ご挨拶

2010年5月   伊佐 正 

先月のこの欄で「4月は1日になったとたんに一旦カレンダーがスカスカになります」と書きましたが、結局それは4月5日くらいまで。その後はいつも通りのぎゅうぎゅうの毎日が始まりました。7件、合計13日の出張でした(海外も含む)。ただ、それでも4月の頭にカルテクの下條先生に岡崎に来ていただき、個人的に随分長い時間を取っていただいてお話が聞けたこと、下旬にはNIHの彦坂先生を訪ね(彦坂先生が移られてから初めての訪問でした)、彦坂先生だけでなく、LSR/NEIやNIMHの錚々たる面々、例えばBruce Cumming, David Leopold, Bob Wurtz, Lance Opticanといった人たちの研究室を訪ねて、いつもの研究室訪問のようにそれぞれ45分ずつみっちり研究の話を伺ったことと、informal seminarでblindsightに関する一連の最近の仕事について話をさせていただき、途中で質問がどんどん飛び交い、大いに盛り上がれたのはとても楽しいことでした。後で出した礼状に対するご返事に“Although I thought I knew your experiments, listening to your talk was a totally different experience.”と書かれてあったのを読んで、やはり論文を出しただけで満足するのではなく、あちこちで話をして回ることの重要さを再認識しました。やはりまとまった話を聞かないと、その研究者がどのようなphilosophyで研究を積み重ねているかわからないということもありますからね。我々のようなシステム神経科学の場合はそうです。私としては特に、Leopoldたちも主にfMRIを用いてサルのblindsightの研究を始めているので未発表データについてもみっちり話をし、相互にかなり相補的な内容だから頑張ろう、と理解しあえたのは大きな収穫でした。


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 伊佐 正 教授 
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