第11回 超高圧電子顕微鏡でみるミクロの世界
2010.11 vol.18
せいりけんの超高圧電子顕微鏡は、医学・生物学専用で使用できる国内唯一の超高圧電子顕微鏡です。この装置を使用して、岩津中学校の生徒さんがミクロの世界を探検しました。

超高圧というのは電子にかける電圧のこと。100万ボルト、家の電源の1万倍もの電圧をかけて電子を送りだし、ナノメートル(1㎝の千万分の1)まで小さなものをみることができるのです。この超高圧電子顕微鏡で、小さな小さな細胞を立体的に見えるような技術が現在開発されています。
電子ってなに?
電子はふつ原子の中にいますが、力を受けると原子から引き離されて外に出て来ます。これが電気の正体です。電子顕微鏡では光の代わりにこの電子を使うことによって、光では見えないような試料の詳細な様子まで観察することができます。
細胞を観察してみよう
生物は細胞からできていて、その一つ一つが呼吸をし活動しています。細胞の薄い切片を高い真空に保たれた電子顕微鏡の中にセットし、超高圧の電子線を照射します。すると、細胞の内部の様子が鮮明に映し出されます。

細胞を3Dでみてみよう
細胞の中は核やミトコンドリア、ゴルジ体などの構造物で満たされています。顕微鏡の中で試料を傾けて撮影することで、3Dメガネをかけて見ると細胞の内部を立体的に観察することができます。
『未来の研究者』に夢をたくす -岡崎市立岩津中学校の生徒さんの感想ー
今回見学させていただいた超高圧電子顕微鏡はとてもすごかったです。名前を見て、どんな顕微鏡かとても興味を持ちました。実際に見せていただいて、その大きさや精密な作りに驚きました。将来はこのような機械を使った仕事をしてみたいと思いました。
(野村 穣)
生理研で見せていただいた超高圧電子顕微鏡は、学校の顕微鏡とは全然違って、びっくりしました。このすごい顕微鏡の作りを見せていただいたり、、実際に使わせていただいたりして、とても勉強になりました。見学に参加できてよかったです。
(岡本 真奈美)
生理研では超高圧電子顕微鏡を見せていただきました。とにかく大きくて、初めは顕微鏡とは思えませんでした。そんなすごい顕微鏡を実際に操作させてもらうことができ、とても貴重な体験をさせてもらえて嬉しかったです。ありがとうございました。
(中根 和真)
生理研では、超高圧電子顕微鏡を使って作った3D画像をたくさん見せてもらいました。写真が立体的に見えるのはとても不思議でしたが、面白かったです。他にも本物の脳やだまし絵をみせていただき、脳に興味を持ちました。またこういう機会があったら参加したいです。
(大矢 三四郎)
生理研では、超高圧電子顕微鏡を使ってナノの世界をみせていただき、とても貴重な体験をさせていただきました。他にも細胞の3D画像など、最先端の科学技術を見ることができて、理科への興味がいっそう増しました。今後もこのような機会があれば参加したいです。
(神ノ門 真吾)
生理研では、超高圧電子顕微鏡を使わせていただきました。同じ細胞でも、学校の授業で観察したときには見えなかったミトコンドリアというつくりも見ることができてすごかったです。他にも、錯視についても話を聞かせていただき、とても楽しく見学することができました。
(小島 紗恵美)
生理研では、超高圧電子顕微鏡というとても大きな
顕微鏡を使って細胞を観察させていただきました。授業では見ることのできなかった細胞の細かな部分まで見ることがきでて驚きました。このような貴重な体験ができてよかったです。今後もこのような機会があれば参加したいです。
(長谷川 和真)
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