日 時 | 2007年03月26日(月) 16:00 より 17:00 まで |
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講演者 | 尾関 宏文 先生 |
講演者所属 | 米国ノースウエスタン大学 博士研究員 |
お問い合わせ先 | 窪田 芳之 |
要旨 |
細胞内記録法は、スパイク発火応答に加え、膜電位応答、興奮性および 抑制性入力量の変化を調べることが可能である。David Ferster 研究室ではネコ一次視覚野(V1)ニューロンからin vivo whole-cell patch clampによる細胞内記録実験を行い、V1における入出力とその 情報処理を研究している。V1ニューロンの受容野刺激応答は受容野周 囲に提示する刺激によって抑制性修飾を受け、受容野刺激と周囲刺激の 方位が同一であるとき最大の抑制を生じる。周囲抑制の程度は膜電位応 答よりもスパイク応答の方が顕著であり、膜電位の発火閾値が抑制を増 強していることが分かった。また、周囲抑制下では興奮性入力量の低下 のみならず抑制性入力量の低下も生じていることが分かった。この周囲 刺激の方位に依存した興奮性入力量の低下は皮質下ニューロンの活動低 下によるものではなかった。皮質内抑制の一過性の活動増加が興奮性お よび抑制性ネットワークの活動低下をもたらすことを示し、ニューロン の活動性を安定化させる皮質ネットワークのダイナミクスについて新し いモデルを紹介する。 |