Research

研究活動

セミナー詳細

2009年12月18日

視覚グルーピングと頭頂間溝皮質ニューロンの活動

日 時 2009年12月18日(金) 12:20 より 13:30 まで
講演者 横井 功 研究員
講演者所属 生理学研究所 生体情報研究系 感覚認知情報部門
お問い合わせ先 等誠司准教授(生理学研究所 分子神経性理)
要旨

視覚グルーピングとは視野上に存在する離散的要素をつなぎ合わせ、単一の視 覚対象としてとらえることである。例えば、同じ色を持つ複数の点が等間隔で 一直線に並んでいると、複数の点はつなぎ合わされて一本の線として認識する ことが出来る。このつなぎ合わせは離散的要素間の連続性や類似性などによっ て生じる。またグルーピングには事前の知識や経験によるトップダウンのメカ ニズムも働くことも知られている。しかしながら、トップダウン的なグルーピ ングがどのような神経メカニズムによって生じているのかは分かっていない。 グルーピングを必要とする課題をサルにトレーニングし、細胞外電気生理記録 法を用いて頭頂間溝皮質(L-IPS)から単一ニューロン活動を記録した。L-IPS ニューロンは離散的な複数のドットによって構築される視覚特徴に選択的な反 応を示し、その選択性は注意を向けることによって強められた。また、その活 動はサルの行動パフォーマンスとよく相関していた。これらの結果から、L-IPS のニューロン群が視覚グルーピングに重要な役割を果たしていることが示唆さ れた(Yokoi and Komatsu, J Neurosci 29:13210-13221, 2009)。さらにL-IPSの ニューロンデータを活動電位の持続時間に基づいて錐体細胞または介在細胞と 推測されるクラスに分類し、ニューロンクラス間で反応特性の比較を行った。 本セミナーでは、論文に掲載された視覚グルーピングに関与する頭頂間溝皮質 ニューロンの活動と、最近解析したニューロンクラス間での反応特性の違いに ついて紹介します。