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セミナー詳細

2010年01月25日

バゾプレッシン産生ニューロンにおける電気生理学的検討

日 時 2010年01月25日(月) 15:00 より 16:00 まで
講演者 大淵 豊明 先生
講演者所属 産業医科大学 医学部 第1生理学
お問い合わせ先 岡田泰伸 機能協関部門 (内線 7734)
要旨

バゾプレッシンを産生する大細胞性神経分泌ニューロンの細胞体は視床下部室 傍核および視索上核に局在し、下垂体後葉へ投射した軸索終末から循環血中に 分泌される。その分泌は、浸透圧などの細胞外環境および多数のシナプス入力 によって修飾・調節される。我々はバゾプレッシン遺伝子に緑色蛍光タンパク 遺伝子を挿入した融合遺伝子を用いてトランスジェニックラットを作出し、バ ゾプレッシンニューロンを緑色蛍光により生細胞の状態で同定することに成功 した。これを契機に、単離後およそ24時間培養したバゾプレッシンニューロン を蛍光顕微鏡下に同定した上での電気生理学的アプローチが可能となった。そ の後の解析により、(1)バゾプレッシンニューロンのGABA応答はBrain-derived neurotrophic factor (BDNF)により減弱する、(2)バゾプレッシンニューロンに Acid-sensing ion channel (ASIC)が発現しており、乳酸によりその活動性が変 化する、(3)単離したバゾプレッシンニューロンはおよそ12時間培養後までシナ プス後電流の性質を保持している、などの新たな知見を見出した。