第14回 ヒトの脳とこころの関係を画像で迫る!
2011.7 vol.22
岡崎市立矢作北中学校の生徒さんが、ヒトの脳とこころの関係について学びました。
●脳機能イメージング、fMRIってなに?
脳機能イメージングとは、脳の活動を画像化することです。ヒトが何かを見たり、触ったり、運動するなどした時に、脳のどこが活動しているかを、fMRIという機械を使って調べることができます。
★どうして脳の活動を知ることができるの?
脳が活動するにはたくさんの酸素が必要です。そのため、脳が活発に活動する箇所の血液には、酸素が多く含まれる酸化ヘモグロビンが多くなり、血流も多くなります。それをfMRIで測ることで、脳の活動している箇所を知ることができるのです。
★脳は分業制になっています。
★せいりけんにはこんなfMRIもあります
Dual-fMRIは、二人同時に脳の活動を計測することができます。社会脳とよばれる被験者同士のコミュニケーション中の脳の状態を調べることができます。
●顔はヒトにとって特別?
ヒトに色々なものを見せて、その時の脳の反応を調べる実験をしてみました。すると、「人の顔」を見せた時は、その他のものを見せた時より、大きな反応がでたのです。つまりヒトにとって、「人の顔」は特別である可能性があります。
「未来の研究者」に夢をたくす 岡崎市矢作北中学校の生徒さんの感想
生理学研究所で見学した内容は、初めて聞くことが多くて難しかったです。しかし、1つ1つのお話をとても楽しく聞くことができ、脳について少しでも興味を持つことができました。
その中でも、特に興味を持ったのがfMRIです。とても強力な磁場を利用して脳の血流をはかり、脳のどこが活動しているのか知ることができるすごさに感激しました。
fMRIの部屋に入る時にも、強力な磁場がはたらいているので、スリッパについている細かい砂鉄からベルトの金属部分まで、すべての金属をとらないと危険なことを知り、少し驚きました。
今回、脳について知らないことも知ることができ、とてもよい経験になりました。これからもっと多くのことを勉強して、少しでも脳についての知識を取り入れたいと思います。
今回は貴重な機会をありがとうございました。
(3年 藤江 修吾)
正直、今日聞いたことは、半分以上が初めて聞くことで、意味の分からないことばかりでした。ニューロンって何だ?全く意味が分かりませんでした。でも、先生方の話を聞いていくうちに、「ああ、なるほど」と共感できる部分もたくさんありました。脳トレなども科学的には証明されていないことだという話も聞いて、面白かったです。
僕たちは、先生に
「中学生のころは何をやっていましたか。」
と聞きました。すると先生は、
「水泳をしていて普通に生活していましたよ。」
と、おっしゃっていました。 このことから、まだ自分たちにもいろいろな夢がもてるんだなあ思いました。
今回の生理研訪問で見たこと、知ったことは、山ほどあります。その知ったことを頭でしっかりと整理して、日常生活に役立てたらなあと思いました。ありがとうございました。
(3年 小田 力也)
今回、わたしたちは、「見るものによってひとの脳の活動って変わるの?」というテーマで脳のはたらきについて学びました。
物を見る時には、脳のいろいろな部分を使います。先生の話では、ヒトの顔を見る時と、景色を見る時には脳の違う部分が使われていることが分かりました。普段何気なく見ているものでも、見るものによって、脳の部分を使い分けていることにたいへん驚きました。
また、陰影の状況など条件の違いによって、同じ色が違う色に見えたりするという話も聞きましたが、ヒトの脳は一見すると、質が良さそうですが、実はそうではないのかなと思いました。
自動車に興味があって、いろんな種類を知っている人は、自動車を見分けるときに脳のどこを使っているか?というようなことも研究していくという話も興味深く感じました。
今回の生理研訪問で学んだことを、たくさんの人に教えてあげたいです。
(3年 上原 美鈴)
今回、私は脳のニューロンについての話を聞きました。話をしてくださった研究者の方は、私たちの身近なことを例に挙げ、難しい話を優しく、分かりやすく教えてくださいました。
また、脳の活動をはかるfMRIという装置を近くで実際に見ることもできました。装置の中でヒトの顔や体の一部、自動車などを順番に見て、脳のどこがはたらいているのかということを調べているそうです。このfMRIの画像を見せてもらって、見るものによって、ヒトは脳の違う部分を使うことが分かりました。
正直、これまで脳のことには興味が無かったけど、これをきっかけにとても興味がわきました。また、このような機会があれば、積極的に参加して、もっと脳のことを知りたいと思いました。
(3年 杉本 帆乃夏)

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