日 時 | 2006年09月07日(木) 16:30 より 17:30 まで |
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講演者 | 武田 洋幸 教授 |
講演者所属 | 東京大学大学院理学系研究科・生物科学専攻 |
お問い合わせ先 | 統合バイオ 神経分化部門 東島眞一( 5258) |
要旨 |
複雑な構造を持つ私たちのからだが正しく作られるためには、多くの遺伝子が秩序だって、かつ正確に 発現することが必須である。一方、遺伝子発現のタイミングは本来それほど正確なものではなく、生体 内ではおおきなばらつきをもつことが明らかになりつつある。正確なからだづくりのためには、この"遺 伝子発現のばらつき"の影響を積極的に排除する必要がある。 今回我々は背骨の繰り返しパターンを作るために必要な分節時計の作動原理の一端を、ゼブラフィッ シュ胚を用いた胚操作実験と数学的シミュレーションにより明らかにした。特に、"遺伝子発現のばらつ き"は、細胞を単位とする多数の小さな時計がノッチ?デルタと呼ばれる細胞表面で機能する分子を介し て大きな集合体をつくることによって最小化され、からだの中で正確に時が刻まれていることを明らか にした。 |