日 時 | 2010年02月19日(金) 12:20 より 13:20 まで |
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講演者 | 立山充博 准教授 |
講演者所属 | 神経機能素子研究部門 |
お問い合わせ先 | 生理学研究所 分子神経生理 清水葉月(内線 : 5249) |
要旨 |
要旨:代謝型グルタミン酸受容体1型(mGluR1)は、神経のシグナル伝達を 担う膜上機能分子であり、遺伝子欠損マウスを用いた研究などから記憶や 学習に関係する「神経回路の可塑性」、すなわち、小脳における神経シナプス 伝達効率の長期抑圧や海馬における長期増強に重要な役割を果たしていること が知られている。 mGluR1はG蛋白質共役型受容体であるが、細胞外にリガンド結合部位を有する 大きな構造を持ち、二量体として機能するという特徴を持つfamily C に分類され る。また、この受容体は、発現環境に依存して複数のG蛋白質と共役することが 知られている。我々は、これまで、リガンドの差異、C末端領域の関与および 結合蛋白質などにより、これらの多様なシグナル伝達経路が制御されることを 報告してきた。これに加え、最近、mGluR1の二量体構造に由来する新たな 制御機構を見出したので、この機構について報告する。 また、mGluR1の多様なシグナル伝達をより直接的に捉えるという目的のもと に、現在、G蛋白質共役型受容体とG蛋白質の会合をFRET法により可視化する ことを試みているので、この点についても紹介したい。
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