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セミナー詳細

2007年02月15日

蛍光単分子観察が明らかにした細胞内アクチン制御の謎

日 時 2007年02月15日(木) 15:00 より 16:00 まで
講演者 渡邊 直樹 先生
講演者所属 京都大学医学部、助教授
お問い合わせ先 岡田泰伸 (機能協関) (内線 7731)
要旨

アクチン線維は細胞質膜直下の主要な構成成分であり、重合・脱重合を繰り返 し細胞の形態変化・運動を制御する。我々は分子可視化を通して、生きたアク チン細胞骨格の重合・解離動態を捉える手法を実現した。これにより、細胞伸 展縁の葉状仮足において、線維の3分の1が10秒以内の短寿命で脱重合するこ とがわかった。更に、インビトロではアクチン伸長端に高親和性で結合するキ ャッピングプロテインが、細胞内では急速に(半減期1.2秒)解離すること、そ の解離がアクチン崩壊に依存することから、アクチン崩壊のメカニズムとして 「高頻度線維切断-再結合仮説」を提唱した。また、アクチン核化・重合を促進 するフォルミンファミリーの1つで、アクチンストレス線維形成や平滑筋収縮 を制御するG蛋白質Rhoの標的分子mDia1が、伸長するアクチン反矢じり端に結合 したままプロセッシブに分子移動する性質をもつことが見出された。分子イメ ージングによって明らかにされつつある、予想外に動的な細胞骨格改変のため の分子機構やその制御シグナルの本態を紹介する。