この度、小森彰夫 前機構長より引き継ぎを受け、令和4年4月1日より機構長に就任いたしました。自然科学研究機構は、国立天文台、核融合科学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所の5つの研究所で構成されており、宇宙、エネルギー、物質、生命等に関わる自然科学分野の中核的研究機関として、保有する最先端設備の共同利用や先導的共同研究の場を全国の大学・研究機関の研究者に提供するとともに、研究者コミュニティーの総意の下、各研究所の役割と機能の充実を図り、それぞれの専門分野における最先端研究を推進してまいりました。
一方、大学共同利用機関は平成16年の法人化により4つの機構に再編されて以来、この18年の間に実施された大学改革では、国立大学法人・大学共同利用機関法人自身が自主的・自律的に教育研究を行う機関としての位置付けが強化され、本来は異なる研究者コミュニティーを背景に持つそれぞれの研究所の運営と、総体としての機構の運営との間で適切な方向性を見出すための舵取りが一層重要になっています。
自然科学研究機構は、天文学から脳科学までの幅広い学術領域の研究を推進し、構成機関である5つの研究所はそれぞれが異なる学術分野を基盤とする研究者コミュニティーを有しています。学術の広がりや学際的な新たな分野の創出を視野に入れた場合、一つの研究機構法人内での閉じた発展は限定的であり、大学共同利用機関法人全体での議論が不可欠です。令和4年度から始まる第4期中期目標期間は、大学共同利用機関の将来のあり方を問う重要な期間であると捉えています。
大学共同利用機関は独創的な研究を展開する基盤を提供するものであり、我が国の大学の研究者が水準の高い研究を創出し続けることを支える役目を担っており、大学を中心とした研究者コミュニティーとともに繁栄することがその使命です。
自然科学研究機構は、天文学から脳科学までの幅広い研究者コミュニティーを支える機構として、我が国の大学を中心とした研究者コミュニティーを先導する重要な役目を担っております。技術革新や社会革新を通じて誇りある未来に向かうには、高等教育人材の活用促進が欠かせません。研究者コミュニティーを先導する機関として、自然科学研究機構は科学を通じて、高等教育の重要性や社会への高等教育人材の浸透を促す活動に寄与していきます。
引き続き、自然科学研究機構にご支援とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
令和4年4月
自然科学研究機構長
川合眞紀