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2008年05月14日

網膜の神経細胞は網膜上になぜ整然と並ぶことができるのか?

日 時 2008年05月14日(水) 12:20 より 13:00 まで
講演者 小泉 周 准教授
講演者所属 生理学研究所 広報展開推進室
お問い合わせ先 窪田芳之(大脳神経回路論)
要旨

網膜の神経細胞は、どのサブタイプの神経細胞をとってきても、網膜上に規則正しく、一定の間隔をとってならんでいる。これは網膜のモザイク状構造といわれ、約40年前に見つかった現象だ。しかし、こうしたモザイク構造が、いったいどうして作られているのか、謎に包まれていた。今回、ジャクソン研究所とハーバード大学医学部の共同研究チームは、網膜のドーパミン・アマクリン細胞のモザイク配列には、DSCAMが関与していることをつきとめた。ジャクソン研究所がDSCAMの自然発症突然変異マウスを提供し、小泉らが空間周波数解析など統計解析を行った。DSCAMがない場合には、ドーパミン細胞は、モザイク状に整列することができず、塊をつくったり、無作為に分布したりしていた。この結果は、網膜における神経細胞の整列には、発生初期段階で細胞を「間引く」メカニズムが存在していることを示唆している。

参考: http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=87