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心と体の科学

番外編 光る生物の不思議

2009.5 vol.9

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実は私も2年前まで岡崎市民。生理学研究所のお隣の基礎生物学研究所に通い、研究生活を送っていました。このような機会を持てたこと大変嬉しく思います。
 今回は生き物の光がテーマということで、講演の後には実験で実際に手を動かしてもらう時間を設け、科学をより深く楽しめるようにプログラムを作りました。講演や実験中には会場のあちこちから声が上がり、市民の皆さまがとても積極的に参加してくださって、科学に対する関心の高さを感じました。
 生物たちが作り出す光は不思議で、心和むものです。一方で、生物発光の仕組みを利用した技術は今や生物学や医学の研究には欠かせなくなり、私たちが日々見聞きする研究成果や新しい技術も、裏では色鮮やかな蛍光タンパク質たちが大活躍していることが少なくありません。
 光を目印として、普段は見えず区別もしにくい細胞を見えるようにするこの技術。皆さんなら、この光を使って何をみたいと思いますか?
                                    日本科学未来館 科学コミュニケーター 黒川 紘美

 

ウミホタルの光ウミホタル.jpg

ウミホタルは、海産の甲殻類です。夜行性で、基質ウミホタルルシフェリンと酵素ウミホタルルシフェラーゼを発光物質として分泌します。これが海中の酵素と反応して発光します。乾燥ウミホタルをすりつぶして水と混ぜる実験をしました。

 

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ホタルの発光は、ホタルの体内にあるルシフェラーゼという酵素と、発光物質ルシフェリンが作用し、酵素と反応して生じます。ルシフェラーゼを溶かした液と、ルシフェリンを溶かした液を混ぜて光らせる実験をしました。

 

 

GFPで光る生物の不思議 

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下村博士が発見したオワンクラゲの体内にある緑色蛍光タンパク質(GFP)。青色の光を吸収し、緑色に光る蛍光タンパク質です。遺伝子改変技術を応用すれば、このGFPで、様々な生物の体や神経を光らせることができます。

 

 

 

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