Research

研究活動

旧 分子神経生理研究部門

研究部門メンバー

①グリア細胞の発生、機能、病態 
②神経系における糖タンパク質糖鎖の機能解析

① われわれは永年にわたりグリア細胞の脳機能発現における意義につき研究してきました。その結果グリア細胞は近年神経活動の調節における重要性が注目されるようになりました。現在,さらに進んで,グリア細胞ネットワークを作り(グリアアセンブリ),これにより神経活動そのものを制御していることを証明するべく研究しています。進行中のプロジェクトは下記のものです。

1)オリゴデンドロサイトがどのような原理で髄鞘を形成する軸索を選んでいるのか機構解明。
2)オリゴデンドロサイトの発達過程における機械刺激の役割解明。
3)慢性脱髄巣における再髄鞘化におけるシスタチンFとカテプシンCの役割解明。
4) 髄鞘の異常に伴うオルガネラ動態変化のメカニズムを明らかにし,さらにこうした変化が髄鞘疾患の病態生理に及ぼす影響について研究を進めている。
5) ミクロトーム組み込み式走査型電子顕微鏡を用いた3 次元超微形態情報の取得・解析技術を用いて積極的に共同研究を進めており,臨床病理学を含む様々な分野での応用を促進するための関連技術の開発も行っている。

② 糖タンパク質糖鎖はその重要性が認識されながらも,解析技術の整備が遅れていたため,その機能の多くが未知でした。われわれは微量試料から糖タンパク質糖鎖構造を解析する技術を開発し,その機能解明に努めてきました。

1)脳で発達段階と共に発現してくる新規N−グリカンの機能解明
2)ヒト髄液中のN−グリカンの精神神経疾患診断への応用。

代表的な論文情報

*Lee HU et al (2013) Increased astrocytic ATP release results in enhanced excitability of the hippocampus. Glia, 60:210-24
*Ma J et al( 2011) Microglial cystatin F expression is a sensitive indicator for ongoing demyelination with concurrent emyelination. J Neurosci Res 89:639-49
*Yoshimura T et al (2012) Detection of N-glycans on small amounts ofglycoproteins in tissue samples and SDS-polyacrylamide gels. AnalyticalBiochem, 423:253-60