日 時 | 2006年04月20日(木) 17:00 より 18:00 まで |
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講演者 | 佐々木雄彦教授 |
講演者所属 | 秋田大学医学部・病理病態医学講座・感染制御学分野 |
お問い合わせ先 | 脳形態解析研究部門 籾山 俊彦 |
要旨 |
ホスファチジルイノシトールは、細胞膜系を構成する微量リン脂質である。ホ スファチジルイノシトールのイノシトール環が、その3、4、5位水酸基に可逆的 なリン酸化を受ける結果、7種類のイノシトールリン脂質(PIs)が生成され る。これらは、脂質性シグナル分子として個々に固有の機能を持ち、多様な細 胞応答を制御する。我々はこれまでに、PI3K, PTEN, SHIP, PIPKIなどのPIs代 謝酵素の欠損マウスを用いて、これらの酵素の欠損が、発がんや免疫機能異常 など、多様な病態へとつながることを見出した。また、PIs可視化マウス(PIs 結合モジュールとGFPの融合タンパク質を発現するトランスジェニックマウス) の利用によって、PIs局在化の機構と生理的意義を検討している。今回のセミナ ーでは、L-PIPase (leucine-rich phosphoinositide phosphatase)の欠損マウ スが呈する不随意運動と病態の発現メカニズムに関して、最近の知見を発表す る。 |