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セミナー詳細

2011年12月08日

ラットES/iPS細胞の樹立とその応用

日 時 2011年12月08日(木) 12:20 より 13:20 まで
講演者 平林真澄 先生
講演者所属 遺伝子改変動物作製室
お問い合わせ先 石橋 仁 (生体恒常機能発達機構研究部門、内線 7854)
要旨

ラットはマウスに比べて体が大きいことから手術等の操作性に優れ、ライフサイクル もマウスのそれとほぼ変わらないので、ヒトの生理機能や疾患を研究するモデル動物 として広く利用されてきた。ラットにおける一連の生殖工学関連技術(過剰排卵誘起、 胚採取、胚移植、胚の凍結保存、体外受精、顕微授精、外来遺伝子導入など)は、マウ ス並の高いレベルの完成度にあると言える。
2003年には体細胞クローン個体の誕生が 報告され、2004年には全ゲノム配列の解読(BN系統)も完了した。一方、遺伝子ターゲッ ティングに必須なES細胞の開発が遅れていたため、ノックアウト(KO)ラットを利用し た研究はまったく進展しなかった。しかし2008年、ついにラットのES細胞株ならび にiPS細胞株が樹立され、2010年にはp53遺伝子KOラットの誕生が報告されるに至った。 条件が整ったこれからは、ラットを用いたReverse Geneticsの研究が大きく発展する ものと期待される。本セミナーでは、ラットES/iPS細胞の樹立とその応用として、KO ラットの作製と異種間キメラ動物の作製について紹介したい。