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セミナー詳細

2008年01月28日

APPの代謝と機能 —結合因子 X11L, alcadein, JIP1bの果たす役割—

日 時 2008年01月28日(月) 16:00 より 17:30 まで
講演者 鈴木 利治 教授 
講演者所属 北海道大学大学院薬学研究院
お問い合わせ先 井本 敬二 (神経シグナル 5886)
要旨

APPは家族性アルツハイマー病の原因遺伝子であり、アルツハイマー病(AD)の発 症に関わるアミロイドβ-タンパク質(Aβ)の前駆体である。従って、神経細胞に おけるAPPの代謝と機能は、ADの発症に深く結び付いている。APPは神経細胞 で、X11ファミリー分子、特にX11-like (X11L)を介して膜タンパク質alcadein と複合体を形成することで、代謝が制御されている。一方、APPはJIP1b (JNK- interacting protein 1b)との結合を介し、キネシン-1モーターによる軸索順行 輸送を受ける。また、alcadeinも直接キネシン-1に接続しAPPとは別のカーゴ受 容体として機能し、キネシン-1モーターへの接続のバランスはAPPの輸送・代謝 に影響を与える。APPと相互作用する分子群がAPPの代謝や機能に果たす役割を 紹介すると共に、これら分子群の独自の機能に関しても議論する。