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セミナー詳細

2006年11月29日

膜電位依存性酵素Ci-VSPの基質特異性

日 時 2006年11月29日(水) 12:20 より 13:00 まで
講演者 岩崎 広英 助手
講演者所属 岡崎統合バイオサイエンスセンター神経分化研究室
お問い合わせ先 分子神経生理部門 小野 勝彦
要旨

Ci-VSPは電位依存性イオンチャネルの電位センサー様の膜貫通領域と、イノシ トールリン脂質のホスファターゼであるPTENと高い相同性を有する細胞質領域 から構成される分子である。これまでに、Ci-VSPがPTENと同様にホスファチジ ルイノシトール3,4,5-三リン酸(PI(3,4,5)P3)を脱リン酸化してホ スファチジルイノシトール4,5-二リン酸(PI(4,5)P2)を生成するホ スファターゼ活性を有すること、および膜電位を脱分極させるとPI(4,5)P 2が減少し、過分極させるPI(4,5)P2が増大することからCi- VSPの酵素活性が膜電位によって調節されることを報告した。今回Ci-VSPの基質 特異性について解析を試みたところ、PTENと異なりCi-VSPはPI(4,5)P2 を基質として脱リン酸化を行なうことが明らかとなった。このことからCi- VSPは脱分極時において活性化され、PI(4,5)P2濃度を減少させる活 性をもつホスファターゼであることが明らかとなった。さらに、363番目のグリ シンをアラニンに置換するとPTEN型の基質特異性を示すことから、このアミノ 酸が基質特異性に重要であることが明らかとなった。