日 時 | 2011年12月08日(木) 13:20 より 14:20 まで |
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講演者 | 田中章浩 先生 |
講演者所属 | 早稲田大学高等研究所・助教 |
お問い合わせ先 | 定藤規弘(心理生理学研究部門 内線7840) |
要旨 |
他者とのコミュニケーションにおいて円滑な関係を維持するためには,相手の情 動を正しく認知することが不可欠である。話し手は言語内容に加えて,表情や声 の調子などの非言語情報を利用して情動を表現しているが,こうした多感覚的な 情動表現の認知様式には文化差がある可能性がある。そこで,話し手の顔と声が 表現する情動を独立に操作したときに,聞き手は相手の情動をどのように認知す るのかを日本人とオランダ人の間で比較した。心理実験の結果,日本人は顔判断 時には声からの影響が大きいのに対して,声判断時には顔からの影響は小さく, 一貫してオランダ人よりも声への依存性が高かった。この結果は,文化が多感覚 統合における情報の重みづけに影響を与えることを示唆している。 |