第8回 脳の神経細胞を見てみよう
2010.3 vol.14
今回は、岡崎市立東海中学校の生徒さんが、「パッチクランプ」という実験方法でマウスの脳神経細部を観察しました。
パッチクランプって何?
1991年ノーベル生理学・医学賞を受賞したエルヴィン・ネーアー教授とベルト・ザクマン教授によって発明された実験方法です。
細胞1個のようにとっても小さな場所に、ガラスの針でできた電極をくっつけて、電流とか電圧の変化を計測する方法です。
近年では、シナプスや樹状突起、軸策での局所的な出来活動を直接計測するためにも使われています。
「未来の研究者」に夢をたくす ー岡崎市立東海中学校の生徒さんの感想ー
今日の見学は本当に良い勉強になりました。正直、見学に行く前は脳についてあまり関心もなかったけれど、吉村先生から話を聞いたり、顕微鏡でニューロンを見たりしたら、すごさに感激し、興味が出てきました。
初めの絵を見たとき、一度ウシの絵が見えたら、その後はウシにしか見えなくなり、確かに「脳ってすごいな」と思いました。そして、それが脳のニューロンという細胞によって伝えられているということも少し理解できました。
ニューロンには興奮性と抑制性の二種類があり、抑制性のなかにもいくつかの種類があると聞き、脳はとても複雑なものだということを知りました。顕微鏡で見たときも、違いがよく分かりました。また、興奮性ニューロンは情報を伝える役割、抑制性ニューロンは興奮性ニューロンの行き過ぎを止めて、バランスをとる役割、それぞれにきちんと役割があって、うまくできているなあと思いました。
吉村先生の話を聞いて、脳にはまだまだ不思議なことがたくさんあり、とても興味深いものだということが分かりました。
(手嶋 亮介)
「 生理学ということは、生物分野か。テストでは点が取れない分野だ。」
学校で担任の先生から、今回の見学の話を聞いた時に、瞬間的に思ったことです。理科は嫌いではないし、家でも金魚を飼っているので、生物には興味がありました。
生理学研究所は、廊下には英語で書かれたレポートがずらりと並んでいて、今まで経験したこともないような雰囲気でした。
ダイノウシンヒシツ、ニューロン、シナプス・・・?全く知らない言葉でした。まず大脳新皮質やニューロン、シナプスなどについて説明を受けましたが、その間、質問は一つもできませんでした。理解できなかったわけでも興味がなかったわけでもなく、ただ驚いていました。こんな世界があるものかと。
それから、顕微鏡を使って、いろんな方法で興奮性や抑制性のニューロンを観察しました。分かりやすく説明をしてもらえたので、理解できたし、大変面白い内容だと思いました。
今回、生理学研究所で見学させていただき、私という人間の小ささを痛感しました。生理学に限らず、私には知るべきことがたくさんあると思いました。もっとたくさんのことを勉強して、大きな人間になりたい。今回、見学できたことをとても感謝しています。
(島田 堅太)
生理学研究所、吉村先生の研究室の見学は、初めて聞くことばかりで難しかったのですが、とてもためになりました。吉村先生や研究室の先生方が難しい用語を使うたびに、自分の知識の浅さを感じました。でも、先生方のお話を聞いていくうちに、「なるほど」と思うこともたくさんありました。今も「ニューロン」と「シナプス」のことは、しっかりと頭の中に収まっています。一番心に残っているのは、顕微鏡でニューロンを観察した事です。先生から人間の脳について、まだ詳しいことはほとんど解明されていないと聞いて、人が知ることのできる事実はわずかだと感じました。
今回の見学で、私は自分たちの脳の事を少しだけ知ることができました。身の回りの不思議なことを自分で考えて、追究していくことはとても大切だと思います。この生理学研究所を見学して、自分ももっと多くのことを学ぼうという意欲がわいてきました。そして何より、普段は入ることのない場所を見学できて、楽しかったです。ありがとうございました。高校でも、脳のことをまた勉強する機会があったらと思います。
(富田 春香)
私は吉村教授の研究室を見学して、ニューロンやシナプスなど脳の事について学びました。吉村教授は、中学生に分かるように説明してくれたので、とても分かりやすかったです。見学に行く前、先生から「人間の脳を見るかもしれない。」と聞いていたので、少し怖かったけれど、マウスの脳のスライス標本だったので安心しました。レーザー光スキャンの興奮性シナプスの観察では、脳の細胞を吸いつけるときに、図やグラフで説明してくれたので、何をしているのか理解できました。三か月も練習が必要な技術ということで、そんな大変な実験を見ることができて、嬉しかったです。
大きな顕微鏡に触れたり、今の日本の脳の研究の状況をしることができたり、日常生活ではできないような体験ができました。本当にありがとうございました。
(浅井 麻里子)
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