日 時 | 2009年09月28日(月) 12:20 より 13:00 まで |
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講演者 | 山中 章弘 准教授 |
講演者所属 | 細胞生理研究部門 |
お問い合わせ先 | 等誠司 分子神経生理研究部門 |
要旨 |
視床下部は摂食行動、性行動、睡眠覚醒などの本能行動の中枢である。これらの本能行動は個体の生存や生物種の維持に極めて重要な機能であるが、それを調節する神経機構については未だに十分解明されていない。視床下部にはペプチドを神経伝達物質として含有する神経が多く存在し、その神経ペプチドが本能機能発現の本態と考えられている。 このことは、神経ペプチド遺伝子の発現調節領域(プロモーター)を用いると、特定神経へ外来遺伝子発現を誘導できることを示唆している。これまでに、緑色蛍光タンパク質、カルシウム感受性タンパク質などを特定の神経に発現する遺伝子改変マウスを作成し、電気生理学的解析やカルシウムイメージングを用いて、神経回路網とその動作機構について明らかにしてきた。しかしながら、本能行動は個体でのみ生じる現象のため、その回路機能の解明には個体を用いた検証が不可欠である。そこで、光によって神経活動操作を可能にする分子をペプチド作動性神経に発現させた遺伝子改変マウスを作成し、神経活動の操作の結果として惹起される行動を解析することによって、その神経回路が担っている生理機能の解明を試みる。現在オレキシン神経を中心にして進めている解析について紹介するほか、新規神経ペプチドQRFPについても紹介する(予定である)。 |