日 時 | 2009年03月05日(木) 12:20 より 13:00 まで |
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講演者 | 高鶴 裕介 研究員 |
講演者所属 | 生理学研究所 生体恒常機能発達機構研究部門 |
お問い合わせ先 | 窪田 芳之 (大脳神経回路論) |
要旨 |
局所脳梗塞モデルの健常半球に見られた神経回路再編と機能回復の関連性 SP_要旨=演者らは多光子励起レーザー顕微鏡を中心としたさまざまな手法を用いて、脳梗塞回復期における神経回路変化を研究している。今回はこのうち、健常側大脳皮質の機能代償における役割とその神経回路再編との関係を明らかにした研究を紹介する。片側体性感覚野を破壊すると2日後から1週間後の間で脳全体の活動亢進が観察され、この時、健常側の体性感覚野には患側肢からの入力が増加していることが電気生理学的実験により確認された。多光子励起レーザー顕微鏡を用いたin vivo imagingの結果より、障害後1週間目での健常半球における特異的なシナプス可塑性の亢進が確認された。この可塑性亢進を境に体性感覚機能の回復が認められ、また、本来主に障害側半球に投射しているはずの患側肢からの入力も健常側半球で情報処理されている兆候が観察された。以上のことから、健常半球の回路再編により脳梗塞障害後の機能代償が起こっていることが推測された。 |