日 時 | 2010年03月31日(水) 12:20 より 13:20 まで |
---|---|
講演者 | 森島 美絵子先生 |
講演者所属 | 大脳神経回路論・助教授 |
お問い合わせ先 | 等誠司准教授(分子神経生理研究部門) |
要旨 |
大脳皮質V層の錐体細胞は、発火特性及び、軸索の投射先によってサブグループに分類される。これらの分類に依存した錐体細胞のサブネットワークは、大脳皮質の情報処理に重要であると考えられている。しかしながら、軸索の出力先によって分類した錐体細胞サブタイプ間の神経回路については、未だ、明らかでないことが多い。そこで、前頭皮質5層における投射先の異なる2種類の錐体細胞に着目して、シナプス結合特性及び、形態的特性について調べた。前頭皮質5層の錐体細胞には、反対側の線条体に軸索を伸ばすグループ、及び、橋核へと軸索を伸ばすグループがある。これらの細胞を逆行性色素によって標識し、2種類の錐体細胞間のシナプス結合特性を、2細胞同時ホールセル・パッチクランプ法を用いて調べた。その結果、出力先に依存してシナプス電流、及び、短期可塑性が異なり、サブタイプ間の相互結合性が異なることが明らかとなった。また、形態的特性とあわせて、投射先に依存した錐体細胞の局所回路について紹介します。 |