Research

研究活動

感覚認知情報研究部門

研究部門メンバー

構造的・機能的脳マッピング

 私たちヒトは,環境から得られる情報を処理することで日常生活を営んでおり,脳はその情報処理の中枢であると考えられています。脳を観察すると,大脳皮質領域や神経核における層構造や脳領域どうしを中継している線維の束(白質線維束)など,様々な特徴があることが分かります。ではなぜこのような特徴(脳構造)があることで,どのようにして脳の情報処理(脳機能)が達成されているのでしょうか?別の言い方をすれば,脳をコンピュータだと考えると,ハードウェアと演算機能(ソフトウェア)はどのように関係しているのでしょうか?感覚認知情報研究部門では,脳における構造と機能の解明を目指した研究を行なっています。
 具体的には生理学研究所が所有する 7 テスラ MRI 装置および超高傾斜磁場強度を有する3テスラMRIなどの設備を用いて,脳構造および脳活動の計測・分析を行い,両者を組み合わせることでこの問題に取り組んでいます。これに加えて,心理物理学的手法を用いてヒトの視覚情報処理機構を分析する研究も行なっています。さらに共同研究を通じて,感覚・運動・言語機能に関する認知神経科学的研究や,脳構造の種間比較を行う研究,眼科疾患が脳構造・脳活動に及ぼす影響を評価する研究などを実施しています。

要覧画像_Takemura2023_240128_113509.png
拡散強調MRI を用いて計測したヒトの視神経 (Takemura et al., 2023)。

代表的な論文情報

*Takemura H et al. (2023) Magn Reson Imaging 102, 103-114.
*Oishi H et al. (2023) NeuroImage 265, 119777.
*Miyata T et al. (2022) J Neurosci 42(35), 6761-6769.
*Takemura H et al. (2020) eLife, 9, e55444.
*Takemura H et al. (2019) NeuroImage Clin, 23, 101826.