにて掲載「脊髄小脳失調症モデルマウスの遺伝子治療に成功−JSTら」
12/19 日刊工業新聞Business Lineにて掲載「東京医科歯科大と自治医科大、歩行・言語障害など神経変性疾患の遺伝子治療法を開発」
12/19 日刊工業新聞 33面にて掲載「歩行・言語障害など神経変性疾患 遺伝子治療法を開発 東京医科歯科大 自治医大」

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<概要>
脊髄小脳失調症1型(SCA1)は、現在治療法のない難治疾患である。我々はHMGB1が主要な病態分子であることを先に報告ししており(Qi et al, Nat Cell Biol 2007)、本研究ではHMGB1を用いた遺伝子治療によりSCA1モデルマウスに顕著な寿命延長と運動機能改善を示す治療効果を上げることに成功した。さらに、HMGB1の新たな細胞機能としてミトコンドリアDNA損傷修復を併せて示した。この成果は神経変性疾患の治療に立ちふさがる壁を破る可能性を示したもので、今後、
SCA1を初めとする神経変性疾患に対する根本的治療の開発につながるものと期待される。
14/12/16 藤田保健衛生大学、名古屋大学
「抗精神病薬反応性と統合失調症感受性の遺伝的重複」
"Genetic Overlap Between Antipsychotic Response and Susceptibility to Schizophrenia. (M. Ikeda et al.)"-Journal of Clinical Psychopharmacologyにて掲載(藤田保健衛生大・池田講師、岩田教授、名大・尾崎教授他)

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<概要>
本研究では、統合失調症の薬物治療に用いられる抗精神病薬反応性に関連する遺伝子多型を全ゲノムレベルで検討し、「薬物反応性に関連する遺伝子は、その疾患のリスクとなりうるか」という仮説を検討するため、Polygneic componentモデルを用いて本サンプルと、既報の日本人統合失調症全ゲノム関連解析の結果を比較検討した。その結果、抗精神病薬反応性を規定する可能性のある遺伝子多型は、統合失調症患者により多く認められることが示された。従って、本結果は、抗精神病薬の作用ターゲットである遺伝子は、統合失調症のリスクとして考える間接的な証左を示唆し、過去の候補遺伝子解析や、動物モデルを支持するものといえる。
14/12/16 関連ニュースを更新しました

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14/12/09 理化学研究所
「怖い体験が記憶として脳に刻まれるメカニズムの解明へ -扁桃体ニューロンの活動とノルアドレナリンの活性が鍵-」
"Hebbian and neuromodulatory mechanisms interact to trigger associative memory formation. (J. P. Johansen et al.)"-Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of Americaにて掲載(理研・Johansenチームリーダー他)

12/9 日刊工業新聞Business Lineにて掲載「怖い体験しなくても恐怖の記憶植え付けられる-理研、恐怖体験が記憶に残る仕組み解明」
12/9 日経プレスリリースにて掲載「理研、怖い体験が記憶として脳に刻まれるメカニズムを解明」
12/11 QLife Proにて掲載「怖い体験が記憶として脳に刻まれるメカニズムの解明へ-理研」
12/12 Economic Newsにて掲載「理研、怖い体験が記憶として脳に刻まれるメカニズムを解明」

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<概要>
本研究チームは光遺伝学によるラット扁桃体の神経活動操作と、恐怖記憶形成因子の活性化を組み合わせた実験を行った。それにより、恐怖記憶の形成には、これまで有力とされていた「ヘッブ仮説:ニューロン間のつながりが強化されるメカニズム」を実証し、その一方、それだけでは十分ではなく、注意を喚起する際に働くノルアドレナリンの活性化も重要であることを明らかにした。
14/12/09 北海道大学
「抗うつ薬のミルナシプランは内側前頭前皮質腹側部障害ラットの衝動性を抑制する」
"Milnacipran Remediates Impulsive Deficits in Rats with Lesions of the Ventromedial Prefrontal Cortex. (I. Tsutsui-Kimura et al.)"-International Journal of Neuropsychopharmacologyにて掲載(北大・大村助教、吉岡教授他)

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<概要>
本研究では、抗うつ薬として用いられているミルナシプランを長期間投薬することにより、内側前頭前皮質腹側部障害によって衝動性が亢進したラットの衝動性を効果的に抑制できることを見出した。驚いたことに、この回復作用は投薬を中止した後も持続した。さらに、内側前頭前皮質腹側部でのBDNF(脳由来神経栄養因子)増加、そしておそらくその結果としての神経棘突起数および興奮性シナプス後電流の回復がこの持続的な回復作用の原因である可能性が示された。
14/12/04 東京医科歯科大学
「うつ病の症状に似た行動異常を引き起こすグリア細胞群をマウスで発見―うつ病の診断や新たな治療薬の開発に拍車―」
"Glial Dysfunction in the Mouse Habenula Causes Depressive-Like Behaviors and Sleep Disturbance. (W. Cui et al.)"-Journal of Neuroscienceにて掲載(東京医科歯科大・相澤准教授、田中教授他)

12/3 進学ナビにて掲載「グリア細胞の機能不全がうつ病の症状に似た行動異常を引き起こすことを発見!」
12/4  日刊工業新聞Business Lineにて掲載 「東京医科歯科大など、うつ状態引き起こす脳神経の状態解明-グリア細胞の活動関与」
12/4  日刊工業新聞 23面にて掲載「うつ発症関与の脳神経活動抑制で行動異常 東京医科歯科大など解明」
12/4 ハザードラボにて掲載「うつ病症状を引き起こす細胞をマウスで発見 」
12/5 財経新聞にて掲載「東京医科歯科大、グリア細胞の機能不全がうつ病に似た行動異常を引き起こすことを発見」
12/5 QLife Proにて掲載「うつ病に似た行動異常を起こすグリア細胞群をマウスで発見-東京医科歯科大ら」
12/5 日経産業新聞 10面にて掲載「鬱病に似た症状を発症 マウス脳で細胞発見 東京医科歯科大」

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<概要>
手綱核は脳幹モノアミン神経細胞の活動を修飾し、うつ病患者において血流上昇が報告されることから、うつ病の責任部位として近年注目を集めている。手綱核神経細胞の活動は細胞外グルタミン酸濃度により制御されている。今回の研究では、細胞外グルタミン酸濃度の制御を担っているグルタミン酸輸送体GLT-1を手綱核特異的に欠損させ、うつ病様行動異常との関係を検討した。手綱核特異的にGLT1を欠損したマウスは、手綱核神経細胞の興奮性が亢進しており、ストレス下における絶望状態や不安様行動、社会回避行動、睡眠障害などのうつ病様行動異常を示した。今回の結果は、手綱核の神経活動に着目したうつ病の診断法や治療法開発への道を開く。

14/11/25 基礎生物学研究所
「2光子イメージングのリアルタイム解析法によって動物が1個の神経細胞の活動を意志で操作できることを証明」
"Reward-timing-dependent bidirectional modulation of cortical microcircuits during optical single-neuron operant conditioning. (R. Hira et al.)"-Nature Communicationsにて掲載(基生研・平助教、松崎教授他)

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<概要>
マウス大脳の単一神経細胞活動を2光子カルシウムイメージングを用いてリアルタイムに計測しながらその活動を報酬と関連付けることにより、マウスがその標的細胞の活動を促進させられること、またこの条件付けに伴って標的細胞の周辺神経細胞で活動の増減が起こることを見出した。本研究はマーモセットでの光操作技術の基盤となる実験手法を確立したものである。
14/11/25 東京医科歯科大学
nature ダイジェスト(December 2014, Vol. 11, No 12, pp18-19)に東京医科歯科大学・岡澤教授の研究に関する記事が掲載されました。
 「脳の大きさを制御する、新たな分子メカニズムを解明!」

【対象論文】: "In utero gene therapy rescues microcephaly caused by Pqbp1-hypofunction in neural stem progenitor cells. (H. Ito et al.)"-Molecular Psychiatryにて掲載(東京医科歯科大・岡澤教授他)

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14/11/21 理化学研究所
「危険に対して冷静かつ適切に対処できるようになるための神経回路を発見~手綱核-縫線核神経回路によるセロトニン制御がカギ~」
"The Habenulo-Raphe Serotonergic Circuit Encodes an Aversive Expectation Value Essential for Adaptive Active Avoidance of Danger. (R. Amo et al.)"-Neuronにて掲載(理研・岡本シニアチームリーダー他)

11/21 日経バイオテクONLINEにて掲載「理研BSI、危険対処の神経回路を特定、理研でゲノム編集最多のゼブラフィッシュの成果」
11/22 マイナビニュースにて掲載「理研、パニック抑制する細胞を発見 - パニック障害の治療法改善に期待」
11/23 財経新聞にて掲載「理研、危険に対して冷静に対処できるようになるための脳神経回路を明らかに」

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<概要>
これから体験することがどのくらい危険かという予測は、危険に対する適切な対処法を学習するために必須である。しかし、脳内のどこでこの危険予測値が表現されているかは大きな課題であった。今回、ゼブラフィッシュをモデルとした解析から、哺乳類から魚類まで保存された手綱核-縫線核神経回路が危険の予測値を表現し、気分等に関わるセロトニンを制御する事で実際に危険を回避する学習を可能にしている事を明らかにした。
14/11/21 イベント案内を更新しました

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14/11/18 自治医科大学
「摂食中核の弓状核→室傍核シグナル伝達を担う神経回路の同定」
"Neuropeptide Y and α-melanocyte-stimulating hormone reciprocally regulate nesfatin-1 neurons in the paraventricular nucleus of the hypothalamus. (U. Sedbazar et al.)"-Neuroreportにて掲載(自治医科大・矢田教授他)

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<概要>
摂食調節の中核として、一次中枢の視床下部弓状核の摂食亢進性NPY/AgRPおよび摂食抑制性POMC-αMSHニューロンが全身代謝情報を受容し、二次中枢室傍核に信号を伝える機構が考えられているが、室傍核の標的ニューロンは明らかではなかった。本研究により、室傍核のネスファチンニューロンが、NPYとαMSHニューロンの二重神経投射を受けており、NPYにより抑制、αMSHにより活性化されて相反性に調節されていることを明らかにし、一次中枢弓状核の標的として、室傍核ネスファチンニューロンを同定し、摂食調節の新規神経機構を発見した。
14/11/17 島津製作所
よりコンパクト、より簡単な脳機能計測を実現するポータブル近赤外光イメージング装置を発売 -うつ病の鑑別診断補助やニューロマーケティング等の医療・研究に貢献-(株式会社島津製作所・井上副部長(当時))

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14/11/12 福井大学、金沢大学
「自閉スペクトラム症がある方々による、自閉スペクトラム症がある方々に対する共感」
"Autistic empathy toward autistic others. (H. Komeda et al.)"-Social Cognitive and Affect Neuroscienceにて掲載(福井大・小坂特命准教授、佐藤教授他)

11/5 共同通信47NEWSにて掲載「同傾向の人に共感 自閉スペクトラム症」
11/5 京都新聞 電子版にて掲載「コミュニケーション障害の自閉症、同じ障害の人に共感 京大解明」
11/6 中日新聞 CHUNICHI Webにて掲載「同じ傾向の人に共感 自閉スペクトラム症 福井大など解明」
11/7 財経新聞にて掲載「京大、自閉スペクトラム症患者同士は共感し合うことを明らかに」
11/8 産経ニュースにて掲載「自閉スペクトラム症、同傾向の人によく共感 京都大などチーム解明」
11/11 マイナビニュースにて掲載「自閉症スペクトラム症の人は同じ症状の人に共感する - 京大が確認」
11/18 日刊工業新聞Business Lineにて掲載「自閉症患者、類似行動者に共感-京大・福井大、脳測定実験で解明」

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<概要>
自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)がある方々と、発達障害がない(定型発達、Typically developing: TD)方々に、自閉症スペクトラム症の行動パターンを行う人物を記述した文 (ASD文)と、自閉症スペクトラム症ではない行動パターンを行う人物を記述した文(TD文)を読んでもらい、書かれた内容が自分に当てはまるか (自己判断課題)、自分と似ているか (他者判断課題)を、MR室内で判断していただいた。その結果、ASDがある方々はASD文を判断する際に、TDの方々はTD文を判断する際に、共感や自己意識と関連する腹内側前頭前野が活動することがわかった。ASDがある方でも、ASD特徴がある他者に対してはよく共感できるということ示した。
14/11/10 ATR
「強迫症における前頭皮質-線条体回路の線維分布と結合性の異常」
"Altered Fronto-Striatal Fiber Topography and Connectivity in Obsessive-Compulsive Disorder.(T. Nakamae et al.)"-PLoS ONEにて掲載(ATR・中前客員研究員他)

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<概要>
強迫症患者と健常者を対象に拡散強調画像を撮像し、確率論的トラクトグラフィーを用いて、前頭皮質と線条体を結ぶ線維を描出した。強迫症は健常者と比べて、眼窩前頭皮質と線条体とを結ぶ線維が、線条体のより背側に分布し、かつ、構造的結合性の強さの指標となるFractional Anisotropy(FA) 値が有意に高かった。眼窩前頭皮質と線条体を結ぶ線維の異常が強迫症の病態生理に関わっている可能性が示唆された。
14/11/10 京都大学
「統合失調症の視覚処理と社会認知-眼球運動、biological motion知覚、共感の関連性から」
"Visual processing and social cognition in schizophrenia: Relationships among eye movements, biological motion perception, and empathy. (Y. Matsumoto et al.)"-Neuroscience Researchにて掲載(京大・松本研究員、高橋准教授他)

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<概要>
統合失調症では視覚的注意、知覚、社会認知など異なるレベルの認知機能が障害されるが、相互の関連性は明らかでない。本研究ではこの関連性を調べるため、眼球運動と高次社会認知に関わるbiological motion知覚に着目した。17名の統合失調症患者と18名の健常者を対象に、biological motion課題施行時の眼球運動を測定し、眼球運動、biological motion知覚、および両者と共感との相関を評価した。患者は注視時間が長く、注視時間が長いほど正答率が高かった。さらに、正答率および眼球運動指標と、共感指標に相関が認められた。統合失調症の注視パターンは、トップダウン注意が代償性に働くことを示唆する。また、眼球運動異常はbiological motion知覚、ひいては社会認知の障害につながると考えられる。
14/11/10 東京大学
「日本の脳画像研究における偶発的所見の対処法」
"Handling incidental findings in neuroimaging research in Japan: current state of research facilities and attitudes of investigators and the general population. (M. Fujita et al.)"-Health Research Policy and Systemsにて掲載(東大・中澤助教他)

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<概要>
脳画像研究に関する偶発的所見対処法の開発に向け、偶発的所見対処の実情と望ましい対処法について脳プロ参画研究者および一般成人を対象に調査を行った(2010年)。その結果、研究者よりも一般成人の方がより手厚い対処を望み、また、非医学系機関よりも医学系機関でより手厚い対処が望まれることが分かった。
14/11/06 名古屋大学   名古屋大学
「記憶に関係する新たな分子メカニズムを解明」
"Girdin Phosphorylation Is Crucial for Synaptic Plasticity and Memory: A Potential Role in the Interaction of BDNF/TrkB/Akt Signaling with NMDA Receptor. (T. Nakai et al.)"-The Journal of Neuroscienceにて掲載(名大・永井准教授、山田教授他)
(日本語)
(English)
11/9 日本経済新聞 電子版にて掲載「記憶形成・維持の物質特定 名古屋大「認知症診断に活用も」 」
11/10 産経ニュースにて掲載「認知症新薬に道 記憶関わるタンパク質特定 名古屋大院グループら」
11/11 中日新聞 CHUNICHI Webにて掲載「脳内タンパク質 記憶形成に役割 名大教授らマウス実験で発見」
11/12 QLife Proにて掲載「記憶に関わる新たな分子メカニズムを発見-名大」

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<概要>
シナプス可塑性とは神経活動に依存して、化学的または電気的な信号伝達の効率を長期的に変える能力であり、特に海馬神経細胞は様々な記憶の形成に関与していると考えられている。本研究により記憶に関わる新たな分子としてGirdinを同定し、神経活動依存的なGirdinのリン酸化はシナプスの構造的および機能的な修飾と長期記憶の形成に関与していることを示した。本研究成果は神経精神疾患に認められる記憶障害の病態解明だけではなく、新規の治療薬や診断方法の開発に役立つことが期待される。
14/10/31 東京大学、名古屋大学、金沢大学、福井大学
「自閉スペクトラム症へのオキシトシン経鼻スプレーの治療効果を検証する臨床試験をスタートします」
課題F・発達障害研究チームの4大学による医師主導臨床試験を開始しました。
自閉スペクトラム症へのオキシトシン経鼻スプレー 臨床試験参加募集について
(東京大学)
(名古屋大学)
(金沢大学)
(福井大学)
10/30 時事ドットコムにて掲載「自閉症患者にホルモン投与=臨床研究実施へ-東大など」
10/30 毎日新聞 電子版にて掲載「自閉症:コミュニケーション障害改善へホルモン投与臨床」
10/30 共同通信47NEWSにて掲載「自閉症障害の臨床研究 ホルモン投与、東大など」
10/31 朝日新聞DIGITALにて掲載「点鼻薬でアスペルガー改善 臨床試験、東大などが開始へ」
10/31 朝日新聞朝刊 35面にて掲載「点鼻薬でアスペルガー改善 臨床試験、東大などが開始へ」
10/31 NHK NEWSwebにてニュース映像が掲載「自閉症治療効果調べる臨床試験」
10/31 北陸中日新聞 3面にて掲載「コミュニケーション障害治療 愛情ホルモン点鼻 金大など臨床試験」
10/31 北國新聞 39面にて掲載「自閉症障害治療 金大など臨床研究 ホルモン投与」
10/31 福井新聞朝刊 30面にて掲載「自閉症スペクトラム障害 福井、東京など4大学 治療確立へ共同研究 ホルモン投与、効果検証」
10/31 中日新聞朝刊 3面にて掲載「コミュニケーション障害治療 愛情ホルモン点鼻 名大など臨床試験」
11/1 日本経済新聞 電子版にて掲載「自閉症障害治療、ホルモンを投与 東大など臨床研究」
11/1 朝日新聞朝刊にて掲載「アスペルガー 点鼻薬で研究 名大など 臨床参加者を募集」
11/1 YOMIURI ONLINEにて掲載「自閉症改善へ臨床研究...東大など4大学」
11/1 読売新聞夕刊 14面にて掲載「自閉症改善へ臨床研究 東大など ホルモン投与で効果期待」
11/1 北海道新聞朝刊 29面にて掲載「自閉症にホルモン治療薬 東大など臨床研究へ」
11/2 毎日新聞朝刊 6面にて掲載「自閉症改善 ホルモン投与 東大など臨床試験へ」
11/2 日本経済新聞朝刊 34面にて掲載「自閉症障害治療 ホルモンを投与 東大など臨床研究」
11/6 DIAMOND onlineにて掲載「東大らが「自閉症スペクトラム」への臨床試験開始
経鼻スプレーでコミュニケーション改善への期待」

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14/10/27 名古屋大学、藤田保健衛生大学   理化学研究所   国立精神・神経医療研究センター   名古屋大学
「統合失調症発症に強い影響を及ぼす遺伝子変異を、神経発達関連遺伝子のNDE1内に同定した」
"Identification of Rare, Single-Nucleotide Mutations in NDE1 and Their Contributions to Schizophrenia Susceptibility. (H. Kimura et al.)"-Schizophrenia Bulletinにて掲載(名大・木村医員、Aleksic特任准教授、尾崎教授、藤田保健衛生大・岩田教授、理研・吉川チームリーダー、国立精神・神経医療研究センター・功刀部長、名大・貝淵教授他)
(日本語)
(English)

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<概要>
統合失調症の発症に強く関わる、稀なゲノムコピー数変異(CNV)着目されているが、その一つ、Chr16p13.11領域のCNVが含む神経発達関連遺伝子NDE1を標的として遺伝子変異を探索した。その結果、統合失調症患者群に有意に多く存在する稀なアミノ酸配列変異として、S214FとR234Cを同定した。In vitro機能解析により、S214Fの発症リスクアレルFは、神経細胞の軸索伸長機構と関連する14-3-3εとの相互作用の低下、さらに軸索伸長の減少を来すことが明らかになった。
14/10/24 自治医科大学   東北大学
「オキシトシンの摂食抑制作用の新経路:摂食中枢の逆向き神経回路を発見しました」
"Oxytocinergic circuit from paraventricular and supraoptic nuclei to arcuate POMC neurons in hypothalamus. (Y. Maejima et al.)"-FEBS Lettersにて掲載(自治医科大・前島助教、矢田教授、東北大・西森教授他)

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<概要>
脳視床下部において、神経情報は一次中枢弓状核(ARC)から二次中枢室傍核(PVN)へ伝達されると考えられている。本研究は、これと反対の、二次中枢から一次中枢への神経伝達を検討した。Oxtの脳室内投与は弓状核プロオピオメラノコルチン(POMC)ニューロンを活性化し、弓状核局所投与は摂食を抑制した。Oxt添加は、単離した弓状核 POMCニューロンを活性化した。二次中枢室傍核のOxtニューロンが弓状核に投射し、神経終末がPOMCニューロンに接触していることが組織学的に明らかになった。本研究は、室傍核 Oxtニューロンが弓状核に投射する、新しい摂食抑制神経回路を解明した。これは、教科書的な情報の流れと反対の神経回路の発見である。これがOxtの摂食抑制のみならず、社会性行動などにも関与している可能性がある。
14/10/23 関連ニュースを更新しました

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14/10/23 国立精神・神経医療研究センター
「FKBP5の機能多型rs1360780は高齢一般成人(>50歳)の認知機能を障害する」
"The common functional FKBP5 variant rs1360780 is associated with altered cognitive function in aged individuals. (T. Fujii et al.)"-Scientific Reportsにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・藤井研究員、功刀部長他)

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<概要>
ストレス脆弱性を規定するグルココルチコイド受容体シグナルのシャペロン分子FKBP5の機能多型rs1360780 (C/T)と認知機能(ウエクスラー記憶検査と成人知能検査成績)との関係について、およそ700人の一般成人(健常者)を対象として検討した結果、高齢群(>50歳)では、ストレス脆弱性アリルTをもつ者は、もたない者と比較して作動記憶の成績が低く、注意/集中力が低下していることを明らかにした。
14/10/14 慶應義塾大学
「リーリン受容体ApoER2 及び VLDLRは、発生期マウス大脳皮質においてそれぞれ空間及び時間的に特有の発現様式を示す」
"Reelin receptors ApoER2 and VLDLR are expressed in distinct spatiotemporal patterns in developing mouse cerebral cortex. (Y. Hirota et al.)"-Journal of Comparative Neurologyにて掲載(慶應大・廣田助教、仲嶋教授他)

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<概要>
脳の発生を制御し、様々な環境要因によってその発現が変化するリーリンは、遺伝要因と環境要因の相互作用が脳の発生発達過程に与える影響を理解する上で鍵となる分子の一つと考えられる。リーリンには、その受容体としてApoER2とVLDLRが存在するが、これまでそれらのRNAの発現分布は知られていたもののタンパク質の分布はよくわかったいなかった。本研究では、それぞれに対するモノクローナル抗体を作成し、大脳皮質を中心に発生過程の分布を詳細に調べた。その結果、ApoER2は多極性細胞蓄積帯の多極性移動ニューロンに主に局在し、VLDLRは放射状移動の終点近くの移動ニューロンの先導突起先端近くに局在することを見いだした。特に後者についてはタンパク質に翻訳後に突起先端に運搬される可能性が示され、リーリンの作用部位が先導突起にあることが示された。
14/10/07 国立精神・神経医療研究センター
「Cocaine- and amphetamine-regulated transcript ペプチドの側坐核局所注入による不安様行動の調節」
"Microinjection of cocaine- and amphetamine-regulated transcript 55-102 peptide into the nucleus accumbens could modulate anxiety-related behavior in rats. (HS. Yoon et al.)"-Neuropeptidesにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・功刀部長他)

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<概要>
Cocaine- and amphetamine-regulated transcript(CART)は、食欲や情動を調節する鍵分子の1つである。CARTペプチドは側坐核内に豊富に発現しているが、これが情動に与える影響を調べるために、ラットの両側側坐核にCARTペプチドを局所投与し、行動観察を行った。その結果、オープンフィルド試験や明暗箱試験において容量依存的に不安様行動の減少が観察された。以上から、側坐核内におけるCARTペプチドは不安様行動調節効果をもつことが示唆された。
14/10/07 国立精神・神経医療研究センター
「寛解状態の単一エピソード及び反復性大うつ病性障害患者のパーソナリティ特性」
"Personality in remitted major depressive disorder with single and recurrent episodes assessed with the Temperament and Character Inventory. (T. Teraishi et al.)"-Psychiatry and Clinical Neurosciencesにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・寺石研究生、功刀部長他)

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<概要>
大うつ病性障害の発症には、病前性格が関与することが知られているが、再発要因となるか否かについてはよくわかっていない。われわれは、寛解状態にある大うつ病性障害患者86名(単一エピソード群 29名、反復群 57名)、健常者 529名に対しクローニンジャーの気質性格検査(Temperament and Character Inventory)を施行した。先行研究と一致して、寛解状態にある大うつ病患者全体は健常者と比較して、有意に「損害回避」が高く、「自己志向」が低かった。次に単一エピソード群と反復エピソード群を比較したところ、損害回避とその下位項目である易疲労性 、さらに家族歴が反復性の予測因子となった。強い損害回避と易疲労性は、再発リスクの予測因子となることが示唆された。
14/10/06 理化学研究所    浜松医科大学
「自閉症におけるエピジェネティックス関連遺伝子の解析」
"Exon resequencing of H3K9 methyltransferase complex genes, EHMT1, EHTM2 and WIZ, in Japanese autism subjects. (S. Balan et al.)"-Molecular Autismにて掲載(理研・吉川チームリーダー、浜松医大・森教授他)

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<概要>
自閉症の発症機構にエピジェネティックスのメカニズムが指摘されている。今回我々は、ヒストンH3のメチル化に関与する3種類の酵素GLP(EHMT1), G9a(EHMT2), WIZをコードする遺伝子群の解析を行った。その結果、①自閉症のみにEHMT1アンキリンリピートドメインのLys968Arg変異、EHMT2 SETドメインのThr961Ile変異、を見出した、②末梢リンパ球でのEHMT2の発現レベルは自閉症で増加していた、③自閉症死後脳における3つの遺伝子の発現レベルには変化がなかった、等の所見を得た。ヒストンH3のメチル化は、自閉症病理に関連している可能性があると考えられた。
14/10/02 金沢大学
「c-Fosタンパク質発現からみた母親との交流により誘導される父親養育行動に関与する脳」
"c-Fos expression in the paternal mouse brain induced by communicative interaction with maternal mates. (J. Zhong et al.)"-Molecular Brainにて掲載(金沢大・東田特任教授他)

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<概要>
親子の関係で愛着が形成される。愛着形成の障害でもある自閉症にとって、親子関係を研究することは大事である。ICR系マウスの父親が母親からの情報で仔育てする脳回路をc-Fosタンパク質を指標に研究した。父親でも内側視索前野-腹側被蓋野-側坐核-淡蒼球という回路が活性化された。養育行動には父親でも母親と同じ回路が関与することが判明した。
14/09/30 国立精神・神経医療研究センター
「睡眠不足による眠気は恐怖のサブリミナル信号に対する扁桃体活動を増強する」
"Sleepiness induced by sleep-debt enhanced amygdala activity for subliminal signals of fear. (Y. Motomura et al.)"-BMC Neuroscienceにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・元村研究員、三島部長他)

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<概要>
睡眠不足のシミュレート試験により、眠気が強くなると意識上の視覚処理機能(網膜ー視覚野ー扁桃体)が低下するのに相反して、無意識的な視覚処理機能(網膜ー視覚野ー扁桃体)が高まり、サブリミナル呈示された恐怖画像に対する扁桃体の反応性が亢進することを明らかにした。この現象は、睡眠不足が恒常化している現代人の情動制御に不安定性をもたらしている可能性がある。
14/09/26 東京大学、京都大学
「ドーパミンの脳内報酬作用機構を解明 〜依存症など精神疾患の理解・治療へ前進〜」
"A critical time window for dopamine actions on the structural plasticity of dendritic spines. (S. Yagishita et al.)"Scienceにて掲載(東大・柳下特任助教、河西教授、京大・石井教授他)

9/29 財経新聞にて掲載「東大、ドーパミンの報酬作用機構を解明 依存症などの治療法開発に期待」
9/29 Science Portalにて掲載「『パブロフの犬』の脳内の仕組み解明」
9/29 ASCIIデジタルにて掲載「東大、「パブロフの犬」のしくみを解明」
10/3 The Huffington Postにて掲載「『パブロフの犬』の脳内の仕組み解明」

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<概要>
行動に連接する報酬により強化が起きることは100年以上前から知られているが、その神経基盤は不明であった。今回、報酬学習の中枢である側坐核の神経細胞の単一スパインシナプスを活性化後に様々なタイミングでドーパミンを与えた所、シナプス活性化直後にドーパミンが与えられた時にのみ、スパイン増大が生じることを発見し、分子機構も明らかにした。このスパイン増大を強化する時間特性によりドーパミンは報酬信号として働くと考えられた。
14/09/26 名古屋大学  名古屋大学
「DISC1遺伝子のエキソン2および3の欠損を伴う変異マウスにおけるGABAおよびドパミン作動性神経系の変化」
"Alterations of GABAergic and dopaminergic systems in mutant mice with disruption of exons 2 and 3 of the Disc1 gene. (T. Nakai et al.)"-Neurochemistry Internationalにて掲載(名大・山田教授、永井准教授、貝淵教授他)

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<概要>
Disrupted-in-Schizophrenia-1(DISC1)は、スコットランドの精神疾患を多発する家系の遺伝学的解析により同定された遺伝子であり、統合失調症やうつ病などとの関連が報告されている。我々は、DISC1遺伝子の一部が欠損した変異 (DISC1Δ2-3/Δ2-3) マウスが不安の減少や衝動性の亢進などの情動行動の異常を示すことを以前に報告している。本研究では、雌性マウスにおいて、DISC1Δ2-3/Δ2-3はGABA作動性神経系の低下およびDA作動性神経系の亢進を引き起こすことを明らかにした。
14/09/22 国立精神・神経医療研究センター
「うつ病における血漿中L-トリプトファン濃度:自験データとメタアナリシス」
"Plasma l-Tryptophan Concentration in Major Depressive Disorder: New Data and Meta-Analysis. (S. Ogawa et al.)"-Journal of Clinical Psychiatryにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・小川研究員、功刀部長他)

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<概要>
トリプトファンは、セロトニン、キヌレニンの前駆体であり、これらの分子はうつ病の病態に関与することが指摘されている。うつ病患者では血漿トリプトファン濃度が低下していることが古くから報告されているが、結果は必ずしも一致していない。そこで我々は、自験例のうつ病患者66名/健常者82名でトリプトファン値を比較したところ、患者群で有意に低下していた。さらに24の先行研究のメタアナリシスの結果でも、健常者群(N=793)と比較して患者群(N=744)で有意な低下を示し(P=0.00006)、特に非服薬患者群(N=156)において差が大きかった(Hedges's g: -0.84, P=0.00015)。本研究から、うつ病患者では血漿中トリプトファン値が低下していると結論され、バイオマーカーとして有用であることが示唆された。(メタアナリシスは本研究が世界初)
14/09/18 東京医科歯科大学、東京大学
「アルツハイマー病の発症前・超早期病態を部分的に解明 -アルツハイマー病の治療に道筋-」
"Comprehensive phosphoproteome analysis unravels the core signaling network that initiates the earliest synapse pathology in preclinical Alzheimer's disease brain. (K. Tagawa et al.)"-Human Molecular Geneticsにて掲載(東京医科歯科大・田川准教授、本間特任助教、岡澤教授、東大・岩坪教授他)

9/17 共同通信47NEWSにて掲載「アルツ発症前にタンパク質異常 東京医科歯科大が発見」
9/17 msn産経ニュースにて掲載「発症前にタンパク質異常 アルツハイマー病」
9/17 山陽新聞 岡山医療ガイドにて掲載「アルツ発症前にタンパク質異常 東京医科歯科大が発見」
9/18 日刊工業新聞Business Lineにて掲載「アルツハイマー発症前の神経変化、17種のたんぱく質が関与-東京医科歯科大」
9/18 日刊工業新聞 23面にて掲載「アルツハイマー発症前の神経変化、17種たんぱく質関与-東京医科歯科大」
9/18 日本経済新聞 電子版にて掲載「アルツハイマー病、発症前に脳内たんぱく質が変化」
9/18 日本経済新聞夕刊 12面にて掲載「アルツハイマー病 発症前に脳のたんぱく質 変化、東京医歯大」
9/18 マイナビニュースにて掲載「アルツハイマー病の治療法開発に期待 -TMDU、発症前の病態変化の一端を解明」
9/18 東奥日報朝刊 22面にて掲載「アルツハイマー病、発症前にタンパク質異常、東京医科歯科大発見、早期診断に期待」
9/18 日経産業新聞 10面にて掲載「アルツハイマー発症前の病態、脳内の化学反応発見、東京医科歯科大」
9/18 北海道新聞朝刊 35面にて掲載「アルツハイマー早い段階で異常、発症前 脳のタンパク質に、東京医科歯科大」
9/18 愛媛新聞朝刊 7面にて掲載「アルツハイマー病 発症前の脳細胞 タンパク質異常、東京医科歯科大分析」
9/20 財経新聞にて掲載「東京医科歯科大、アルツハイマー病発症前の超早期病態の一部を解明」
9/21 NHK NEWSwebにてニュース映像が掲載されています「アルツハイマー病 脳内神経細胞に異常」
10/16 毎日新聞 15面にて掲載「アルツハイマーに早期病態」

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<概要>
アルツハイマー病(AD)研究では、発症後のアミロイド抗体療法の失敗を受けて、早期病態の重要性が増々重要視されている。本研究ではADモデルマウス4種とヒト患者死後脳を用いてリン酸化タンパク質の網羅的質量解析を行った。病態下で変動するリン酸化タンパク質を、スーパーコンピュータを用いてタンパク質間相互作用(PPI)データベースに重層して病態シグナルネットワークを作成し、さらにモデル間あるいはヒトーマウス間の共通性および時間的変動を解析した。その結果、シナプス機能に深く関連する17個のタンパク質からなるコア病態ネットワークを発見した。その一部はアミロイド凝集に先駆けてリン酸化の変動を示し、これを標的としたリン酸化阻害剤あるいは遺伝子ノックダウンによってモデルマウスのスパイン形態異常が改善した。

14/09/18 関連ニュースを更新しました

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14/09/17 国立精神・神経医療研究センター
「統合失調症における自殺企図の既往と統合失調型パーソナリティ傾向の関連」
"Relationship between Lifetime Suicide Attempts and Schizotypal Traits in Patients with Schizophrenia. (T. Teraishi et al.)"-PLoS ONEにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・寺石研究生、功刀部長他)

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<概要>
統合失調症患者は自殺率が高く、様々な危険因子が研究されているが、パーソナリティーとの関連を調べた研究は少ない。今回、87名の統合失調症患者と322名の健常者を対象に統合失調症型パーソナリティに関してSchizotypal Personality Questionnaire (SPQ)を用いて検討した。自殺企図歴の有無により、統合失調症を二群に分けて解析したところ、合計得点及び「対人関係」と「解体症状」の2因子について、有意差を認めた。ROC解析により最適のカットオフ値を設定したところ、強い予測因子となることが示唆された(p = 0.002, オッズ比: 4.7, 95%信頼区間: 1.8-12.1, 感度 0.70, 特異度 0.67)。以上より、統合失調型パーソナリティ傾向は、統合失調症における自殺企図の既往と関連しており、自殺企図のリスク評価のために有用であることが示唆された。
14/09/12 理化学研究所    浜松医科大学
「頭皮の毛根細胞を利用した精神疾患の診断補助バイオマーカーの発見 -統合失調症や自閉症の診断に役立つ可能性-」
"Utility of Scalp Hair Follicles as a Novel Source of Biomarker Genes for Psychiatric Illnesses. (M. Maekawa et al.)"-Biological Psychiatryにて掲載(理研・前川研究員、吉川チームリーダー、浜松医大・森教授他)

9/16 財経新聞にて掲載「理研、頭皮の毛根細胞を精神疾患の診断補助に利用できることを明らかに」
9/16 マイナビニュースにて掲載「理研、毛根に統合失調症や自閉症を診断する指標となる遺伝子を発見」
9/16 Science Portalにて掲載「頭の毛根細胞に精神疾患の指標を発見」
9/24 日刊工業新聞Business Lineにて掲載「理研、頭皮毛根細胞で精神疾患を診断-特徴的に増減する遺伝子特定」
9/24 日刊工業新聞朝刊 18面にて掲載「頭皮毛根細胞で精神疾患を診断 理研が遺伝子特定」
10/9 フジサンケイビジネスアイにて掲載「頭皮の毛根細胞で精神疾患を診断」

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<概要>
精神疾患は病因が多様であり、「病名」の生物学的根拠も不明な部分が多く、感受性・特異性に優れたバイオマーカーを生体から簡便かつ非侵襲的に開発することは非常な困難であった。我々は毛髪が脳と同じ外胚葉由来であることに着目し、統合失調症・自閉症で毛髪での遺伝子発現を解析した。その結果、統合失調症では罹病期間等の交絡因子に影響されず、FABP4遺伝子の発現量が約40%低下していた(感受性71.8%、特異性66.7%)。自閉症ではCNTNAP2遺伝子発現が有意に低下していた。特にFABP4の場合、統合失調症の顕在発症前のマーカーになり得るか、FABP4は分子病理の集約点の1つになり得るか、今後検討が必要と考える。
14/09/11 大阪大学
「重症の筋萎縮性側索硬化症患者はブレイン・マシン・インターフェイスに対して幅広く高い期待を有する」
"Severely affected ALS patients have broad and high expectations for brain-machine interfaces. (Y. Kageyama et al.)"-Amyotrophic Lateral Sclerosis and Frontotemporal Degenerationにて掲載(阪大・平田特任准教授、吉峰教授他)

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<概要>
ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)に対する患者の関心についてはこれまで殆ど調査されていない。我々は77名の重症筋萎縮 性側索硬化症(ALS)患者に対しアンケート調査を行い、BMIに対する関心や要望を調査した。回答率は48%で人工呼吸器装着率は78%であった。意思疎通にストレスを感じる患者が8割以上見られ、半数以上の患者がBMIへの関心を示した。BMIに対する要望は多岐にわたったが、意思疎通が最優先事項であった。BMIの実用化にあたってはこうした患者の期待にそった装置を開発する必要がある。
14/09/10 国立精神・神経医療研究センター
「国立精神・神経医療研究センター・三島和夫部長らの研究グループが、睡眠・覚醒リズム異常に関連する遺伝子の違いを同定」
"Screening of Clock Gene Polymorphisms Demonstrates Association of a PER3 Polymorphism with Morningness-Eveningness Preference and Circadian Rhythm Sleep Disorder. (A. Hida et al.)"-Scientific Reportsにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・肥田室長、三島部長他)

9/9 日経プレスリリースにて掲載「国立精神・神経医療研究センター、睡眠・覚醒リズム異常に関連する遺伝子の違いを同定」
9/10 財経新聞にて掲載「睡眠・覚醒リズム異常に関連する遺伝子が明らかに」

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<概要>
生物時計は、睡眠、体温、ホルモン分泌など行動や生理活動に見られる約24時間周期の概日リズムを制御し、クロノタイプ(朝型夜型)や睡眠習慣に影響する。本研究では、概日リズム睡眠障害(睡眠相後退型182名、フリーラン型67名)および健常者925名を対照として、時計遺伝子PER1、PER2、PER3、TIM、CLOCK、NPAS2、CRY2の網羅的な多型タイピングを行った。その結果、PER3の遺伝子多型(rs228697、マイナーアリル)が夜型指向性とフリーラン型と有意に関連することが明らかとなった。時計遺伝子PER3は個人のリズム特性やその脆弱性を推定する有用な遺伝子マーカーとなる可能性がある。
14/09/08 国立精神・神経医療研究センター
「精神疾患における脳血流量と脳内温度との関連パターンの相違」
"Altered coupling of regional cerebral blood flow and brain temperature in schizophrenia compared with bipolar disorder and healthy subjects. (M. Ota et al.)"-Journal of Cerebral Blood Flow & Metabolismにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・太田室長、功刀部長他)

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<概要>
統合失調症では体温調整障害がみられることが知られている。そこで、われわれはMRIを用いて統合失調症、双極性障害患者および健常被験者の脳内温度を測定し、その差異を検討した。また脳血流量と脳内温度との関連についても検討を行った。慢性期の男性統合失調症患者22名、19名の双極性障害患者、23名の男性健常者を対象にMRIを撮影し、DWI (diffusion-weighted imaging)より側脳室内の温度を、ASL(arterial spin labelling)により脳血流量を測定した。3群間の側脳室内温度には差異は認められなかった。しかし、脳血流量と脳室内温度の関連を検討したところ、健常群、双極性障害患者群では正の相関を認めたが、統合失調症患者では負の相関を認めた。脳室内温度は脳糖代謝率や脳血流に密接に関係しており、今回の結果から統合失調症患者では脳内温度調節も障害されていることが示唆された。
14/09/03 慶應義塾大学
「Cdk5とその基質であるDCX及びp27kip1は、移動神経細胞の先導突起近位部の拡張と核の伸長を制御する」
"Cdk5 and its substrates, Dcx and p27kip1, regulate cytoplasmic dilation formation and nuclear elongation in migrating neurons. (Y. V. Nishimura et al.)"-Developmentにて掲載(慶應大・仲嶋教授他)

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<概要>
神経細胞移動は、哺乳類特有の大脳皮質6層構造の形成において大変重要な過程である。移動する神経細胞は、まず先導突起の近位部において細胞質の一部が拡張し、その後に核が伸長して、前方へと移動する。しかしながら、これらの現象の分子機構は不明であった。本研究では、発生期大脳皮質の移動神経細胞を可視化し、その形態変化に影響を与える細胞内経路を検索することによって、その先導突起近位部の拡張や核の形態変化がCdk5によって制御されていることを見いだした。Cdk5は、エンドサイトーシス経路や微小管の制御を介してこれらの現象を担っていると考えられた。
14/09/01 関連ニュースを更新しました

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14/08/29 国立精神・神経医療研究センター
「FKBP5の機能多型rs1360780が脳構造に及ぼす影響の解析」
"Association between the common functional FKBP5 variant (rs1360780) and brain structure in a non-clinical population. (T. Fujii et al.)"-Journal of Psychiatric Researchにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・藤井研究員、功刀部長他)

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<概要>
FKBP5 (FK506 binding protein)は、ストレス応答系においてグルココルチコイド受容体(GR)の核内移行を阻害し、ストレスホルモン(コルチゾール)分泌を調節するシャペロン分子である。そして、FKBP5遺伝子の一塩基多型rs1360780(C/T)のマイナーアリルTは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の危険アリルとされている。最近我々は、このTアリルが視床下部ー下垂体ー副腎系(HPA系)の過抑制と関係することを明らかとしている。本研究では、一般成人(健常者)を対象とし、構造MRIによってTアリルが脳構造に与える影響について調べた。その結果、アリルTをもつ者は、もたない者と比較して、前部帯状回の灰白質容積が小さく、また前部帯状回と後部帯状回における白質繊維の整合性が低かった。これらの領域の変化はPTSD患者においてもよくみられることから、Tアリルの存在がPTSD発症リスクを高める脳基盤となる可能性が示唆された。
14/08/29 国立精神・神経医療研究センター
「デキサメサゾン投与による血液中レジスチン蛋白濃度及びmRNA発現量の増加」
"Increased Protein and mRNA Expression of Resistin After Dexamethasone Administration. (D. Sasayama et al.)"-Hormone and Metabolic Researchにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・篠山客員研究員、功刀部長他)

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<概要>
身体的に健康な対象者24名において、ベースライン及びデキサメサゾン(合成グル子コルチコイド)経口投与後の全血中mRNA発現量をマイクロアレイで解析したところ、耐糖能異常において重要な役割を果たすレジスチンの発現量がデキサメサゾン投与後に有意に増加していた。別の対象者12名においてベースライン及びデキサメサゾン経口投与後の血漿レジスチン濃度を測定したところ、デキサメサゾン投与後に有意な増加を認めた。RETN rs3219175のAアレルを保有する対象者は非保有者と比較して、全血中のレジスチンmRNA発現量及び血漿中レジスチン蛋白濃度が有意に高かったが、デキサメサゾン投与はいずれのrs3219175遺伝子型においても血中レジスチン濃度を増加させることが示された。本研究結果から、耐糖能異常の分子基盤としてストレスホルモンと遺伝子多型との相互作用が関与する可能性が示唆された。
14/08/26 名古屋大学
「ブロナンセリンはフェンシクリジンによって惹起される視覚認知記憶障害を改善する:前頭前皮質におけるドパミンD3-セロトニン5-HT2AおよびドパミンD1-NMDA受容体に関与するブロナンセリンの作用の複合機構」
"Blonanserin Ameliorates Phencyclidine-Induced Visual-Recognition Memory Deficits: The Complex Mechanism of Blonanserin Action Involving D3-5-HT2A and D1-NMDA Receptors in the mPFC. (H. Hida et al.)"-Neuropsychopharmacologyにて掲載(名大・尾崎教授他)

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<概要>
フェンシクリジン連続投与統合失調症モデルマウスに生じる認知機能障害に対して、5-HT2A受容体よりD2およびD3受容体への親和性が高いという特徴を有する抗精神病薬、ブロナンセリンの作用およびその作用機序について検討した。その結果、ブロナンセリンは認知機能障害を改善し、作用機序として前頭前皮質における5-HT2A受容体およびD3受容体を介する細胞外ドパミン遊離量の増加が引き起こすD1受容体-PKAシグナル伝達系の活性化に伴うNMDA 受容体シグナル伝達系亢進が関与していることを見出した。
14/08/25 東京大学
「社会的感情を類推する際の自閉症的困難さが、オキシトシンによって行動レベルでも神経レベルでも改善する」
"Oxytocin improves behavioural and neural deficits in inferring others' social emotions in autism. (Y. Aoki et al.)"-Brainにて掲載(東大・八幡特任助教、山末准教授、笠井教授他)
**本論文は、Oxford University Pressのブログ "OUPblog"に取り上げられました**

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<概要>
今回我々は、自閉症スペクトラム障害の当事者が困難を示す、表情や声色と言った直接的な情動を示す情報がない条件下で行う他者の感情の推測に対して、オキシトシン経鼻剤の単回投与が有意に改善させることを示した。また、同障害の当事者ではこうした他者の感情の類推の際に前部島皮質の脳活動が減弱していたが、オキシトシン投与によってこの脳活動も有意に回復していた。こうした行動や脳活動のレベルでの改善効果は他者の意図の推測に対しては認めなかった。今回の結果から、これまで報告が無かった、直接的な情動の情報がない条件下で行う他者の感情の推測の困難さに対しても、オキシトシンの投与効果が期待出来ることが示された。

14/08/22 沖縄科学技術大学院大学
「「あきらめない」の鍵はセロトニン」
"Optogenetic Activation of Dorsal Raphe Serotonin Neurons Enhances Patience for Future Rewards. (K. W. Miyazaki et al.)"-Current Biologyにて掲載(沖縄科学技術大学院大・宮崎佳代子研究員、宮崎勝彦研究員、銅谷教授他)
(日本語)
(English)
8/22 時事ドットコムにて掲載「諦めず待つ行動促す=脳内のセロトニン-沖縄科技大など」
8/22 日本経済新聞 電子版にて掲載「脳内物質セロトニンが「辛抱強さ」促す 沖縄科技大など実験」
8/24 財経新聞にて掲載「沖縄科技大、セロトニンの働きが我慢強さに関与していることを明らかに」

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<概要>
光遺伝学技術を用いてマウスが遅延報酬を待っている期間に背側縫線核のセロトニン神経活動を選択的に増大させると、遅延報酬を待つことをあきらめる回数が減少し、報酬がもらえない試行ではあきらめずに待っている時間が延長することを見出した。これらの結果は、セロトニン神経活動が報酬待機における辛抱強さの調節をダイナミックに行っていることを示している。
14/08/22 東京大学
「自閉症モデルマウスに共通の脳神経回路の変化が明らかに」
"Enhanced synapse remodelling as a common phenotype in mouse models of autism. (M. Isshiki et al.)"-Nature Communicationsにて掲載(東大・岡部教授他)

8/22 日経プレスリリースにて掲載「東大、自閉症モデルマウスに共通の脳神経回路の変化を解明」
8/24 財経新聞にて掲載「東大、自閉症マウスは神経細胞の繋がりが過剰に形成・消失していることを明らかに」

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<概要>
自閉症スペクトラム障害は、社会コミュニケーションの障害などを特徴とし生後早期から発症する原因不明の疾患である。この疾患特異的な脳の変化を見出すため、自閉症モデルマウスを用いて成長過程の脳での神経細胞同士のつながり(シナプス)の変化を計測した。3種類の全く異なる遺伝的な背景を持つモデルマウスの神経回路を調べた結果、共通してシナプスが過剰に形成・消失していくことが分かった。自閉症スペクトラム障害に対する薬剤の効果の指標などとして今回の発見は役立つものと期待される。
14/08/20 東京大学
「幼若期の社会的隔離ストレスが引き起こす雄マウスの行動の劣位性 -社会的に隔離された雄マウスは競争心が弱い-」
"Early deprivation induces competitive subordinance in C57BL/6 male mice. (S. Benner et al.)"-Physiology & Behaviorにて掲載(東大・ベナー大学院生、掛山客員研究員、遠山教授他)

8/19 日経プレスリリースにて掲載「東大、幼若期のストレスが脳発達に与える影響を動物を用いた実験で解明」
8/21 財経新聞にて掲載「東大、幼若期のストレスが脳の発達に与える影響を明らかに」
8/25 リセマムにて掲載「東大、幼若期ストレスが社会性に与える影響を証明」

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<概要>
幼少期の虐待やネグレクト(育児放棄)などのストレスは、将来の人格形成に大きな影響を及ぼす。今回の論文では、授乳期のマウスに対して社会的隔離ストレスを与えることで、前頭前皮質、海馬、扁桃体の遺伝子発現レベルに異常が現れ、成長後の競争 的環境下における行動の劣位性が引き起こされることを明らかにした。このことは幼少期ストレスが将来の社会的行動を規定する一要因であることを示している。
14/08/20 生理学研究所
「生まれつき目が見えなくても、 相手の手の動作を認識するための脳のネットワークは形成される」
"The Brain Network Underlying the Recognition of Hand Gestures in the Blind: The Supramodal Role of the Extrastriate Body Area. (R. Kitada et al.)"-The Journal of Neuroscienceにて掲載(生理研・北田助教、定藤教授他)

8/20 マイナビニュースにて掲載「目が見えなくても脳部視覚野の一部は他者の動作を認識すると判明- 生理研」
8/20 日経プレスリリースにて掲載「生理学研究所、目が見えなくても相手の手の動作を認識するための脳のネットワークは形成」
8/21 Science Portalにて掲載「見えなくても手の動きは脳でわかる」
8/21 財経新聞にて掲載「目が見えなくても、手の動作を認識する脳ネットワークは活動することが明らかに」

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<概要>
日常において晴眼者は目を使って相手の動作やその意図を認識する。そのため目で相手の身体を認識するために特殊化した脳部位が存在する。本研究では、この脳部位の一つであるEBAが視覚経験に関係なく、触覚による身体部位の認識にも重要であることを発見した。本研究成果は、なぜ目が見えなくても他者の動作を認識・学習することが可能なのかを説明し、特殊支援教育の基盤を形成するための一助になると考えられる。
14/08/20 ATR
「MEG逆問題における脳内電流分布と複数のアーチファクト源の階層モデルハイパーパラメータ推定」
"Estimation of hyper-parameters for a hierarchical model of combined cortical and extra-brain current sources in the MEG inverse problem.(K. Morishige et al.)"-NeuroImageにて掲載(ATR・川人所長他)

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<概要>
階層モデルハイパーパラメータ推定を用いて、複数のアーチファクト源と大脳皮質の電流を同時に推定し、アーチファクトの影響を分離することを試みた結果、アーチファクト成分と皮質電流の正確な推定が行えることを示した。

14/08/18 広島大学
「閾値下うつ病の行動的特性」
"Behavioral characteristics of subthreshold depression. (K. Takagaki et al.)"-Journal of Affective Disordersにて掲載(広島大・山脇教授他)

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<概要>
本研究では、閾値下うつの行動的特徴を検討するために、うつ病群11名、閾値下うつ群41名、健常群50名で行動的特徴に違いがあるかを検討した。その結果、すべての群で行動的特徴に違いがあることが明らかになった。行動に伴う主観的な正の強化子の頻度には、健常群と他の2群で有意な差があった。また、回避行動の頻度では、うつ病群と他の2群で有意な差があることが明らかになった。つまり、うつ病群の行動的特徴は、行動に伴う主観的な正の強化子の頻度が低く、回避行動の頻度が高い。そして、閾値下うつの行動的特徴は、行動に伴う主観的な正の強化子の頻度が低いことが示された。したがって、治療を行う場合には、うつ病群では正の強化を受ける行動を増やし、回避行動を減少させることが必要である。その一方で、閾値下うつ群では、正の強化を受ける行動を増やすことが治療ターゲットとなることが示唆された。
14/08/11 名古屋大学
「統合失調症患者および健常者におけるDISC1 Ser704Cys 多型と脳神経発達上の指標」
"The Disrupted-in-Schizophrenia-1 Ser704Cys polymorphism and brain neurodevelopmental markers in schizophrenia and healthy subjects. (T. Takahashi et al.)"-Progress in Neuro-Psychopharmacology and Biological Psychiatryにて掲載(名大・尾崎教授他)

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<概要>
DISC1は、多様な脳領域において神経発達やシナプス可塑性に関与し、統合失調症の病因に関連していると考えられる。しかし、統合失調症の神経発達病態に関与し得る、脳の形態学的な変化に、DISC1の遺伝子型が及ぼす影響は不明である。本研究は、統合失調症患者および健常者を対象に、DISC1 Ser704Cys 多型と、脳MRIにより得られる神経発達上の指標との関連を調べた。その結果、Cys型キャリアは、Ser型ホモと較べて透明中隔腔が有意に大きいことが確認された。本研究の結果から、DISC1の遺伝子型がヒトの脳における初期の神経発達に影響を与える可能性が示唆された。
14/08/08 群馬大学、山口大学
「HDAC阻害剤はアミロイドβオリゴマーにより惹起されるシナプス異常を防ぐ」
"Histone deacetylase mediates the decrease in drebrin cluster density induced by amyloid beta oligomers. (Y. Ishizuka et al.)"-Neurochemistry Internationalにて掲載(群馬大・石塚助教、白尾教授、山口大学・山形助教他)

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<概要>
本研究においては、ドレブリン画像シナプス機能評価法(DIBES法)を用いることにより、アミロイドβの毒性により細胞死に先立ってシナプス機能異常が惹起されること、およびこのシナプス異常がヒストン脱アセチル化酵素 (HDAC)を阻害する事で防がれる事を明らかとした。近年、アミロイドβはアルツハイマー病だけでなく、うつ病でも増加する事が報告されている。以上によりHDAC阻害薬が今後精神疾患の治療に応用できる可能性が示唆された。
14/08/08 東京大学   北海道大学
「シナプス刈り込みのしくみを解明 ~シナプス結合の強さの絶対値と相対値の両方が重要~」
"Global Scaling Down of Excitatory Postsynaptic Responses in Cerebellar Purkinje Cells Impairs Developmental Synapse Elimination. (S. Kawata et al.)"-Cell Reportsにて掲載(東大・川田特任研究員、狩野教授、北大・渡辺教授他)

8/9 財経新聞にて掲載「東大、シナプス刈り込みのメカニズムを明らかに」
8/11 マイナビニュースにて掲載「東京大学、生後発達期における神経回路形成のしくみを解明」
8/14 QLife Proにて掲載「東大ら シナプス刈り込みのメカニズムを解明」

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<概要>
発達期のマウス小脳において、生後12日までのシナプス刈り込みには、強いシナプス結合と弱いシナプス結合の「相対的な差」が重要であるが、生後12日以降のシナプス刈り込みには、強いシナプス結合と弱いシナプス結合の相対的な差だけでなく、シナプス結合の「絶対的な強さ」が重要であることを明らかにした。
14/08/08 金沢大学
「健常児における聴覚野の発達と言語発達の関係を解明!」
"A longitudinal study of auditory evoked field and language development in young children. (Y. Yoshimura et al.)"-NeuroImageにて掲載(金沢大・菊知特任教授、東田特任教授他)

8/6 中日新聞 CHUNICHI Webにて掲載「声に敏感な子 会話上手 金大チーム再確認左脳聴覚野、言語と関連」
8/10 毎日新聞 電子版にて掲載「金沢大:左脳活発な子、高い言語能力 メカニズム解明 /石川」

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<概要>
本研究では、20名の健常幼児~就学児を対象に、幼児用脳磁計(MEG)を用いて捉えた人の声に対する脳反応と言語能力との関係について、2点での縦断的調査を行った。1回目と2回目の脳の反応を言語発達の程度と比較した結果、人の声に対して左半球の聴覚野の反応が大きくなった子どもほど、言語発達の伸びが大きかったことが認められた。本研究の結果から、人の声によって引き起こされる聴覚野の特に左半球の反応が、幼児期の言語発達に重要であることがより強く示唆された。

14/08/05 自治医科大学
「脳内GLP-1の摂食抑制経路の発見:糖尿病治療薬の抗肥満作用、多様な脳作用のメカニズム解明へ」
"Endogenous GLP-1 acts on paraventricular nucleus to suppress feeding: Projection from nucleus tractus solitarius and activation of corticotropin-releasing hormone, nesfatin-1 and oxytocin neurons. (K. Katsurada et al.)"-Biochemical and Biophysical Research Communicationsにて掲載(自治医科大・桂田リサーチ・アシスタント、矢田教授他)

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<概要>
過食を主因として肥満や糖尿病が増加している。グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)は、食事に伴い腸から分泌され、インスリン分泌を促進し、血糖を低下させる。糖尿病治療薬のGLP-1関連薬には、過食・肥満改善作用があり、視床下部の摂食中枢への作用を介すると考えられている。GLP-1は延髄孤束核でも産生されているが、その役割は不明だった。自治医科大学の矢田教授、大学院生桂田らは、ラットを用いた実験を行い、視床下部室傍核にGLP-1受容体拮抗薬を投与すると摂食量が増加したことから、脳に内在するGLP-1は室傍核に作用して摂食を抑制していることを解明した。孤束核GLP-1神経細胞は、投射先の室傍核に作用し、摂食抑制性のCRH、ネスファチン、オキシトシン神経細胞を活性化することが解かった。本研究は、GLP-1(関連薬)による摂食抑制、抗肥満の神経機構を明らかにした。CRH、ネスファチン、オキシトシンは精神・ストレス・概日リズム・社会行動・循環調節にも関わることから、今回発見した神経経路がGLP-1の多様な中枢作用を仲介する可能性が考えられる。

14/08/04 浜松医科大学
「自閉症児の血清中micro RNA 発現プロフィール」
"Serum microRNA profiles in children with autism. (M. M. Vasu et al.)"-Molecular Autismにて掲載(浜松医大・Vasu特任研究員、森教授他)

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<概要>
脳の発達に関わる転写ネットワークにおいて、micro RNA (miRNA)は遺伝子発現の調節因子として重要な役割を果たしている。多くのmiRNAは血清および血漿中で安定であり定量的検出が可能である。本研究では、自閉症スペクトラム障害児を対象に血清中のmiRNA発現プロフィールを網羅的に測定した。その結果、13個のmiRNAに有意な変化があり、対照と比較して低下しているものが8個、増加しているものが5個認められた。さらに、これら有意な変化が認められたmiRNAの標的遺伝子についてパスウェイ解析を行ったところ、中枢神経系のいくつかの重要な経路に収斂した。以上から、血清中のmiRNAは、ASDの早期診断のための非侵襲的バイオマーカーとして有用である可能性が示唆された。
14/07/30 東京医科歯科大学
「小頭症モデル動物の人為的脳サイズ回復に成功」
"In utero gene therapy rescues microcephaly caused by Pqbp1-hypofunction in neural stem progenitor cells. (H. Ito et al.)"-Molecular Psychiatryにて掲載(東京医科歯科大・岡澤教授他)

7/29 yahoo!ニュースにて掲載「小頭症マウス、脳サイズ回復=遺伝子治療の可能性期待-医科歯科大など」
7/29 時事ドットコムにて掲載「小頭症マウス、脳サイズ回復=遺伝子治療の可能性期待-医科歯科大など」
7/29 共同通信47NEWSにて掲載「遺伝子入れて脳の大きさ回復 小頭症マウスの実験」
7/30 デーリー東北新聞社ONLINE SERVICEにて掲載「遺伝子入れて脳の大きさ回復 小頭症マウスの実験」
7/30 日刊工業新聞Business Lineにて掲載「東京医科歯科大、遺伝性難病「小頭症」の発症メカニズム解明」
7/30 日刊工業新聞 20面にて掲載「東京医科歯科大、遺伝性難病「小頭症」の発症メカニズム解明」
8/4 日経産業新聞 10面にて掲載「小頭症発症、仕組み解明、東京医科歯科大、マウスで遺伝子治療成功」
9/2 msn産経ニュースにて掲載「小頭症マウスの実験 遺伝子を入れて脳の大きさ回復」
       ※産経新聞朝刊 21面にて掲載「小頭症マウスの実験 遺伝子を入れて脳の大きさ回復」

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<概要>
PQBP1は知的障害の主要な遺伝子として知られており、PQBP1遺伝子変異による発達障害は高頻度に小頭症を伴うことも特徴である。岡澤教授らは、PQBP1の2種類のコンディショナルノックアウトマウスの作成を通じて小頭症の分子機構を解析した。その結果、PQBP1は神経幹細胞においてスプライシングを介して細胞周期制御に関わる遺伝子群の発現に関与すること、PQBP1機能低下によりM期を中心とした細胞周期時間の延長が見られることを示した。神経幹細胞の分化効率変化あるいは細胞死増加などの、従来言われて来た小頭症原因は見られず、PQBP1異常症は新たな小頭症メカニズムによるものと考えられる。さらに、PQBP1を発現するアデノ随伴ウィルスベクターの母体投与により小頭症と知的障害を胎児期に治療することが出来た。これらの成果は、脳サイズ調節の新しい仕組みを明らかにするとともに、発達障害の新規治療法の可能性を示すものである。
14/07/30 東京大学
「自閉症スペクトラム障害当事者の内側前頭前野における神経生化学的なオキシトシン投与効果が基盤となって、心理課題実施中の同部位の脳活動が回復している-ランダム化比較試験-」
"Oxytocin's neurochemical effects in the medial prefrontal cortex underlie recovery of task-specific brain activity in autism: a randomized controlled trial. (Y. Aoki et al.)"-Molecular Psychiatryにて掲載(東大・山末准教授、笠井教授他)

7/29 Health Newsにて掲載 "'Love Hormone' Oxytocin May Help Some With Autism"
7/29 本研究掲載誌「Molecular Psychiatry」によるプレスリリースが実施されました

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<概要>
40名の自閉症スペクトラム障害当事者を対象としたオキシトシン点鼻剤単回投与のランダム化・偽薬対照・二重盲検・クロスオーバー臨床試験において、心理課題実施中の脳活動回復を認めた腹内側前頭前野において(Watanabe et al., JAMA psychiatry,2014で既発表)、プロトン核磁気共鳴スペクトロスコピーを用いて同部位のNアセチルアスパラギン酸濃度を測定していた。解析の結果、オキシトシン投与時にこのNアセチルアスパラギン酸濃度が上昇していた症例ほど同一部位の心理課題実施中の脳活動改善度が大きかった。パス解析の結果などから、Nアセチルアスパラギン酸濃度上昇が背景となって心理課題実施中の脳活動改善が生じるという関係が示唆された。これらの結果からは、腹内側前頭前野機能不全に由来する症状にはオキシトシン投与効果がより広く期待出来る可能性が支持された。

14/07/25 生理学研究所   福井大学
「自分の動作が真似をされたことを気づくために重要な脳部位の活動は、自閉症スペクトラム障害者で減少していることを解明」
"Attenuation of the contingency detection effect in the extrastriate body area in Autism Spectrum Disorder. (Y. Okamoto et al.)"-Neuroscience Researchにて掲載(生理研・定藤教授、福井大学・小坂特命准教授他)

7/10 マイナビニュースにて掲載「自閉症はなぜ自分の動作を真似されたことを気づくのが苦手なのか - NIPS」
7/10 日経プレスリリースにて掲載「生理学研究所、他者の真似に気づくための脳部位活動はASD者で減少など解明」
7/11 財経新聞にて掲載「自閉症スペクトラム障害者は、自分の動作を真似された時の脳活動が少ないことが明らかに」

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<概要>
自閉症者は他者の動作の模倣や他者から模倣されたことの理解(相互模倣)に障害を持つ。この障害の原因を明らかにするため、fMRIを用いて自閉症者と定型発達者の脳活動を比較した。その結果、自閉症者では他者から模倣された際に自己と他者の動作の同一性を検出するextrastriate body areaに活動低下を示した。本研究から、自己と他者の動作の比較を担う神経機構の弱さが、成人自閉症者の対人コミュニケーションの障害の一因である可能性が示唆された。
14/07/16 理化学研究所    浜松医科大学
「脂肪酸の機能に関わる遺伝子の変異が統合失調症・自閉症に関連する可能性」
"Functional characterization of FABP3, 5 and 7 gene variants identified in schizophrenia and autism spectrum disorder and mouse behavioral studies. (C. Shimamoto et al.)"-Human Molecular Geneticsにて掲載(理研・吉川チームリーダー、浜松医大・森教授他)

7/14 マイナビニュースにて掲載「脂肪酸の摂取で統合失調症や自閉症の症状を軽減できる可能性 - 理研」
7/15 財経新聞にて掲載「理研、脂肪酸結合タンパク質遺伝子の異常が統合失調症や自閉症を引き起こす可能性を明らかに」
7/18 QLife Proにて掲載「理研 統合失調症や自閉症の発症にFABP関与の可能性を発見」
8/1 科学新聞 4面にて掲載「脂肪酸の機能に関わる遺伝子の変異 精神疾患と関連の可能性 理研 新たな診断法、治療法などの開発に期待」

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<概要>
統合失調症や自閉症に関連する物質の1つとして「脂肪酸」が注目されている。脳の細胞内では、脂肪酸の運搬に主に3種の脂肪酸結合タンパク質(FABP3、FABP5、FABP7)が働いている。患者さんの脳や血液細胞を用いて調べたところ、発現量が疾患によって変動していた。患者さんのDNAサンプルで3種のFABP遺伝子の変異を調べた結果、複数のミスセンス変異やフレームシフト変異が見出された。これらの遺伝子を破壊したマウスを解析したところ、精神疾患に関連のある行動異常が観察された。よって、脳で働く脂肪酸結合タンパク質の「量」や「質」の変化が、疾患の病因に関わる可能性がある。
14/07/14 広島大学
「反すう思考は難治性うつ病における灰白質異常に関与している」
"Possible involvement of rumination in gray matter abnormalities in persistent symptoms of major depression: An exploratory magnetic resonance imaging voxel-based morphometry study. (A. Machino et al.)"-Journal of Affective Disordersにて掲載(広島大・町野助教、山脇教授他)

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<概要>
本研究では、難治性うつ病患者29名および年齢、性別を統制した健常者29名を対象にMRIで脳構造画像解析を行った結果、難治性うつ病患者は健常者に比べて、左背側前帯状回、右腹側前帯状回、右上前頭回、および小脳の灰白質容量が小さかった。また、うつ病の難治化と関係すると考えられている反すう思考と脳構造変化の関連について検討した結果、難治性うつ病患者において、反すう思考と右側上側頭回の灰白質容量に正の相関があることが明らかになった。本研究の結果から、難治性うつ病が脳の形態学的異常と関連することを示唆するこれまでの研究結果を支持するとともに、うつ病の難治化と関連が深い反すう思考と相関する脳領域をはじめて明らかにした。この成果は脳の形態学的変化とうつ病の難治化のメカニズムの理解に大きく寄与するものと考えられる。
14/07/11 慶應義塾大学
「脳卒中片麻痺に対するBMIリハビリテーションには、体性感覚フィードバックが重要」
"Brain-computer interface with somatosensory feedback improves functional recovery from severe hemiplegia due to chronic stroke. (T. Ono et al.)"-Frontiers in Neuroengineeringにて掲載(慶應大・牛場准教授、里宇教授他)

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<概要>
BMIリハビリテーション研究では、頭皮脳波から脳卒中片麻痺上肢の運動信号を検出し、その信号強度をコンピュータスクリーン上に表示する「視覚フィードバック」や、機能的電気刺激や電動装具によって麻痺肢を動かして「体性感覚フィードバック」を生成する方法が用いられている。今回の臨床研究では複数のフィードバックタイプのBMIによる介入効果を比較し、「体性感覚フィードバック」が運動機能回復を促進している可能性を明らかにした。
14/07/10 理化学研究所
「リピッドラフトタンパクPAG1の統合失調症における解析」
"Sequencing and expression analyses of the synaptic lipid raft adapter gene PAG1 in schizophrenia. (S. Balan et al.)"-Journal of Neural Transmissionにて掲載(理研・吉川チームリーダー他)

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<概要>
統合 失調症をはじめとした精神疾患では、シナプス異常が指摘されている。シナプス膜タンパクはリピッドラフトとよばれる場所に集積するが、PAG1はラフトに あってNMDA受容体の制御に重要な役割を担っている。これまで統合失調症でPAG1遺伝子の新生変異が報告されていた。我々は日本人統合失調症で PAG1遺伝子をシークエンス解析したところ、アミノ酸置換を伴う8個の変異を検出し、そのうち4個は新規なものであった。PAG1の稀な変異が疾患のリスクになっている可能性について、今後大規模サンプルで検証する必要がある。
14/07/01 金沢大学
「マウスの両親養育行動としての、つがいの相手に依存する父親の仔ども持ち運び行動」
"Pairmate-dependent pup retrieval as parental behavior in male mice. (M. Liang et al.)"-Frontiers in Neuroscienceにて掲載(金沢大・東田特任教授他)

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<概要>
親子の社会性交流としての父親養育行動に注目した。つがい相手に依存するマウスの父親の仔ども持ち運び行動は、C57BL/6 やBALB/c 系統では見られずICR系統にのみ見られた。ICRマウスの行動は自身の仔どもに対してのみ生じることやつがいの相手のみからの情報に依存し、オスが形成した領分内でのみ生じる事を見出した。マウスの社会性行動を研究する条件を明確にしたことにより、社会性障害研究の手がかりが得られた。
14/06/18 福井大学、名古屋大学、金沢大学   生理学研究所
「安静状態の脳活動パターンが自閉症スペクトラム傾向に関与している」
"Default mode network in young male adults with autism spectrum disorder: relationship with autism spectrum traits. (M. Jung et al.)"-Molecular Autismにて掲載(福井大学・小坂特命准教授、生理研・定藤教授他)

6/19 福井新聞FUKUISHIMBUN ONLINEにて掲載「自閉症、MRIで脳の傾向発見 福井大などのチーム発表」
6/19 福井新聞朝刊 30面にて掲載「自閉症スペクトラム障害 脳活動 連携に弱さ MRIで特有の傾向確認 客観的診断へ道 福井大チーム」
6/19 DIAMOND onlineにて掲載「「自閉症スペクトラム」の客観的な診断基準になるか福井大学ら研究チームが発見した自閉症解明のヒント」
6/19 朝日新聞医療サイト apitalにて掲載「福井)自閉症傾向の脳の特徴 MRIで確認 福井大など」
6/19 朝日新聞朝刊 35面にて掲載「自閉症 脳の前後連結「弱い」 MRIで確認 英専門誌に 福井大や金沢大など」
6/19 毎日新聞 電子版にて掲載「自閉症スペクトラム:傾向、脳のMRIで判別--福井大など」
6/19 毎日新聞朝刊 29面にて掲載「「自閉症スペクトラム」の傾向 脳のMRIで判別 福井大など」
6/19 中日新聞 CHUNICHI Webにて掲載「自閉症 脳の活動に違い 福井大など研究」
6/19 日刊県民福井 20面にて掲載「自閉症 脳の活動に違い 早期発見手掛かりに 福井大など研究」
6/20 中日新聞 CHUNICHI Webにて掲載「自閉症の傾向、脳内の連携が鍵 福井大など解明 早期発見に期待」
6/20 中日新聞朝刊 29面にて掲載「自閉症の傾向 脳内連携が鍵 福井大など 早期発見に期待」
6/20 マイナビニュースにて掲載「自閉症スペクトラム障害は安静状態の脳の機能連結が弱い - 名大などが確認」
6/24 QLife Proにて掲載「名大ら 安静時脳活動パターンが自閉症スペクトラム傾向に関与と発表」
6/27 介護・福祉の最新ニュース けあNewsにて掲載「MRIで自閉症特有の脳の動きを発見 福井大」

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<概要>
自閉症スペクトラム障害(ASD)をもつ青年期男性の方々は、定型発達群と比べて安静時の脳活動(default mode network, DMN)の機能的連結が弱いことを、MRIを用いた研究にて報告した。自閉症スペクトラム傾向と相関を示す領域がASD群だけでなく定型発達群にもいくつか認められた。DMNにおける機能的連結がASD診断にかかわらず自閉症スペクトラム傾向のバイオマーカーになる可能性が示唆された。
14/06/12 藤田保健衛生大学、名古屋大学   理化学研究所   国立精神・神経医療研究センター
「統合失調症GWASデータに基づいた日本人精神病性障害における追試解析」
"Replication and cross-phenotype study based upon schizophrenia GWASs data in the Japanese population: Support for association of MHC region with psychosis. (T. Saito, K. Kondo et al.)"-American Journal of Medical Genetics Part B: Neuropsychiatric Geneticsにて掲載(藤田保健衛生大・齋藤研究員、近藤研究員、池田講師、岩田教授、名大・尾崎教授、理研・吉川チームリーダー、国立精神・神経医療研究センター・功刀部長他)

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<概要>
近年、統合失調症における全ゲノム関連研究(GWAS)により、複数の疾患感受性遺伝子が同定され、また統合失調症と双極性障害の遺伝的共通性についても示唆されている。我々は統合失調症におけるGWASの結果を基とし、日本人統合失調症、双極性障害、ならびにその2群を併せた「精神病性障害」群について関連解析を行った。結果、MHC領域に属するZSCAN31上の遺伝子多型について統合失調症群、精神病性障害群について関連を同定することができた。以上の結果より、既報で複数述べられているMHC領域の遺伝子多型と精神疾患との関連を支持する結果となった。
14/06/05 国立精神・神経医療研究センター
「大うつ病性障害における局所脳血流変化の検討 ‐pCASL研究‐」
"Characteristic distributions of regional cerebral blood flow changes in major depressive disorder patients: A pseudo-continuous arterial spin labeling (pCASL) study. (M. Ota et al.)"-Journal of Affective Disordersにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・太田室長、功刀部長他)

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<概要>
本研究は、核医学的手法によらないMRIを用いた新しい脳血流測定法であるpCASL法を用いて、大うつ病性障害患者と健常者および統合失調症患者の局所脳血流を比較検討した。27名の大うつ病性障害、42人の統合失調症患者、43名の健常者を対象として標準化した脳血流画像によって比較した結果、大うつ病性患者では前頭葉や前部帯状回の血流低下が認められた。大うつ病性障害患者と統合失調症患者の局所脳血流を比べたところ、大うつ病性患者では膝下部帯状回の血流が低下していた。このことから大うつ病性障害における膝下部帯状回の血流低下はバイオマーカーとして用いることができる可能性が示唆された。
14/06/05 基礎生物学研究所
「運動学習は大脳皮質深部の神経細胞活動パターンとして記憶される 〜大脳皮質深部の神経活動を長期間にわたって記録することに世界で初めて成功〜」
"Two distinct layer-specific dynamics of cortical ensembles during learning of a motor task. (Y. Masamizu et al.)"-Nature Neuroscienceにて掲載(基生研・正水研究員、松崎教授他)

6/2 マイナビニュースにて掲載「深部の大脳皮質第5層までも含めた神経活動パターンの変化を観察 - NIBBなど」
6/2 中日新聞 CHUNICHI Webにて掲載「「技」記憶に新たな神経回路 基生研、脳の活動発見」
6/2 中日新聞朝刊 3面にて掲載「体得の「技」神経回路に 基生研、脳の活動発見」
6/2 Science Portalにて掲載「『練習で上達』は大脳皮質深部の働き」
6/2 日刊工業新聞Business Lineにて掲載「自然科学研、脳の運動学習の仕組み解明-観察手法開発」
6/2 日刊工業新聞 17面にて掲載「脳の運動学習 仕組み解明 自然科学研が観察手法開発」
6/2 日経産業新聞 12面にて掲載「運動・行為の学習 大脳深部が関係 基礎生物研マウス実験」
6/2 東京新聞朝刊 22面にて掲載「大脳皮質が「技」記憶 反復で神経形成 リハビリ応用期待 基生研グループ解明」
6/7 財経新聞にて掲載「NIBBなど、運動に関する脳神経細胞の学習メカニズムを明らかに」

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<概要>
マウスが道具を使って運動課題を学習する過程において、2光子顕微鏡を用いたカルシウムイメージング法により大脳皮質運動野の浅層から深層(脳表から約 500 μm)に至るまで、神経細胞の活動を2週間にわたって計測することに世界で初めて成功した。その結果、学習した運動が大脳皮質深層細胞の新たな活動パター ンとして保持されることがわかった。本研究はマーモセットでの光遺伝学技術の基盤となる実験手法を確立したものである。
14/06/05 京都大学
「うつ病と他者の痛みに対する脳活動について」
"Altered brain response to others׳ pain in major depressive disorder. (J. Fujino et al.)"-Journal of Affective Disordersにて掲載(京大・高橋准教授他)

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<概要>
共感は、良好な対人関係を築く上で重要な働きを担っている。うつ病では、共感性に変調を来していることが報告されているが、その神経基盤についてはほとんど明らかになっていないのが現状である。本研究では、うつ病患者を対象に、他人の痛みに共感している最中の脳活動をfMRI用いて評価した。結果として、うつ病群では、健常群と比較して、他者の痛みの共感に関する脳活動が左中部帯状回、右体性感覚野の一部で低下し、左下前頭回の一部で上昇していた。これらの領域とうつ病の共感性の変調に関連性があることが示唆された。
14/06/04 東京大学
「統合失調症患者群およびその臨床的ハイリスク群における言語-非言語識別課題のfMRI研究」
"An fMRI study of visual lexical decision in patients with schizophrenia and clinical high-risk individuals. (T. Natsubori et al.)"-Schizophrenia Researchにて掲載(東大・夏堀大学院生、山末准教授、笠井教授他)

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<概要>
本研究では、核磁気共鳴機能画像法を用いて、統合失調症の言語の音韻的処理過程の障害には下前頭回の機能不全が関与することを示した。さらに、統合失調症の臨床的ハイリスク群でも同様の実験を行うことで、類似した下前頭回の機能不全がハイリスク群でも認められることを見出した。一方で、音韻的処理過程の下前頭回機能の左右差の異常には両群の違いが認められた。つまり、下前頭回機能の左右差の低下はハイリスク群でのみ認められ、統合失調症群では認められなかった。この左右差の違いは統合失調症群での機能低下が両側性に認められることに由来すると思われた。これらの結果から、音韻的処理過程の障害の背景を成す下前頭回の機能不全や側性の変化は統合失調症の素因に関連するものであることが示唆された。
14/06/03 横浜市立大学
「学術院医学群 遺伝学教室 松本教授ら研究グループが、コフィン-サイリス症候群の新たな責任遺伝子を発見!」
"De novo SOX11 mutations cause Coffin-Siris syndrome. (Y. Tsurusaki et al.)"-Nature Communicationsにて掲載(横浜市大・鶴崎助教、松本教授他)

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<概要>
知的障害・特異的顔貌・第五指爪低形成を主徴とするCoffin-Siris症候群の新規責任遺伝子としてSOX11を同定した。本症候群はクロマチンリモデリング因子であるBAF複合体の構成サブユニットをコードする5つ遺伝子の異常で惹起されることが知られているが、SOX11はBAF複合体の下流に位置する転写因子の一つであり、Coffin-Siris症候群の原因がBAF複合体関連因子の異常であることを支持する。
14/05/28 名古屋大学、藤田保健衛生大学
「統合失調症と関連するCNV,Chr3q29del領域にあるFBXO45のリシークエンスにより、病因に強く関与しうる稀なアミノ酸置換を同定」
"Novel rare variants in F-box protein 45 (FBXO45) in schizophrenia. (C. Wang et al.)"-Schizophrenia Researchにて掲載(名大・Aleksic特任准教授、尾崎教授、藤田保健衛生大・岩田教授他)

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<概要>
Chr3q29delは統合失調症の発症に高いOdds Ratioを示すCNVであるが、欠失を来す遺伝子は20以上に及び、病因に関わる遺伝子は不明であった。本領域に存在する遺伝子の1つ、FBX045はユビキチン関連遺伝子、神経発達や神経伝達に関与することが知られ、統合失調症の病因候補として有望である。以上を踏まえ、統合失調症患者337名を対象にFBXO45のコーディング領域のリシークエンスを行い、疾患に強く関連する新規の稀な変異(MAF≦1%)を探索したところ、R108Cを同定した。同アミノ酸置換は母親由来の変異であったが、別個のサンプル(統合失調症601人、健常者916)内では発見されず、非常に稀な変異であった。また、R108Cはin silico解析においてタンパク質機能変化が予想され、さらに同アミノ酸置換を有する患者リンパ芽球におけるFBXO45のmRNAの発現低下が示され、統合失調症の病因に強く関連し得ることが示唆された。
14/05/27 東京工業大学、国立精神・神経医療研究センター
「ヒトの手首運動における運動座標系の脳内表象」
"Dissociable neural representations of wrist motor coordinate frames in human motor cortices. (N. Yoshimura et al.)"-NeuroImageにて掲載(東工大・吉村助教、小池教授、国立精神・神経医療研究センター・花川部長他)

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<概要>
本研究では、手首の姿勢を回内位あるいは回外位に固定し、各姿勢における屈曲および伸展運動中に撮像したfMRIデータを用いて、手首の運動方向が上下か、または手首の関節が屈曲・伸展か、という2種の異なる判別を行った。この結果、関節の屈曲・伸展を判別するデコーダは良い汎化性能を示した。さらに、これらのデコーダの重みを解析することで、一次運動野は関節座標系の情報が多く、運動前野や補足運動野については、デカルト座標系の情報が多く表現されていることがわかった。本研究の結果から、BMIにより運動を推定する場合、関節レベルでのデコーダを用いた方が、異なる姿勢においても良い推定精度を保つ可能性が示唆された。この成果は多様な運動を再現できるBMIの開発に有効であると考えられる。
14/05/23
脳プロ公開シンポジウム in HIROSHIMA・第11回日本うつ病学会市民公開講座
「うつ病の起源から未来医療へ」

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14/05/21 北海道大学
「セロトニンと不安の関係解明に前進」
"Optogenetic activation of serotonergic neurons enhances anxiety-like behaviour in mice. (Y. Ohmura et al.)"-The International Journal of Neuropsychopharmacologyにて掲載(北大・大村助教、吉岡教授他)

5/21 マイナビニュースにて掲載「正中縫線核のセロトニン神経の活動が増すと不安が増す - 北大などが確認」
5/22 日経バイオテクONLINEにて掲載「北海道大学、セロトニンと不安の関係解明に前進」
5/23 財経新聞にて掲載「北海道大など、セロトニンと不安の関係解明へ前進 抗うつ薬への貢献に期待」

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<概要>
セロトニン神経を選択的・可逆的に操作することがこれまでできなかったため、セロトニン神経活動と不安の関係については四半世紀以上も議論に決着がつかないままだった。そこで私たちは近年開発された光遺伝学という技術を用いて、脳のセロトニン神経活動の選択的・可逆的操作を光照射のON-OFFで行うことが可能な遺伝子改変マウスを作製した。そして、このマウスの脳内に光を当てて正中縫線核という場所のセロトニン神経の活動を増加させると、マウスが不安様行動を示すことを見出した。
14/05/19 生理学研究所
「見知らぬ他者に対する行動変化の性差:社会能力発達評価「成人用かかわり指標」(IRSA)を用いて」
"Assessing Gender Differences in Sociability towards Strangers over Time Using the Interaction Rating Scale Advanced (IRSA). (T. Anme et al.)"-International Journal of Applied Psychologyにて掲載(生理研・定藤教授他)

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<概要>
見知らぬ他者に対する行動変化について、社会能力発達評価「成人用かかわり指標」(IRSA)を用いて44名を評価し性差を検討した。IRSAは5分程度の相互作用状況の行動観察により、複数の成人(15歳以上)の社会能力の特徴を92項目で評価する指標である。男性は女性に比較し、時間を経て協調、自己主張、自己制御領域の社会行動が有意に増加する傾向が見られた。観察法IRSAは短時間で客観的な行動変容を敏感に検出でき、実効性の高い指標として今後の活用が期待される。

14/05/16 東京大学
「シナプス刈り込みを制御する分子を明らかに 逆行性シグナルの実体を解明」
"Retrograde Semaphorin Signaling Regulates Synapse Elimination in the Developing Mouse Brain. (N. Uesaka et al.)"-Scienceにて掲載(東大・上阪助教、狩野教授他)

5/16 日経プレスリリースにて掲載「東大、生後発達期の脳でシナプス刈り込みを制御する分子を解明」

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<概要>
生後発達期の脳で、必要な神経結合(シナプス)の強化と不要な神経結合の除去(シナプス刈り込み)が起こり、機能的な神経回路が完成する。シナプス刈り込みが正常に進行するには、逆行性シグナルが必要である可能性が想定されてきたが、その実体は長年不明であった。本研究により、発達期の小脳において、セマフォリンファミリーのSema3AとSema7Aが逆行性シグナルとしてシナプス刈り込みを制御していることが明らかになった。
14/05/14 金沢大学
「パーキンソン病の精神症状について新たな発見」
"Anxiety- and depression-like behavior in mice lacking the CD157/BST1 gene, a risk factor for Parkinson's disease. (O. Lopatina et al.)"-Frontiers in Behavioral Neuroscienceにて掲載(金沢大・東田特任教授他)

5/2 中日新聞 CHUNICHI Webにて掲載「パーキンソン病 関連 うつ症状影響 遺伝子を特定 金大など、世界初」
5/2 北國新聞ホームページにて掲載「パーキンソン病、精神症状に特定の遺伝子関与 金大特任教授ら」

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<概要>
日本人で最初に見いだされたパーキンソン病の危険因子としてのBST1/CD157遺伝子が、パーキンソン病の発症とどのような関係にあるかを、BST1/CD157遺伝子欠損マウスで研究し、(1)BST1/CD157は、パーキンソン病の運動障害ではなく、30-70%にみられる不安やうつの精神症状と関係があること(2)オキシトシン投与により、効果的な治療薬がないとされている精神症状(パーキンソン病の対人交流ができないなど)の改善に効果がある事を示す結果も得た。
14/05/12 福井大学大阪大学、浜松医科大学
「N-ethylmaleimide-sensitive factorのセロトニン・トランスポーター膜輸送制御機能:自閉症の病因・病態への関与」
"N-ethylmaleimide-sensitive factor interacts with the serotonin transporter and modulates its trafficking: implications for pathophysiology in autism. (K. Iwata et al.)"-Molecular Autismにて掲載(福井大・岩田特命助教、松崎教授、阪大・片山教授、浜松医大・森教授他)

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<概要>

自閉症者においてセロトニン・トランスポーター(SERT)機能の異常が示唆されている。SERT機能は細胞膜におけるSERTの発現量に依存するため、本研究では、SERTを細胞膜に輸送する分子の同定を試み、新規SERT結合分子としてN-ethylmaleimide-sensitive factorNSF)を同定した。また、SERTを安定的に発現させた細胞においてNSFをノックダウンすると、SERTの細胞膜での発現が減少し、SERTの取り込み機能が低下することを明らかにした。次に、自閉症者におけるNSFの遺伝子発現を解析したところ、自閉症者死後脳では減少傾向が、リンパ球では有意な減少がそれぞれ確認された。これらのことからNSFSERTの膜輸送を制御することにより、自閉症の病因および病態に関与していることが示唆される。

14/05/12 藤田保健衛生大学
「GADL1と双極性障害リチウム反応性:追試研究」
"Variant GADL1 and Response to Lithium in Bipolar I Disorder. (M. Ikeda et al.)"-The New England Journal of Medicineにて掲載(藤田保健衛生大・池田講師、岩田教授他)

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<概要>
精神疾患に限らず、薬剤の反応性を遺伝子から予測しようとする試みが行われ、多くの成果が得られている。最近、台湾の双極性障害を対象としたリチウム反応性に関する研究がNew England Journal of Medicineに掲載された(Chen et al. 2014, P119-28)。この研究では、GADL1遺伝子にあるSNPあるいはdeletionが、オッズ比80と大きな効果を持ち、この変異型を持つサンプルはリチウムに良好に反応することが報告された。本研究では、追試研究として日本人双極性障害サンプルを用い、これら遺伝子多型がリチウム反応性と関連するかを検討した。しかし、本サンプルにおいては、有意な関連は認められなかった。従って、GADL1上の遺伝子多型は、アジア人として考えた場合には、有用な予測因子ではない可能性が示唆された。
14/05/09 東京工業大学、生理学研究所
「ECoGを用いた感覚運動野からの把持力推定」
"Decoding grasp force profile from electrocorticography signals in non-human primate sensorimotor cortex.(C. Chen et al.)"-Neuroscience Researchにて掲載(東工大・辛徳研究員、小池教授、生理研・南部教授、西村准教授他)

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<概要>
これまで、脳活動から運動や、運動を生成する筋活動を推定する研究を行ってきたが、今回、物体を把持するときの指の力を皮質脳波(ECoG)から推定することに成功した。力の大きさだけでなく、力の時間的な変化を推定することが可能となったことから、運動だけでなく力の制御も正確に行える装置の開発が期待できる。
14/05/07 生理学研究所、ATR
「サルが手を動かしている時に生じる体性感覚ニューロン活動パターンの推定」
"Decoding of the spike timing of primary afferents during voluntary arm movements in monkeys.(T. Umeda et al.)"-Frontiers in Neuroscienceにて掲載(生理研・梅田研究員、西村准教授、ATR・川人所長他)

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<概要>
脊髄損傷や脳梗塞患者の多くは、四肢の運動麻痺だけでなく、体性感覚(身体の位置や何を触ったか)麻痺を併発することがしばしば観られる。本研究は、麻痺した体性感覚を再建するための刺激パタ-ンを生成するアルゴリズムの確立を目的として、サルの上肢随意運動により生じる末梢の感覚ニューロンの活動を記録し、スパース線形回帰分析を用いて腕の運動情報から末梢神経群の活動パターンを推定することに成功した。今回作製した分析モデルは、体性感覚野に対する刺激パターンを生成するインターフェースをデザインするにあたって有用である。
14/05/01 東京医科歯科大学
「PQBP1遺伝子変異が関与する知的障害の原因を解明」
"Mutations in the PQBP1 gene prevent its interaction with the spliceosomal protein U5-15kD. (M. Mizuguchi et al.)"-Nature Communicationsにて掲載(東京医科歯科大・岡澤教授他)

5/1 YOMIURI ONLINEにて掲載「遺伝子変異で知的障害 発症の原因解明」
5/1 北國新聞ホームページにて掲載「知的障害の原因解明 富大などのグループ」
5/1 中日新聞CHUNICHI Webにて掲載「脳内タンパク質の遺伝子変異 知的障害の原因」
5/13 マイナビニュースにて掲載「TMDUなど、「PQBP1」遺伝子の変異による知的障害の発症メカニズムを解明」
5/15 日経産業新聞 5月15日号 11面にて掲載「東京医科歯科大など 知的障害に関わるたんぱく質 立体構造突き止め」

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<概要>
PQBP1は知的障害の主要な原因遺伝子として、また神経変性疾患にも関与する病態分子として知られるが、遺伝子変異がどのような分子機能変化を起こして知的障害につながるのかは明らかではなかった。今回、PQBP1タンパク質の立体構造をX線結晶構造解析によって決定し、PQBP1のYxxPxxVL配列(YxxPxxVLモチーフ)が、PQBP1とRNAスプライシング因子であるU5-15kDタンパク質の結合に必須であること、YxxPxxVLモチーフが知的障害の原因となるPQBP1変異体では全例欠損していることを発見した。したがって、PQBP1遺伝子変異に伴う知的障害は、RNAスプライシングにおいてPQBP1が正常に機能しないこと、そのためにスプライシング異常が生じて様々な遺伝子の発現に乱れが生じることが原因と考えられる。さらに、このようなメカニズムは他の知的障害にも起こりうることと想定される。
14/04/22 実験動物中央研究所、慶應義塾大学
「マーモセットにおける体外成熟卵子を用いた顕微授精(ICSI: Intracytoplasmic sperm injection)による正常産仔獲得」
"Birth of Healthy Offspring following ICSI in In Vitro-Matured Common Marmoset (Callithrix jacchus) Oocytes. (T. Takahashi et al.)"-PLoS ONEにて掲載(実中研・高橋研究員、佐々木センター長、慶應大・岡野教授他)

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<概要>
Intracytoplasmic sperm injection (ICSI)は精子一つで効率的に授精卵を作出可能であり、大きな外来遺伝子を導入できるICSI-Tr(-based trasgenesis)という遺伝子改変動物作出技術にも応用可能である。本研究ではマーモセット体外成熟卵子を用いて世界初のICSIによる正常産仔獲得を報告した。今後ICSIを用い、遺伝子改変マーモセットの効率的な繁殖を行うとともに、ICSI-Tr法によりレンチウイルスベクター法では困難な大きい遺伝子を導入した新しい遺伝子改変マーモセットの作出技術を目指す。

14/04/18 大阪大学
「将来の報酬と損失に対する非対称な時間割引(符号効果)の脳内メカニズムを解明 -肥満や多重債務などの社会問題解決へ、脳科学からアプローチに期待-」
"Neural Mechanisms of Gain-Loss Asymmetry in Temporal Discounting. (SC. Tanaka et al.)"-The Journal of Neuroscienceにて掲載(阪大・田中准教授、大竹教授他)

4/22 マイナビニュースにて掲載「阪大、損得勘定の脳のメカニズムと個人差の一端を解明」
5/22 朝日新聞朝刊 科学面(22面)にて掲載「肥満・借金・・・脳から解明 阪大 経済学「符号効果」着目」

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<概要>
大阪大学・社会経済研究所の田中沙織准教授(当時、現(株)国際電気通信基礎技術研究所)、山田克宣講師(当時、現近畿大学)、大竹文雄教授らのグループは、将来の報酬と損失に対する時間割引の非対称性(符号効果)の脳内メカニズムを解明した。符号効果は肥満や多重債務などの社会問題との関連性が近年の経済学研究にて指摘されており、この研究成果は、脳科学の視点からこれらの社会問題の予防法や解決策を見出すことが期待される。
14/04/18 東京大学
「初発統合失調症患者血漿成分のメタボロミクス解析」
"A snapshot of plasma metabolites in first-episode schizophrenia: a capillary electrophoresis time-of-flight mass spectrometry study. (S. Koike et al.)"-Translational Psychiatryにて掲載(東大・笠井教授他)

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<概要>
今回我々は、初発統合失調症患者から得た末梢血血漿成分をCE-TOFMS(キャピラリー電気泳動-質量分析法)を用いて解析し、健常対照者と比べて、クレアチンの増加、ベタイン、ペラルゴン酸、安息香酸、ペリル酸の低下を、独立した2つのサンプルセットそれぞれで認めた。これらの物質変化を組み合わせることで、統合失調症と健常者、もしくは統合失調症と広汎性発達障害を80%以上の割合で判別できることを見出し、統合失調症の診断や症状把握が可能な客観的指標となりうる可能性を見出した。また、これらの物質変化は、ホモシステイン代謝、高クレアチンキナーゼ血症、酸化ストレスと関係があり、統合失調症の病態解明に結び付く可能性を見出した。
14/04/16 東京大学
「脳の特定のシナプス活動を自在に操作できることを証明! - うつ病状態では脳を自己制御できず -」
"Operant Conditioning of Synaptic and Spiking Activity Patterns in Single Hippocampal Neurons. (D. Ishikawa et al.)"-The Journal of Neuroscienceにて掲載(東大・池谷教授他)

4/4 マイナビニュースにて掲載「脳はシナプス活動パターンをわずか15分で自在に活性化が可能 - 東大」
4/9 QLife Proにて掲載「東大 脳内の特定シナプス活動を自在に操作できることを発見」

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<概要>
脳における学習は、神経細胞によって担われていることは分かっているが、その仕組みについてはまだ多くの謎が残っている。私たちは、わずか15分のトレーニングで、海馬のシナプス活動または発火活動パターンを、自在に活性化・不活性化できることを発見した。うつ病を示すマウスでは、発火活動パターンを制御できない一方、抗うつ薬を投与するとシナプス活動の制御能が回復した。
14/04/16 東京大学
「記憶の脳回路痕跡 マウスでついに発見!」
"Unbalanced excitability underlies offline reactivation of behaviorally activated neurons. (M. Mizunuma et al.)"-Nature Neuroscienceにて掲載(東大・池谷教授他)

3/24 Science Portalにて掲載「デカルトは正しかった! 脳は興奮して記憶再生」
3/28 QLife Proにて掲載「東大 脳回路の記憶に関与するニューロンを同定」
4/10 ケアマネジメント・オンライにて掲載「<認知症解明へ光明>東京大学が記憶の脳回路痕跡を発見」

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<概要>
一度つくられた記憶は、その後、ノンレム睡眠時に脳内で再生(リプレイ)されることが知られている。しかし、どのような形で記憶痕跡が脳回路に埋め込まれ、脳がどのようにしてその記憶痕跡を再び取り出し再生するかは不明だった。私たちは、記憶にかかわったニューロンを、そうでないニューロンとは区別できる特殊な遺伝子改変マウスを用い、記憶に関わったニューロンが優先的に活動しやすくなることで記憶の再生が起こることを示した。脳回路では興奮(アクセル)と抑制(ブレーキ)は広くバランスが取られている。しかし、記憶にかかわったニューロンは大きな興奮性シグナルを受け取ることで、抑制を振り切り、記憶を再生させることが明らかになった。さらに「LTP」という学習プロセスによる興奮の増強が、記憶痕跡そのものであることも証明した。
14/04/09 昭和大学
「成人自閉症スペクトラム障害の安静時脳機能ネットワークに関するグラフ理論に基づく解析」
"Altered Network Topologies and Hub Organization in Adults with Autism: A Resting-State fMRI Study. (T. Itahashi et al.)"-PLoS ONEにて掲載(昭和大・板橋講師、橋本兼任講師、加藤教授他)

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<概要>
近年、脳のネットワークを点(脳領域)と線(結合)からなるグラフで表現し、その性質をグラフ理論と呼ばれる数学的枠組みを用いて調べる研究が盛んに行われている。本研究では、成人のASD患者と健常者を対象とし、安静時fMRIに対してグラフ理論に基づく解析を行った。健常群の脳機能ネットワークは、局所的な脳機能結合と全体的な結合が適度なバランスを保っているが、ASD患者では、このバランスが崩れていることが明らかになった。また、ネットワークには、情報集約・伝播で中心的な役割を果たすハブと呼ばれる点が存在するが、社会性に関連のある脳領域が健常群ではハブになっているが、ASD患者ではハブでないことが分かった。本研究の結果から、ネットワークのアンバランスさや社会性に関連のあるハブの損失が、ASD患者が持つ社会機能障害に重要な役割を果たしている可能性がある。
14/04/04 金沢大学
「自閉症スペクトラム障害児の脳の特徴を解明」
"Reduced long-range functional connectivity in young children with autism spectrum disorder. (M. Kikuchi et al.)"-Social Cognitive and Affective Neuroscienceにて掲載(金沢大・菊知特任准教授、東田特任教授他)

4/1 共同通信47NEWSにて掲載「発達障害児、脳内の情報伝達弱い 金沢大特任教授らの調査で判明」
4/1 デーリー東北新聞社ONLINE SERVICEにて掲載「発達障害児、脳内の情報伝達弱い 金沢大特任教授らの調査で判明」
4/2 日本経済新聞 電子版にて掲載「発達障害の児童、情報伝達活動に弱さ 自閉症など」
4/2 中日新聞 CHUNICHI Webにて掲載「脳内情報伝達力 発達障害児弱く 金大が初確認 早期発見、治療に道」
4/7 マイナビニュースにて掲載「自閉症スペクトラム障害の脳は左前方部と右後方部のつながりが低い -金沢大」

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<概要>
3~7歳の定型発達児童と自閉症スペクトラム障害児童の計100人を対象に、自発的な脳の活動について長距離間の脳内機能結合について幼児用MEGを使って調べた。その結果、自閉症スペクトラム障害児は、脳の右前方部と左後方部のつながりが低下していることが判明した。そして、このつながりの低下は、社会性の乏しさと関連していた。幼児の自発的な脳活動の結合を覚醒状態で調べた世界で初めての報告である。
14/03/31 慶應義塾大学
Nature Japan 特集記事(3月27日 研究者訪問)に慶應義塾大学・仲嶋教授の研究に関する記事が掲載されました。
 「海馬の神経細胞がロッククライミングのように移動して積層することを解明」

【対象論文】: "Hippocampal Pyramidal Neurons Switch from a Multipolar Migration Mode to a Novel "Climbing" Migration Mode during Development. (A. Kitazawa et al.)"-The Journal of Neuroscienceにて掲載(慶應大・仲嶋教授他)

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14/03/03 名古屋大学、藤田保健衛生大学
「統合失調症患者および健常者における14-3-3εをコードしているYWHAE遺伝子多型と眼窩前頭皮質の脳溝脳回パターン」
"The polymorphism of YWHAE, a gene encoding 14-3-3epsilon, and orbitofrontal sulcogyral pattern in patients with schizophrenia and healthy subjects. (T. Takahashi et al.)"-Progress in Neuro-Psychopharmacology and Biological Psychiatryにて掲載(名大・尾崎教授、藤田保健衛生大・岩田教授他)

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<概要>
眼窩前頭皮質(OFC)の脳溝脳回パターンは、統合失調症患者が有する神経発達障害の指標である可能性が示されているが、その分子メカニズムは明確ではない。本研究では、MRIを用いて、統合失調症患者と健常者を対象に、脳溝によるOFCのサブタイプ(Type I, II, III)に統合失調症関連YWHAE遺伝子多型(rs28365859)が与える影響を検討した。その結果、健常者の左半球において、発症抑制遺伝子多型である C alleleをもつ者は、GG alleleをもつ者と比較して、Type IIIが減少し、TypeⅠが増加していた。本研究の結果から、発症関連YWHAE遺伝子多型が発達早期のOFC脳回パターンに何らかの役割を果たしている可能性が示唆された。
14/03/03 生理学研究所
「社会能力発達評価「成人用かかわり指標」(IRSA)の信頼性と妥当性」
"Validity and Reliability of the Interaction Rating Scale Advanced (IRSA) as an Index of Social Competence Development. (T. Anme et al.)"-Public Health Researchにて掲載(生理研・定藤教授他)

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<概要>
社会能力発達の評価指標として「成人用かかわり指標」(IRSA)を開発し、妥当性と信頼性を検討した。「成人用かかわり指標」は5分程度の相互作用状況の行動観察により、複数の成人(15歳以上)の社会能力の特徴を92項目で評価する指標である。専門職評価と0.58の有意な相関が得られた。クロンバックα係数は0.89であった。IRSAの妥当性と信頼性が検証され、実効性の高い指標として今後の活用が期待される。
14/02/20 理化学研究所   国立精神・神経医療研究センター
「気分の波」を緩和する薬剤の作用メカニズム解明に一歩前進」
"Defective Craniofacial Development and Brain Function in a Mouse Model for Depletion of Intracellular Inositol Synthesis. ( T. Ohnishi et al.)"-Journal of Biological Chemistryにて掲載(理研・大西研究員、吉川チームリーダー、国立精神・神経医療研究センター・三島部長他)

2/13 日経プレスリリースにて掲載「理化学研究所、「気分の波」を緩和する薬剤の作用メカニズムの一端を解明」
2/14 マイナビニュースにて掲載「理研など、躁うつ病用気分安定薬のリチウムの作用メカニズムの一部を解明」
2/14 日経バイオテクONLINEにて掲載「理化学研究所、「気分の波」を緩和する薬剤の作用メカニズム解明に一歩前進-細胞内でイノシトールを合成する生化学的経路は下顎の発育にも関与-」
2/14 Security Online Newsにて掲載「「気分の波」を緩和する薬剤の作用メカニズム解明に一歩前進 [理化学研究所]」
2/17 医療専門サイト m3.comにて掲載「リチウムが気分を安定させる理由~イノシトールモノフォスファターゼの抑制が鍵~」
2/17 財経新聞にて掲載「理化研究所、躁うつ病治療薬剤の作用メカニズムの一部を解明 副作用の回避につながる可能性」
2/17 Economic Newsにて掲載「躁うつ病治療が一歩前進 理化研究所が薬剤の作用メカニズムを解明」
2/26 薬事日報朝刊3面にて掲載「リチウムの作用解明に光 イノシトール枯渇マウス発見 理研など」

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<概要>
リチウムは代表的な気分安定薬ですが、効果がどのような仕組みによって発揮されるのか未だに決着していません。ビタミン様物質「イノシトール」を作り出す酵素「イノシトールモノフォスファターゼ」は、リチウムによって直接その働きが抑制されます。そこで共同研究グループは、点変異遺伝子操作によりイノシトールモノフォスファターゼの働きを抑えたマウスを作成しました。このマウスとリチウムを投与した正常マウスが類似の行動変化を示したため、リチウムの気分安定薬作用はイノシトールモノフォスファターゼの働きを抑えることによるものであると推察しました。また、点変異マウスは、下顎や肋骨の形成異常を示したため、細胞内イノシトールは正常な脳機能ばかりでなく骨の発達にも必要なことが判明しました。今回の結果が、新しい気分安定薬の開発にも役立つことが期待されます。
14/02/07 理化学研究所
「22q11.2欠失症候群のエクソーム解析と統合失調症関連遺伝子」
"22q11.2 deletion carriers and schizophrenia-associated novel variants. (S. Balan et al.)"-The British Journal of Psychiatryにて掲載(理研・吉川チームリーダー他)

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<概要>
統合失調症の発症し易さには、数千以上の遺伝子多型が関連しているという試算がある。それら全部をGWASで同定しようとすると、天文学的なサンプルサイズが必要になってくる。我々は、3-4割が統合失調症を発症する22q11.2欠失症候群(22q11.2DS)に着目し、統合失調症を発症した22q11.2DSと非発症の22q11.2DSの全エクソン配列を比較した。その結果、神経系の5つの新規遺伝子でナンセンスおよびフレームシフト変異を検出し、統合失調症関連遺伝子であると推察した。今回のアプローチは、未だ同定されていない多くの統合失調症関連遺伝子探索の1つの方法論になることが期待される。
14/02/04 大阪大学、理化学研究所
「アルツハイマー病の原因を制御する遺伝子KLC1Eを発見 根治治療法につながるメカニズムを解明 画期的な治療法の開発に期待」
"Transcriptome analysis of distinct mouse strains reveals kinesin light chain-1 splicing as an amyloid-β accumulation modifier. (T. Morihara et al.)" -Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of Americaにて掲載(阪大・森原助教、林特任助教、武田教授、理研・角田グループディレクター他)

2/4 日テレNEWS24にて掲載「遺伝子発見 アルツハイマー治療の可能性も」
2/4 ytvにて掲載「阪大、アルツハイマー病の原因遺伝子発見」
2/4 CBC NEWSiにて掲載「アルツハイマー病で脳に蓄積 「アミロイドβ」制御する遺伝子発見」
2/4 FNNフジニュースネットワークにて掲載「阪大研究チーム、アルツハイマー病の原因となる新たな遺伝子発見」
2/4 静岡新聞にて掲載「脳内に原因物質ためる遺伝子発見 アルツハイマー病」
2/4 北海道新聞にて掲載「脳内に原因物質ためる遺伝子発見 アルツハイマー病」
2/4 日本経済新聞 電子版にて掲載「アルツハイマー原因物質減らす遺伝子発見 阪大など」
2/4 日刊工業新聞Business Lineにて掲載「阪大、アルツハイマー関与遺伝子を新たに発見」
2/4 時事ドットコムにて掲載「アルツハイマー関与の遺伝子=診断や治療法開発に期待-阪大など発見」
2/4 共同通信47NEWSにて掲載「脳内に原因物質ためる遺伝子発見 アルツハイマー病」
2/4 YOMIURI ONLINEにて掲載「アルツハイマー関与の遺伝子を発見...阪大チーム」
2/4 西日本新聞にて掲載「脳内に原因物質ためる遺伝子発見 アルツハイマー病」
2/4 TBS NEWS iにて掲載「アルツハイマー病で脳に蓄積「アミロイドβ」制御する遺伝子発見」
2/5 マイナビニュースにて掲載「阪大、アルツハイマー病の原因「Aβタンパク」の蓄積を制御する遺伝子を発見」
2/5 JCCテレビすべてにて掲載「“アルツハイマー病”根本治療に可能性か」

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<概要>
アミロイドβ蛋白が蓄積しにくいマウス系統を発見し、この系統の背景遺伝子の特徴を網羅的発現解析により明らかにすることで、アルツハイマー病の中心病理であるアミロイドβ蛋白の脳内蓄積量がKLC1 スプライスバリアントE(KLC1E)によって制御されていることを突き止めた。KLC1Eによるアミロイドβ蛋白の制御はヒト剖検脳や神経培養細胞でも確認された。これらの発見は、細胞内輸送の障害がアルツハイマー病の発症に関与していることを示します。また「マウス体質差の網羅的発現解析によるヒト疾患の解明」という研究戦略は、多くの多因子疾患の関連遺伝因子同定に応用可能です。
14/01/30 生理学研究所
「音楽を用いた新しい突発性難聴の治療法 - 脳の可塑性に基づいた新しいリハビリテーション療法。突発性難聴発症後、弱った耳を積極的に活用することで聞こえを改善させる。」
"Constraint-induced sound therapy for sudden sensorineural hearing loss - behavioral and neurophysiological outcomes. (H. Okamoto et al.)"-Scientific Reportsにて掲載(生理研・岡本特任准教授、柿木教授他)

1/29 日本経済新聞 電子版にて掲載「クラシック音楽で高い治療効果 原因不明の突発性難聴」
1/30 中京テレビ CTV News Headlineにて掲載「突発性難聴を音楽で治療、生理学研究所発表(愛知県)」
1/30 朝日新聞DIGITALにて掲載「突発性難聴、音楽聴かせ治療 愛知・生理研が発表」
1/30 中日新聞CHUNICHI Webにて掲載「突発性難聴に音楽鑑賞療法 生理研など考案」
1/30 WEBジャーナルOPTRONICSにて掲載「生理研、音楽を用いた新しい突発性難聴の治療法を開発」
1/30 CBC NEWS i にて掲載「難聴のリハビリにクラシックを」
1/30 マイナビニュースにて掲載「「突発性難聴」になった耳は使えば使うほど回復する - NIPSが新療法を開発」
1/30 東海愛知新聞にて掲載「音楽療法で突発性難聴解消へ~生理研・岡本特任准教授ら研究発表~」
2/10 QLifeProにて掲載「生理学研究所 音楽で突発性難聴患者の聴力が回復することを明らかに」

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<概要>
突発性難聴は急激に聴力が低下する原因不明の疾患であるが、どの治療法が有効かいまだ判明していない。今回、我々は突発性難聴を発症した患者に、病側耳を積極的に活用する「病側耳集中音響療法」を追加で行うことで、聴力がより回復すること、また患者の聴覚誘発脳磁場反応が健常者の反応に近づくことを明らかにした。安価で安全な突発性難聴治療方法に結びつくのではないかと考える。
14/01/29 東京大学
「「生活の質の主観的満足度」と「前頭前野の活性」の関連 近赤外線スペクトロスコピーを用いて明らかに」
"Potential biomarker of subjective quality of life: Prefrontal activation measurement by near-infrared spectroscopy. (Y. Satomura et al.)"-Social Neuroscienceにて掲載(東大・里村医師、笠井教授他)
(日本語)
(English)

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<概要>
近年、疾病の治療や寿命の延長のみではなく、主観的なQOLの充実が重視されつつある。しかし、主観的なQOLの形成に脳機能がどのように関与しているかは明らかにされていない。本研究では主観的なQOLの背景にある神経基盤を明らかにするため、72名の健常者を対象に、52チャンネルNIRSを用いて計測した前頭前野の賦活反応性と主観的なQOLの関連について調べた。その結果、主観的なQOLが高いほど認知課題中の前頭前野の賦活反応性も高いという結果が得られた。また、主観的なQOLのうち身体的領域や社会関係における満足度が、より強く前頭前野の賦活反応性と関連していた。これらの結果は、前頭前野の機能が主観的なQOLの形成において重要な役割を担っており、また、NIRSを主観的なQOLの生物的な指標として利用出来る可能性を示唆している。
14/01/27 国立精神・神経医療研究センター
「FKBP5の機能多型rs1360780が視床下部-下垂体-副腎系(HPA系)と末梢血遺伝子発現に及ぼす影響」
"Effect of the common functional FKBP5 variant (rs1360780) on the hypothalamic-pituitary-adrenal axis and peripheral blood gene expression. (T. Fujii et al.)" -Psychoneuroendocrinologyにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・藤井研究員、功刀部長他)

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<概要>
FKBP5 (FK506 binding protein)は、視床下部ー下垂体ー副腎系(HPA系)によるストレス応答を規定し、心的外傷後ストレス障害(PTSD)のリスク遺伝子であるとされる。本研究は一般成人を対象として、FKBP5の一塩基多型rs1360780 (C/T)とストレス応答との関連を検討した。高齢群(>50歳)では、リスクアリルTをもつ者は、もたない者と比較してデキサメタゾン/CRH負荷テストに対するコルチゾ-ル反応が有意に抑制されていた。さらに、末梢血中のグルココルチコイド受容体の発現(mRNA)の上昇と、FKBP5の発現低下が観察された。若年群ではこのような関連は認められなかった。FKBP5による遺伝的に規定された年齢依存的なHPA系の抑制が、PTSD発症リスクを与えることが明らかになった。
14/01/24 国立長寿医療研究センター
「シナプス膜脂質組成に与えるアポリポ蛋白質E遺伝子型の影響」
"Influence of APOE genotype and the presence of Alzheimer's pathology on synaptic membrane lipids of human brains. (N. Oikawa et al.)"-Journal of Neuroscience Researchにて掲載(国立長寿医療研究センター・柳澤部長他)

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<概要>
アポリポ蛋白質E(apoE)の遺伝子型は、アルツハイマー病(AD)発症に影響する強力な遺伝要因でありながら、その神経生物学的作用機序は明らかでない。今回、ヒト剖検脳よりアミロイド蓄積開始部位であるシナプス膜を単離し、詳細に脂質組成を解析した結果、AD発症に抑制的に働くapoE2はアミロイド蓄積開始に促進的に働くコレステロール含量を有意に減少させることが確認された。
14/01/23 慶應義塾大学
「発生時における海馬の形成過程が判明、脳神経細胞が“ロッククライマー”のように移動 -精神・神経疾患の病態解明の進展に期待-」
"Hippocampal Pyramidal Neurons Switch from a Multipolar Migration Mode to a Novel "Climbing" Migration Mode during Development. (A. Kitazawa et al.)"-The Journal of Neuroscienceにて掲載(慶應大・仲嶋教授他)

1/22 化学工業日報 朝刊6面にて掲載「慶応大が海馬の形成過程解明」
1/22 日経プレスリリースにて掲載「慶大、脳の海馬が形成される過程で神経細胞が機能する場所まで移動する様式を解明」
1/22 マイナビニュースにて掲載「慶応大、脳の海馬を担う神経細胞が誕生後に海馬まで移動する際の方式を解明」
1/22 WEBジャーナルOPTRONICSにて掲載「慶應大、脳の海馬で誕生した神経細胞の移動様式を明らかに」
1/25 Mental Styleにて掲載「まるでロッククライマーのよう、海馬で誕生した脳神経細胞~慶應義塾大学の研究成果とは~」

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<概要>
海馬は様々な神経・精神疾患で注目されている脳部位であるが、その発生過程において移動細胞がいかなる形態変化をしながら誕生部位から最終配置部位へと向かうのか等、基本的な情報も乏しいのが現状である。そこで本研究では、発生過程において最終的な組織構造を形成していく過程を可視化して、海馬発生と大脳新皮質発生とを比較しつつその形成機構を明らかにすることを目指した。その結果、海馬の脳室面近くで新たに誕生した神経細胞は、その直上で多極性の形態をとって長く留まり、多数の突起を伸縮する特徴的な動き(「多極性移動」)を示す点では新皮質と共通であることがわかった。ところがその後両者では大きな相違が見られ、新皮質では放射状グリア線維を足場として「登り棒」を登るように移動していくのに対し、海馬においては複雑な分岐のある先導突起を複数伸縮して、多くの放射状グリア線維を使いながらジグザグとゆっくり移動していくことを見いだした。後者はロッククライマーの動きにも似ているため、新たに見いだしたこの細胞移動様式を「クライミング様式」と命名した。
14/01/22 東京大学
「細胞死や免疫応答を調節する新たな分子メカニズムを発見」
"Roquin-2 Promotes Ubiquitin-Mediated Degradation of ASK1 to Regulate Stress Responses. (T. Maruyama et al.)"-Science Signalingにて掲載(東大・一條教授他)

1/23 マイナビニュースにて掲載「東大、シグナル伝達分子ASK1の分解を促進するタンパク質「Roquin-2」を発見」

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<概要>
ASK1タンパク質は、活性酸素による細胞死やアレルギー・炎症などの免疫応答を促進し、さまざまな疾患を誘導する。今回、このASK1をユビキチン化という過程を介して分解し、不活性化する新たなタンパク質Roquin-2を発見した。Roquin-2は、過剰な細胞死や免疫応答を抑制し、脳や心臓などの虚血性臓器障害や神経変性疾患、炎症や自己免疫疾患などに対する新たな治療ターゲットとなることが期待される。

14/01/10 国立精神・神経医療研究センター
「L-theanineによる健常者の感覚フィルター機能への効果」
"Effect of L-theanine on sensorimotor gating in ealthy human subjectsEffect of L-theanine on sensorimotor ating in healthy human subjects. (M. Ota et al.)"-Psychiatry and Clinical Neurosciencesにて掲載(国立精神・神経医療研究センター・太田室長、功刀部長他)

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<概要>
L-Theanine (N-ethyl-L-glutamine)は緑茶に多く含まれているアミノ酸で、グルタミン酸に構造が類似しており、認知機能を改善させる可能性が示唆されている。我々は、これまでに、感覚フィルター機能が障害された統合失調症モデル動物(MK-801投与マウス)にL-theanineを投与すると、プレパルスインヒビションで評価した感覚フィルター機能が改善されることを見出した。そこで、今回、健常被験者14名を対象にL-theanineをそれぞれ200㎎、400㎎、600㎎単回投与し、感覚フィルター機能への影響を検討した。その結果、200㎎および400㎎の投与によってプレパルスインヒビションテストにおける驚愕反応の抑制率が高くなることが観察された。以上から、L-theanineは特定の用量において、感覚フィルター機構の改善効果を持つことが示唆された。
14/01/10 名古屋大学
「自閉症スペクトラム障害の発症メカニズムにおけるゲノムコピー数変異の関与」
"Copy-number variation in the pathogenesis of autism spectrum disorder. (E. Shishido et al.)"-Psychiatry and Clinical Neurosciencesにて掲載(名大・尾崎教授他)

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<概要>
双生児研究などの成果から、自閉症スペクトラム障害(ASD)の発症に遺伝因子の関与が示唆されている。DNAアレーや次世代シーケンサーによるゲノム解析手法の進展により、全ゲノムにわたる網羅的な検討が可能になり、ゲノムコピー数変異(CNV)と自閉症スペクトラム障害の関係が明らかになってきた。これらの知見は、今後ASDの理解や対応に活かされることが期待される。
14/01/07 医薬基盤研究所
「次世代質量分析計を用いた血中超微量アルツハイマー病診断マーカー定量法の確立」
"Absolute Quantitation of Low Abundance Plasma APL1β peptides at Sub-fmol/mL Level by SRM/MRM without Immunoaffinity Enrichment. (S. Sano et al.)" -Journal of Proteome Researchにて掲載(医薬基盤研究所・佐野研究員、朝長プロジェクトリーダー他)

1/8 マイナビニュースにて掲載「NIBIO、微量の血液でアルツハイマー病の発症予測を可能にする検査法を開発」
1/22 ケアマネジメント・オンラインにて掲載「<アルツハイマー>微量の血液で診断するマーカーの定量法を確立~NIBIO~」

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<概要>
アルツハイマー病の原因物質Aβ42と同様の機構で産生されるAPL1β28は、患者髄液中で増加しており、新規のアルツハイマー病サロゲートマーカーとして注目されている。しかし、髄液検査は侵襲が高いため健診には不適であり、血液検査などのより侵襲の低い手段が必要である。今回我々は、次世代質量分析計を用いて、血液中にfmol/mL以下の超微量に存在するAPL1βの検出・定量に成功した。本成果はアルツハイマー病の発症予測に有用である。
14/01/06 東京大学、理化学研究所
「統合失調症患者の神経細胞でレトロトランスポゾン配列が増大 ― 統合失調症の病態理解への大きな一歩 ―」
"Increased L1 Retrotransposition in the Neuronal Genome in Schizophrenia. (M. Bundo et al.)"-Neuronにて掲載(東大・文東特任助教、岩本特任准教授、笠井教授、理研・吉川チームリーダー他)

1/3 日経プレスリリースにて掲載「東大と理化学研究所、統合失調症患者の神経細胞でレトロトランスポゾン配列が増加していることを発見」
1/6 Security Online Newsにて掲載「統合失調症患者の神経細胞でレトロトランスポゾン配列が増大 [東京大学大学院医学系研究科]」
1/7 マイナビニュースにて掲載「東大など、統合失調症に転写因子「LINE-1」が関わっていることを発見」
1/9 医療情報サイト m3.comにて掲載「統合失調症患者の神経細胞でレトロトランスポゾン配列が増大~統合失調症の病態理解への大きな一歩~」
1/14  QLife Proにて掲載「東大ら 統合失調症の病態に転移因子LINE-1の増化が関与と発表」

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<概要>
レトロトランスポゾンLINE-1が神経前駆細胞のゲノム中で増幅されることが示されている。本研究では精神疾患の病態とLINE-1が関係している可能性を考え、統合失調症患者の死後脳DNAにおけるLINE-1のコピー数を測定したところ、健常者に比べて有意なコピー数の増加を認めた。またこのコピー数増加は神経細胞で起きていること、神経機能に重要な遺伝子に転移が認められることを明らかにした。また神経発達障害仮説に関連した複数の動物モデルや、患者由来のiPS細胞から分化させた神経細胞においても、LINE-1のコピー数増加を認めた。
14/01/06 名古屋大学
「TDP-43関連前頭側頭葉変性症と筋萎縮性側索硬化症における下位運動ニューロン障害」
"Lower Motor Neuron Involvement in TAR DNA-Binding Protein of 43 kDa-Related Frontotemporal Lobar Degeneration and Amyotrophic Lateral Sclerosis. (Y. Riku et al.)"-JAMA Neurology にて掲載(名大・祖父江教授他)

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<概要>
TDP-43病理が確認されたFTLD-TDP 53例の予後、下位運動ニューロン病変を検討した。生存期間中央値は、経過中運動ニューロン症候を認めなかった群では7年、認知症発症後に運動ニューロン症候を呈した群では2.3年、運動ニューロン症候発症後に認知症を呈した群では1.8年であった。運動ニューロン症候のないFTLDでも病理学的には高率に下位運動ニューロン変性を認め、変性の強さは生命予後不良因子であった。
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