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心理生理学研究部門

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非侵襲的機能画像を用いた高次脳機能の研究

 認知,記憶,思考,行動,情動,感性などに関連する脳活動を中心に,ヒトを対象とした実験的研究を推進している。脳神経活動に伴う局所的な循環やエネルギー代謝の変化をとらえる脳機能イメーシングと,時間分解能にすぐれた電気生理学的手法を統合的にもちいることにより,高次脳機能を動的かつ大局的に理解することを目指している。機能局在と機能連関のダイナミックな変化を画像化することにより,感覚脱失に伴う神経活動の変化や発達および学習による新たな機能の獲得,さらには社会能力の発達過程など,高次脳機能の可塑性に迫る。現在,個人間の社会的相互作用のメカニズムの解明へ向けて、2個体同時計測(3Tesla)MRIと超高磁場(7Tesla)MRIを有機的に組み合わせることを進めている。

 

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金銭報酬と社会的報酬による基底核の活動
報酬は全ての生物の行動決定に影響を及ぼす要因である。ヒトにおいては食べ物などの
基本的報酬の他に,他者からの良い評判・評価というような「社会的報酬」が行動決定
に大きな影響を持つということが,社会心理学などの分野の研究から知られている。しか
し,今までそのような社会的報酬が,その他の報酬(例えば,食べ物,お金)と同じ脳部
位で処理されているのかはわかっていなかった。この研究では,他者からの良い評価を社
会的報酬として与えた場合は,金銭報酬を与えた時と同じ報酬系の脳部位が,同じ活動
パタンを示すということを見出した。他者からの評判・評価という社会的報酬が,普段の
我々の社会的行動に大きな影響を持つことを考えると,この知見は複雑なヒトの社会的行
動に対して神経科学的説明を加えるための重要な最初の一歩であると考えられる。

 

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視覚障害者の点字弁別課題における両側一次視覚野の脳賦活動
早期視覚障害者における右示指による点字弁別課題中の脳賦活状態を,高分解能MRl に重畳した(下段)。黄色く示した部位で,課題遂行中に統計的有意に血流が増加したことを示している。一方晴眼者(上段)では後頭葉の賦活は全く見られない。視覚障害者では,後頭葉への視覚情報入力が欠損しているにも関わらず,点字読を含む触覚課題によって一次視覚野に劇的な神経活動が生じていることがわかる。幼少時からの視覚脱失により脳の可塑性が発揮されたものと考えられる。

代表的な論文情報

*T. Koike et al. Neuroimage 125, 401 (2016).
*R. Kitada et al., J Neurosci 34, 10096 (2014).
*H. C. Tanabe et al., Front Hum Neurosci 6, 268 (2012).
*D. N. Saito et al., Front Integr Neurosci 4, 127 (2010).
*K. Izuma, D. N. Saito, N. Sadato, Neuron 58, 284 (2008).
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