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セミナー詳細

2009年02月25日

多光子励起顕微鏡を駆使した骨組織内のin vivoライブイメージング~骨吸収の新しい調節機序の発見

日 時 2009年02月25日(水) 16:00 より 17:00 まで
講演者 石井 優 准教授
講演者所属 大阪大学・免疫学フロンティア研究センター・生体イメージング研究室
お問い合わせ先 根本 知己 (脳機能計測・支援センター 多光子顕微鏡室)
要旨

破骨細胞は単球・マクロファージ系血液細胞から分化する多核巨細胞であり、硬質の骨組織を融解・吸収する特殊な能力を有する。関節リウマチや骨粗鬆症などの骨吸収性疾患では、破骨細胞の機能亢進が病状形成に重要な役割を果たしている。これまでに、破骨細胞分化に関与する数多くの分子機構が明らかにされているが、これらの細胞がいかにして骨表面にリクルートされるのか、また具体的にin vivoでどのように機能しているのかなど、不明な点が多く残されている。演者はこれらの疑問を解決すべく、多光子励起顕微鏡を駆使して生きたマウスの骨組織内・骨髄内のin vivoイメージングを行い、破骨細胞の遊走・接着が血中に豊富に存在する脂質メディエーターや、骨髄内に存在するケモカインなどによって統合的に制御されていることを解明した。本セミナーではこれらの最新の研究成果に加え、演者が立ち上げた骨組織内のin vivoライブイメージングの方法論やその今後の応用について、多くの動画を交えて概説する。

【参考文献】
Ishii M, et al., Sphingosine-1-phosphate mobilizes osteoclast precursors and regulates bone homeostasis. Nature, in press.
(2月8日にonlineでpublish予定)