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セミナー詳細

2011年07月15日

ストレス応答における脳幹部ノルアドレナリン作動性ニューロンのはたらき

日 時 2011年07月15日(金) 16:00
講演者 井樋慶一
講演者所属 東北大院 情報科学 情報生物学、東北大院 医学系 神経内分泌学
お問い合わせ先 生体システム研究部門 南部 篤 (nambu@nips.ac.jp, 内線7771)
要旨

「ストレス」という用語はWalter Cannonにより医学・生物学の領域に導入されたが、Hans Selyeは視床下部-下垂体-副腎(HPA)系の内分泌応答がストレスの種類によらず惹起されることを明らかにした。1981年、Wylie Valeらにより視床下部に存在する副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)が同定され、HPA系調節メカニズムの研究が飛躍的に進んだ。
副腎皮質から分泌される糖質コルチコイドは最も重要なストレス防御因子である。しかしながら、ストレス情報がいかにして脳内で統合され、その結果、視床下部CRFニューロンからのホルモン放出がどのように調節されるのかについては未だ不明な点が多い。
これまで井樋研究室では脳内ノルアドレナリン作動性(NA)ニューロンがストレス応答において果たす役割を明らかにしてきた。本セミナーでは従来の研究成果に加え、延髄のNAニューロンに共存するプロラクチン放出ペプチドのはたらき、ストレスによってCRFニューロンに誘導される最初期遺伝子産物FosBの意義について考察する。また、最近開発された青斑核選択的NAニューロン破壊マウスについても紹介する。