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研究活動

セミナー詳細

2010年08月25日

睡眠覚醒調節の分子機構

日 時 2010年08月25日(水) 16:00 より 17:30 まで
講演者 裏出 良博 博士
講演者所属 (財)大阪バイオサイエンス研究所 分子行動生物学部門 研究部長
お問い合わせ先 鍋倉淳一
生理学研究所 生体恒常機能発達機構研究部門
444-8585
愛知県岡崎市明大寺字西郷中38
TEL:0564-55-7851
Fax:0564-55-7853
nabekura@nips.ac.jp
要旨

睡眠のメカニズムの最先端研究をおこなっている裏出 良博 博士を招いてセミナーを行います。振るってご参加ください。

[睡眠覚醒調節の分子機構]
http://www.obi.or.jp/japanese/introduction/set_systemsbiology.html

健康な生活に睡眠は不可欠であり、ヒトは人生の約3分の1を眠りに費やす。しかし、睡眠の目的や調節機構など、睡眠に関する疑問の多くは科学的に解明されていない。現在までに数十種類におよぶ睡眠物質が同定されているが、その中で我々が研究を進めているプロスタグランジン(PG) D2は最も強力な睡眠誘発作用を示す。
我々は、様々な遺伝子欠損マウスを用いて、PGD2による睡眠誘発の分子機構の解明を進めてきた。その結果、現在ではPGD2は分子レベルでの作用機構が最も明確な睡眠物質として世界の学会で認められている。また、我々はマウスの睡眠測定用に開発されたシステムを応用した簡易型睡眠計の開発や、睡眠覚醒の調節作用を持つ天然素材の探索、睡眠中に脳内で起きる変化を遺伝子レベルで網羅的に解析する研究も進めている。不眠に悩む人口の増加に伴い、快適な睡眠を得る方法や薬の研究に注目が集まっている。世界の最先端を走る日本の睡眠基礎研究の成果を紹介する。