日 時 | 2010年04月28日(水) 11:00 より 12:00 まで |
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講演者 | 平沢 統 先生 |
講演者所属 | 理化学研究所 脳科学総合研究センター ニューロインフォマティクス技術開発チーム |
お問い合わせ先 | 小泉 周(広報展開推進室: 内線7722) |
要旨 |
脊椎動物網膜において、ドーパミン放出型アマクリン細胞 (DA細胞) は光照射刺激によりドーパミンを放出する。そのドーパミンは傍分泌により様々な種類の網膜細胞に作用し、結果として明順応信号として機能している。DA細胞は抑制性アミノ酸であるGABA、及び、その合成酵素も保有している。今回、DA細胞体はドーパミンに加えGABAをも小胞性放出することを示す。DA細胞体は開口放出活性帯を保有していない。したがってこのGABA放出はシナプス外放出と考えられる。傍分泌に基づくGABA放出はDA細胞付近にある内網膜層での興奮性を制御するのに寄与しているのかもしれない。次にDA 細胞でのドーパミンとGABAは一部の分泌小胞において共存するというデータを紹介する。特に1) 一部の分泌小胞はvesicular monoamine transporter-2とvesicular GABA transporterの双方にたいし免疫陽性である、2) 一部 (~16%) のドーパミン放出イベントはGABA放出イベントとほぼ同時に発生する、ということを示す。これらの結果は、2種類の異なるvesicular transporter/伝達物質は小胞の成熟過程等において比較的ランダムに小胞上/内に分配されるということを示しているのかもしれない。 |