Research

研究活動

心循環シグナル研究部門

研究部門メンバー

心血管機能計測技術を用いた高次生命機能の理解と医療への応用

  全身の血液循環は主に心臓・骨格筋・血管のより制御されており、これら筋組織は横紋筋(心筋と骨格筋)と平滑筋から成り立っています。私たちの部門では、筋細胞が様々なストレス(血行力学的負荷や環境外ストレス)に対して適応もしくは適応できず筋不全に陥る仕組みを、個体から臓器・組織・細胞レベルまで幅広い心血管計測技術を用いて統合的に理解し、実用化(創薬)につなげることを目指しています。特に、エネルギー産生器官であるミトコンドリアに着目しており、損傷を受けた筋組織が再生・修復・成熟化する機構をミトコンドリアの品質管理の視点から解析を進めるとともに、私たちの部門で同定したミトコンドリア保護薬を用いて難治性の筋萎縮性疾患克服に向けた新たな治療戦略の開発を目指しています。
 レドックス(酸化・還元)動態の破綻は心循環疾患をはじめ様々な疾患の発症と密接に関わることが知られています。私たちは近年同定された超硫黄分子(反応性が極めて高い硫黄代謝物)をはじめとした硫黄を軸としたレドックス研究を行っています。さらに、運動機能と心血管機能の非侵襲的計測技術を組み合わせることで、多臓器連関による心循環恒常性維持機構の解明を目指した包括的な研究にも取り組んでいます。こうした研究を推進するために当部門では、4 次元心機能・微量循環血流イメージング装置をはじめとする心循環計測装置やマウス心疾患モデル作製技術を有しています。
 

図 心血管機能測定システムとこれらを利用した研究の概要

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代表的な論文情報

*A. Nishimura et al. J. Pharmacol. Sci. 154. 127-135 (2024)
*X. Tang et al. Mar. Drugs. 21. 52 (2023)
*S. Oda et al. Nat. Commun. 13. 6374 (2022)
*K. Nishiyama et al. Science Signal. 15. abj0644 (2022)
*K. Shimoda et al. Sci. Rep. 10. 13926 (2020)
*A. Nishimura et al. Science Signal. 12. eaaw1920 (2019)