日 時 | 2007年02月15日(木) 17:00 より 18:00 まで |
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講演者 | 林 康紀 先生 |
講演者所属 | RIKEN-MIT, Assistant Professor |
お問い合わせ先 | 岡田泰伸 (機能協関) (内線 7731) |
要旨 |
シナプス可塑性の一つである海馬長期増強現象は,記憶の細胞モデルとして考 えられている。シナプス後部には可塑性に関わる多数の蛋白が存在し,その物 理的・生化学的なネットワークがシナプス伝達の維持と可塑性に重要と考えら れる。我々は,電気生理学に分子生物学、イメージングの手法を組み合わせた アプローチでその分子機構を探ってきた。今回のセミナーでは、まずCaMKIIと アクチンによるシナプス後部の形態と分子組成の量的な調節機構について解説 する。これは、これまでシグナル分子であると考えられてきたCaMKIIが細胞骨 格の一員であるということを位置づけるものである。次にシナプス後部から伝 達物質の放出確率の逆行性調節機構について解説する。以前,一酸化窒素,ア ラキドン酸などが逆行性伝達物質の候補として考えられたが,この結果は細胞 接着因子がこのような役割を果たしうるということを示すものである。 |