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心と体の科学

第5回 マウスのDNA鑑定をやってみよう!

2009.7 vol.10

岡崎市立竜海中学校の生徒さんが、マウスのDNA鑑定を体験しました。

 皆さんの体の設計図である遺伝子情報(ゲノム)。体の中のどの細胞も同じ遺伝子情報をもっています。遺伝子情報はDNAと呼ばれる核酸という化学物質が並んでできていますが、その中の一部のDNAに狙いを定めてマウスのDNA鑑定をやってみました。マウス1匹1匹が狙ったDNAをもっているかいないかを判定しますが、DNA鑑定の難しさもしっかり学びました。

先生と生徒.gif

DNA鑑定の手法

あるマウスにはある遺伝子があり他のマウスにはその遺伝子が
ない場合、その遺伝子に狙いを定めてPCRと呼電気泳動ゲル.jpgばれる手法で、その遺伝子をもっているかいないかを判定することができます。
 PCRはノーベル賞を受賞した技術で、狙った遺伝子のDNAの「コピー」を増やしていく手法です。もともと狙ったDNAがあればコピーできますが、無ければコピーできません。

 

 

 

田中先生.gif

 

『未来の研究者』に夢をたくす

■河村 祐輝 くん
 僕が小学6年生のときの担任の先生が理科の先生で、いつも理科に関するおもしろい話をしてくれていました。そんなある日、先生が「生理学研究所」のことをちょっとだけ話してくれました。その話から、そこでは理科に関するいろいろな実験をやっているということを知りました。理科が大好きな僕は1回でいいから「生理学研究所」に行きたいと、ずーと思っていました。そんな時にちょうど生理学研究所に行く機会があるという話を聞き、絶対に行きたいと思い参加させていただきました。
 今回、僕達がやらせていただいた実験は「遺伝子改変マウス」と「野生型のマウス」を見分けるという僕にとってはとても不思議な実験でした。具体的にはPCR済みのDNAにブルージュースという薬品を加え、穴のあいている寒天にそのDNAを入れて、分かりやすいように電気を使い、少しだけ移動させる。それをUV(紫外線)に当てると遺伝子組み換えマウスのDNAのみが光り、「遺伝子改変マウス」と「野生型のマウス」を見分けることができるという実験でした。ぼくは頭が良くないので上手に理解できなかったけどすごくおもしろかったです。もし、また行く機会があったらそのときは、ちゃんと勉強してから、見学させていただきたいと思います。

 

■坂東 和弥 くん
 ぼくは今までは、化学には興味があったのですが、生物にはあまり興味はありませんでした。しかし、今回いかせてもらえ、細胞の実験をやらせてもらうことによって、生物の知識をえて、実は楽しいということがわかりました。しかも、世界的に有名なところだったので、とても勉強になりました。ぼくも最先端をいく科学者のように、一つのことにがんばって取り組んで、新しいことを発見できるような人になれたらなと思いました。

 

■犬塚 祐太 くん
 ぼくはこの日、生理学研究所に行きました。ここでPCRを使いDNAを増やします。今回使ったDNAは遺伝子改変マウスからとったもので研究所にはたくさんいるそうです。DNAは、2本鎖のようなものでそれにしがい線をあてると光るそうです。実験の手じゅんは  ①PCR済みのDNA+ブルージュース(色とグリセリンをまぜたもの) ②穴にDNAを加える(穴=ゲルにつくった穴) ③電気を流す ④UV(しがい線)  結果は成功しました。少しむずかしかったけど、うまくできてよかったです。

 

■藤浦 章利 くん

 今回、生理学研究所の方から竜海中にお誘いがあり、このチャンスを逃すまいと参加させていただきました。実際に行ってみると予想以上に内容が難しく、あまり理解することができませんでした。
 理解できたのは、細胞の中にある核の中にDNAが二本鎖でできており、PCRという機械でDNAを増やして、遺伝病などの解明に貢献しているということです。
 今回、この企画に参加させてもらいとても貴重な体験ができました。雑誌などを読み結果を知るだけよりも自分で実験してみる方が断然楽しく達成感も味わえました。
 生理学はまだ未知なることが多く、とても魅力的な分野だと思います。

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