Research

研究活動

セミナー詳細

2005年08月09日

癌抑制遺伝子PTEN - その制御機構と病態 -

日 時 2005年08月09日(火) 16:30
講演者 前濱 朝彦 先生
講演者所属 東京都臨床医学総合研究所 細胞膜情報伝達プロジュクト
お問い合わせ先 統合バイオサイエンスセンター 神経分化 岡村 康司 内線5256
要旨

癌抑制遺伝子PTENは高い発癌頻度を示す遺伝病(Cowden病)の原因遺伝子の一つであると考えられているほか、その変異が腫瘍病変の形成と強い関連性をもつことが指摘されている。
我々は以前にPTEN遺伝子産物が脂質セカンドメッセンジャーであるホスファチジ ルイノシトール-3,4,5-三リン酸(PIP3)を基質とし、そのD3位を脱リン酸化す る全く新規なホスファターゼ活性を示すことを明らかにした。すなわちPTEN遺伝 子産物はPIP3を脱リン酸化することによってその細胞内レベルを減少させ、PIP3 を介する細胞増殖・生存の細胞内シグナルに対して負の作用をもっていると考え られる。本セミナーでは脂質ホスファターゼとしてのPTEN遺伝子産物の生化学的 特性を中心に、最近我々が見いだしたPICT-1によるPTENの機能制御および本機能 制御機構の破綻と病態との関連性について考察していく。