日 時 | 2007年02月28日(水) 12:20 より 13:00 まで |
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講演者 | 東島 眞一 助教授 |
講演者所属 | 岡崎統合バイオサイエンスセンター、神経分化研究部門 |
お問い合わせ先 | 小野 勝彦(分子神経生理) |
要旨 |
異なった転写因子の発現の組み合わせにより、形態学的に異なったタイプの介 在神経細胞が分化してくることが示唆されている。しかしながら、これらの介在 神経細胞が、最終的に神経回路網の中で機能的にどのようなタイプの神経細胞 へ分化していくかは、まだよく分かっていない。ゼブラフィッシュは、その脊髄 神経回路が単純であるため、上記の課題を追求するためのよいモデル生物であ る。こういった背景の元、我々は、特定の転写因子の発現する神経細胞の、発 生分化および、回路中での機能の解析を、ゼブラフィッシュを用いて進めてい る。この課題にアプローチするため、中枢神経系の特定の種類の神経細胞で、蛍 光タンパク質を発現するトランスジェニックゼブラフィッシュを作製して、そ れら神経細胞を生きたまま可視化することを方法論の中心に据えて研究してい る。可視化することで、神経細胞の発生過程(軸索の伸長、樹状突起の成長、 神経細胞の移動等)をダイレクトに追跡することができる。さらには、機能し ている神経回路中で、蛍光を発する特定のクラスの神経細胞をねらって電気生 理学的な解析を行うことができる。このような解析を通じて、神経発生から神 経機能解析までをつなげていきたいと考えている。 本セミナーでは、我々のアプローチの概略を紹介するとともに、Chx10陽性細 胞と,En1陽性細胞に関する研究を紹介したい。 |