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研究部門メンバー
分子・生命・生理科学を統合した新たな融合的MR研究拠点の設立
2024年7月、生理学研究所は、分⼦科学研究所及び、⽣命創成探究センターの協力のもと、「岡崎連携プラットフォームスピン生命科学コア」を設立しました。この「スピン生命科学コア」は、分子・生命・生理科学が融合した新たな分野を開拓することを目指し、基盤技術である磁気共鳴(MR)装置と、多彩な専門性を持つ研究者を結集した、スピン生命科学分野の新たな研究拠点です。具体的には、新規のMR用分子プローブの開発からモデル動物を対象としたMR画像計測までを岡崎地区において一貫して行い、生体を対象とするMR計測の新しい原理・手法の開発を進めていきます。
さらに、「スピン生命科学コア」は、京都大学 化学研究所、大阪大学 蛋白質研究所、新潟大学 脳研究所の共同利用・共同研究拠点と、量子科学技術研究開発機構 量子生命科学研究所の4つの連携機関(ノード)と協力し、スピン生命科学分野における、新たな共同利用・共同研究ネットワーク「スピン生命フロンティア(Spin-L)」を形成しました。このSpin-Lは、「スピン生命科学」の創成と発展を目指す10年間の事業として、2023年度より始まりました。Spin-Lでは、以下の3つのミッションを遂行します。
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全国の研究者、技術者の人材育成を強化
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新規融合型研究を推進
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全国の研究者の参画の促進
2024年度の主な活動内容は、人材育成事業として、参画機関の大学院生2名の海外派遣支援と、参画機関の若手研究者・技術者によって設立された「若手の会」が企画・運営するリトリートを岡崎地区で開催しました。さらに、分野融合型トレーニングコースや、異分野研究会を開催し、分野を超えた研究者交流を促進しました。研究活動においては、Spin-Lのネットワークを活用した「スピン生命枠」共同利用・共同研究を78件実施しました。そして、本事業独自のプロジェクト研究(「課題設定型」共同研究)を推進する客員部門を「スピン生命科学コア」に新設しました。この客員部門には、関連分野の研究コミュニティーから卓越した研究者を客員PI、特任教員として迎え、2025年度より本格的に活動を開始します。