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セミナー詳細

2008年01月18日

結核菌の宿主細胞内サバイバル機構における膜融合阻害のメカニズム

日 時 2008年01月18日(金) 16:00 より 17:00 まで
講演者 早川 枝李 先生 
講演者所属 東京女子医科大学
お問い合わせ先 根本 知己 生体情報解析室 (内線:7753)
要旨

結核は一部休眠状態を含み人類の三分の一に感染しており、HIV,マラリアと ともに世界三大感染症の1つである。さらに近年、全ての抗生物質が効かない超 多剤耐性結核菌の感染例が世界規模で報告されており、根本的な治療方法・メカ ニズムの解明が急務である

結核菌はマクロファージに感染するが、生きた結核菌を取り込んだファゴソーム はリソソームとの膜融合(P-L fusion)を阻害され、結核菌はマクロファージ内 で生存・増殖が可能となる。このP-L fusion阻害の誘導因子は幾つか報告例はあ るが、その決定的なメカニズムはまだ解明されていない。全ての感染症は宿主細 胞の「膜」を介して起こることから、「膜」の物性から感染のメカニズムを検討 することは極めて重要である。

本講演では、細胞膜の物理化学的性質、特に脂質分子の自己組織化に焦点をあ て、結核菌が宿主細胞内でのサバイバルメカニズムとして「脂質膜」をどのよう に利用しているのか、原子間力顕微鏡(AFM)及びFRETを用いて研究した結果につ いてお話しする。